クラウドファンディングを成功させた3人の店舗経営者
クラウドファンディングを成功させた3人の店舗経営者

「借入はしたくない。そうだ!誰かうちの店に ” 出資 ” とかしてくれないかな…」

そんなこと一度は考えたことありませんか?私はあります(笑)

良い料理の腕があっても、良い物件を見つけても。どの飲食店でも開業するためにゼッタイ必要なものは「お金」、開業資金です。

出店の時に使う創業融資というと、政策金融公庫がまず思い浮かびます。しかし実際は融資を申し込んでも、満額で調達ができる成功確率は2〜3割ほど。逆に言うと、7〜8割の開業希望の方は満足できる資金を調達できることはできていません。

そこで金融機関からの借入ではない、新たな開業資金の調達方法が出てきましたのでレポートします。なんと利子を返したり経営権を渡すわけでもなく、3000万円の資金を用意できた例も!既に飲食店・美容サロン・物販店などでも活用が始まっています。

そんなことができてしまう「クラウドファンディング」、興味ありません?

海外では既に盛り上がっている資金調達の新たな手法、クラウドファンディング(Makuake)についてのセミナーに参加しましたのでレポートします!

飲食店では「馬肉専門店」や「とろ鯖の専門店」がクラウドファンディングで資金調達に成功するなどの例が。後半にはそのオーナーが語る箇所もあるので要チェック!とろ鯖のオーナーは「クラウドファンディングで人生変わりました」とも。

・店舗開業支援プログラム~Makuake×Airレジ活用講座~ 2015年2月3日サイバーエージェントにて

モデレーター:株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング 取締役 坊垣佳奈氏

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングの仕組み

銀行などではなく、インターネットを使って不特定多数の型からそれぞれ比較的小さな額での資金提供を行ってもらうこと。今はソーシャルメディアなどで情報が拡散しやすく、効果が広りやすくなっています。

クラウドファンディングというと聞き慣れない言葉かもしれませんが、既に金融機関との連携も始まっています。融資を行うかどうかの判断に、クラウドファンディングでどれくらい実績を出す事ができたのかということを使っている事例も出てきているのです。

実際にクラウドファンディングが成功した後に、金融機関からの融資額が3〜4倍になったことも。

また金融機関ではなく一般の方から資金調達をしているので、お金を出した方がそのお店の顧客・ファンになったりしている。お金を引っ張るだけではなく、プロモーション・マーケティング・顧客獲得など様々な副次的な効果にも繋がっている。

投資型・寄付型・購入型の3つの型がある

クラウドファンディングは投資型・寄付型・購入型の3つの型がある

お店や事業のコンセプトに共感した方が、小さなお金から大きな金額まで出せるようになっている。資金調達では投資をイメージする方が多いがEC(購入型)と呼ばれるものになっている。

お金ではなく、モノでお返ししていく形。権利・チケット・食事券で返すなど、基本的な考えはEC(電子商取引)とされている。実施のためのハードルが低く、初期費用が必要ないというのが注目されている。

今では、地方自治体や商工会議所などでセミナーなども実施している。

・投資型

お金で戻さないといけないタイプ。

・寄付型

なんのリターンも発生しない。

・購入型

モノがリターンとして得られるもの。海外ではキックスターターなどが有名。

こういったクラウドファンディングは震災で有名になり、最初は寄付の形から広がり始めた。最近はビジネス寄りに使われることが多くなってきた。

実施パターンは2つ

クラウドファンディング実施の2パターン

ALL or NOTHING パターン

目標金額に達さないと、1円も振り込まれない形式。もし目標額に行かないと、そのお金は出資者に戻さないといけない。最低いくら集まったらこのお店ができる、と必要資金が明確なお店にピッタリと言えます。調達できたお金のうち、15%手数料と5%の決済会社に行く。

ALL IN パターン

目標金額に達しなくても、終了日までに調達した金額が獲得できる。ただし、お店が作られない状況になったとしても約束したリターンは用意しておかないといけない。例えば既にお店を作ることは決まっていて、販促などの追加資金などを募集するのに向いている。例えばお店や映画など、なにか宣伝したい時などにはぴったりはまる。

サイバーエージェントが仕掛けるクラウドファンディング、Makuakeとは

Makuake説明

様々なクラウドファンディングが国内でも出てきましたが、Makuakeの強みとしては以下のようなものがあります。

1、PR力が強く情報が拡散しやすい

サイバーエージェントの顧客構造4000万人。プロモーションノウハウも保有していることからプロジェクトの集客支援ができる。

2、決済手段が多く資金が募りやすい

日本一多い決済手段。クレジットカードが持てない10代の支援者などもいるため、クレジットカード以外のものも多数用意。

3、サポート力・機能

1プロジェクトにつき1人のメンバーを立てて対応。私(筆者)が実際に社員の方と話した印象ですが、1件1件相当丁寧に支援されているようです。

メディアからの注目も非常に高い

メディア掲載(WEB)

1ヶ月に200記事を超える掲載実績あり。会社自体の広報力の強さということもあるが、今この分野にメディアから注目が集まっているのが原因のようです。クラウドファンディングを実施することによって、メディアに載る可能性もあるというのも取り組む側としては魅力です。

・新聞も数多く掲載

メディア掲載(新聞)

日経や日経産業新聞、MJ、読売など多数。

・テレビでも多数

テレビ放映

スポーツなどでも活用されていて、海外では有名でも国内ではマイナーなスポーツを応援するようなものも。選手が必要とする年間何百万の渡航費をクラウドファンディングでサポートするなど。

資金サポートすると、選手のサイン入りユニフォームがもらえるなどでお返しする形を取っていました。

例)テレビ東京特番「世界を動かす!日本人スポーツヒーロー達」
WBS(ワールドビジネスサテライト)とれタマや番組冒頭でも取り上げられている。

サイバーエージェント社内の連携

社内連携
1、amebaからの誘導

アメーバトップページ「アメーバトピックス」から誘導。1000〜4000のアクセスが取れるもの。これは50〜100万の広告費に値する。

2、自社メディアからの誘導

600万MAU(ユーザー)からの誘導も。主にバズメディアから。

お金が手に入るまでの実施フローと良く出る質問

実施フロー

検討タイミングから、実際にお金が入るのは約4ヶ月くらいが目安。どうしても近々であれば、募集期間を短くするなどは相談可能。

よく質問が上がるのが、「どんな審査項目があるのか?」ということ。金融機関と同じような審査基準だとあまり(クラウドファンディングの)意味がなくなってしまう。なのでお金がまつわる仕組みではあるが、ちゃんと公言することを実行できる能力があるか、人を集めているか、実力があるかなどが基準。

実現できないと支援してくれた人を裏切ってしまう、そこを審査する。

Makuakeの掲載条件について

掲載条件

調達金額の15%と決済手数料5%が費用になります。なので80%が手元に残る計算。集めたお金で出資者に何かしらリターンを返していくので、その費用もふまえて募集金額を設定すべきということですね。

私(筆者)の印象ではこの20%は決して高くないと感じました。サポートしてくれることはもちろん、支援してくれた人たちからも売上が期待できますのでこの20%が全くムダになるどころかマーケティングの観点からも有効だからです。

実際のクラウドファンディング成功例、まずは店舗以外のものから!

プロダクト例 組み立てロボットRAPIRO
RAPIRO 世界で話題の組み立てロボット

5,669,000円を集めた事例。調達が成功してから世界中のイベントに展開中。作ったものをそのまま出資者に戻せば良いのがプロダクトものの特徴。限定先着50名Tシャツ付きなどは食いつきが良い。日本人は特典が好きということもあり、募集初期に初速をつけるブーストのための工夫としては特典は効く。

サンドボックスゲーム airship
サンドボックスゲーム Airship Q

130万円くらいを5時間足らずで集めた。しかもこの成果を元にして、他からmakuake経由で7000万の追加調達に成功。あとあとの展開に繋がっている事例となっている。東京ゲームショーに出展したり4gamersでも高評価のものとなっている。
リターン例)ゲーム内の島の命名権などファンが喜ぶリターンを用意。

オシャレなLED電球 Siphon
中小企業プロダクト事例 オシャレなLED電球 Siphon

名古屋の中小メーカーの新規事業。1200万を超える金額を集めている。販路交渉においてもクラウドファンディングの実績を出す事で判断がおりやすく、早い段階から販路が広がるきっかけに。

モノ作りやガジェットもののウェブサイトであるGIZMODEやGIGAZINEなどメディアからの取材を多数獲得。またその取材が他の取材を呼び込んでいった。

販売の前に話題になる、というのが今までになかった動き。

マーケティングとしても活用され、電球の形をどうするかなども3パターンを事前に試し、結果的にエジソン型の形が人気と判断しそれを増産した。

大手企業も参入 SONY
大手企業も参入 SONY

スマホが家のカギになるQrio。スマートフォンで家のカギを開閉できるようにできるプロジェクト。1500万以上を調達した。メディアへの掲載数30以上。

赤ずきんちゃんをイメージした化粧品(アイシャドウ)
赤ずきんちゃんをイメージした化粧品(アイシャドウ)

10代に話題になったプロダクト。2000人以上がサポーターになった、日本一支援者が多いプロジェクト。イラストレーターが、赤ずきんちゃんをイメージしたアイシャドウが欲しいとつぶやいたことがきっかけ。プロジェクト始まってから、ツイッターで5000RTを超える。次回のプロジェクトの早期実現に繋がった。

飲食店・美容店の開業成功事例

馬肉専門店の開業
・馬肉専門店の開業プロジェクト ロッキー

目標300万に対し、555万円を超え目標達成。かなりイレギュラーですが、終了期間前に募集を強制終了。オープンから1年間は、ここで支援した人しか入れない特別仕様にした。

馬肉専門店 リターン例

その限定感が話題になり、1年間飲食代が定額(6500円)になるというリターン。8000円、1万、3万の3パターンで出資額とそれぞれのリターンを用意。

とろ鯖専門店「SABAR」
・とろ鯖専門店「SABAR」

関西で人気のとろ鯖専門店の関東初進出。200万ほど集めて東京出店になった。リターンは限定感を打ち出すものに設計した。地元である関西の支援者のために、関西の人も使えるチケットなども用意。

とろ鯖専門店「SABAR」リターン例

関東での認知拡大の大きな足がかりに。60以上のメディアにて紹介された。1店舗目があってファンがいると次の出店のたびにお金を出してくれる方が出てくる。2〜3店舗目の出店にもクラウドファンディングの活用は非常に良いかと思われます。

SALON by BULK HOMME
・SALON by BULK HOMME

国内のクラウドファンディング最高額の3000万を超える調達ができた。男性専用のエステサロン。支援頂いた方にお店に来てもらって、それをブログなどで発信している。

SALON by BULK HOMME リターン例

最高額を調達したことでその後、様々なメディアに取り上げられることに。最終日は3000万円を超えるかどうか微妙なラインだったのが、締め切りギリギリに注目が集まって想像以上に話題が広がった。

日本製カスタム時計「Knot」

KNOT 日本製カスタム時計「Knot」初のFLAGSHOP

2014年7月に500万円の調達。時計の専門雑誌などに掲載も繋がった。基幹店で製品が永久的に10%オフになる100名限定の永久会員のリターンが話題に。

日本製カスタム時計「Knot」リターン例

クラウドファンディング成功→リアル店舗へ。最初のファンディングでファンを造り、その後リアル店舗開業に繋がっていった。

クラウドファンディングの活用メリット

クラウドファンディングの活用メリット

常に何千万の資金を集められるわけではない。資金調達をしながらプロモーション・顧客獲得やマーケティングに使って頂くというのが進んでいる。お金が欲しいだけでなく、様々な理由で相談してもらったら良いかと。「店舗開業前」に顧客巻き込み型で進められるのが面白いところ。

認知を広めるだけでなく、顧客の反応を見れる。また初期顧客の獲得になる。

店舗開業のクラウドファンディング実行者対談(ざっくり書き起こし)

クラウドファンディングを成功させた3人の経営者
クラウドファンディングを成功させた3人の経営者

株式会社Knot 代表 遠藤弘満氏(以下遠藤氏):マクアケでの資金調達にきっかけに3月4日に吉祥寺に直営店を構えることになりました。エアレジの導入も決めたところ。

株式会社バルクオム 代表取締役 野口卓也氏(以下野口氏):自社ブランドのバルクオムの通販が本業だった。IT業界の人間だったのでビジネスに厚みを持たせるためにエステサロンをしていこうということに。

サイバーエージェントさんのPR力と考えている。バルクオムという名前が売れたおかげで本業の通販も軌道に乗ってきた。

株式会社 鯖や 代表取締役 右田考宣氏(以下右田氏):ミュージックセキュリティという投資型クラウドファンディングを行った経験もあった。3店舗の出店をファンドでまかなった。

・クラウドファンディングを使ったきっかけ

株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング 取締役 坊垣佳奈(以下坊垣氏):クラウドファンディングを使ってみようと言うきっかけはそれぞれどんなものだったでしょうか?

遠藤氏:インポートウォッチの会社の代表を長く勤めていた。アパレルのセレクトショップや雑貨店に卸販売するということを長くやっていた。流通が大きく変わっていておりまして、卸売りを中心にしていると最終決済者が販売店のバイヤーであったり、採用不採用の基準が商品のサービス善し悪し以外で決まるということにジレンマを感じていた。

新しくやる時にはエンドユーザーの想いを直接聞いてみたいということがあった。キックスターター、見てみるとこれは億単位の調達を成功している中で腕時計の成功事例が多くあった。そういうこともあってチャレンジしてみようということだった。

野口氏:クラウドファンディングは、人の説得材料に非常に良くてですね。一年前にエステサロンを開業しようとした時に人的も資金も足りないから辞めた方がいいぞいう社内意見があった。でもクラウドファンディングがあって、目標金額が無理そうに見えるけどこれが集まったらやるべきでしょということで実施に踏み切った。独立しててそのような状況だったが、創業する一緒のメンバーなどいるときなど試金石になると思っています。

右田氏:鯖料理だけで専門店ができるのか、という疑問が周りにあった。世の中に受け入れられるかということでマーケティングの意味があった。投資価値のあるものであれば多くの方が支援してくれるということで興味本意で初めてみた。投資型は初期費用があったり、他の点もあった。

情熱を伝えないといけない業態とあるじゃないですか。そこには投資型は向いていると思う。そこが大きくなればお金が戻ってくるから応援しがいがある。購入型はプロダクトが分かりやすい。両方やる中で購入型にはそのように(特徴を)感じた。

・目標金額の設定について

坊垣氏:目標金額の設定はどうやって決めましたか?

遠藤氏:ファーストチャレンジの時は100万円という設定。最後にエンターボタンを押す訳ですが、1時間前までは50万円という設定をしておりまして。あまりまだ1年弱前ですが、クラウドファンディングは今より知名度も少なく、ほんとうに100万円超えるプロダクトって10くらいしかなかった。スタッフに100万円超えたら凄いよねという感じだった。allin型でやったが。

皆さん日本で腕時計を作るというのがよく分からないと思うんですね。15年間やってる私でもどうやって作るのか、どれだけお金かかるのか。100万円では足りないということでもあるんだが、色々な考えようではあると思いますが、やはり達成することに意義がある、と

坊垣氏:話題性を考えると、目標達成しているプロジェクトの方が評価されやすい。

遠藤氏:スタートしたこと、達成したこと。この2つのタイミングにチャンスがある。

坊垣氏:100万円で時計が作れるワケではないのに設定した。これは金融機関の支援が決定していたのでしょうか?

遠藤氏:まだその時は確定していなかった。市区町村がサポートに入ることはあったが、かいぎょうすれば300万借りられますという程度のものだった。

坊垣氏:なんとかクラウドファンディングでこぎ着けたいなという感じだった。

遠藤氏:金融公庫の枠というのは、対外的には創業の枠は1500万があるようですが。いまだかつてその額出した事例はございませんということだった。でも満額出たのはマクアケがあったから。50歳くらいの課長さんだったが、スタートアップで1500万貸し出すのは初めてですと。商品販売する前の実績、なんというんでしょうね。ビジネスの可能性だったり魅力、目に見える形で証明できる手段だと思います。

坊垣氏:マクアケ(Makuake)をきっかけに満額が公庫から出たと。野口さん3000万の設定は?

野口氏:ブランド名が世間に通用しない状況でどうブランドを作ろうかという時になにかの記録が作りたかった。リアルタイムの最高記録の1500万くらいを超えたくらいでは意味がないかなというのと。青山のちゃんとしたところに出す時に、500万集めても足りないし1台100万の美容機器もザラだし。思い描く、成果を出すためのサロンを作るために。また、目立てるところになれるラインで3000万で。

坊垣氏:右田さん、1000万円という設定は?

右田氏:3月8日の鯖の日にオープンするが、大阪では1500万が4ヶ月で集まった。全部クラウドファンドでやるのが面白いかなと。あと応援されるためにも1000万円でチャレンジしようかと。

坊垣氏:all or nothinngは難しい。うまくいかないと(集まった資金を)戻さないといけないし。メンバーは日々色々なプロジェクトを見ていて、これくらいという感覚値は持っている。迷ったらスタッフに相談してもらえれば。

・募集に関して工夫したポイント

坊垣氏:具体的なことについてお聞きしたい。工夫したポイントは?

遠藤氏:今回は2回目だったので勝手が分かったこともあった。スタート当初は仲間内から知り合いまで1件1件電話して協力をお願いした。目標金額を4日か5日で達成したが、話題になってプロモーションになってそれから一般の方が応援してくれた。

2回目はリターン設定を工夫した。時計そのものではなく、裏蓋をリターンにしている。永久会員の印を裏蓋に。これを100名のメンバーに。裏目標は1000万になる計画。プロダクトの場合はリターンの魅力、その設定が大事だと私は思っております。

坊垣氏:最初にお伺いしたいのが、飲食店の関係者。多分遠藤さんが仰ったように、分かりやすくお得にというのが分かりやすい。モノを扱う店舗は魅力的に提示してあげるのが一つポイントですね。

野口氏:遠藤さんと天と地ほどの差がありまして。金額ありきで非常に苦労したと。かなり泥臭くやってきたと。60日間で3000万集めるというのは事業として捉えていた。
その間会社の一般業務を止めていた。知り合いに会ってお茶代もつから支援してとやっていったりした。支援してくれた過半数が知人だが、顔の見えない方がもう半分。今も毎日のように、支援してくれた方が来店してくれている。

男心をくすぐるような、はねたりするが。私のような普通の人が普通にやると金額集まると考えると苦労するかもきちんと一人一人のお客様と向き合って売上を上げていくのが大事。

坊垣氏:このプロジェクトに関しては、知り合いの方から始まってそこに知らない人が乗ってくる。3〜4割が元々の知り合い、そこから2割が拡散、残りがメディアに乗ったりしていくイメージ。最初から見ず知らずの方だけで集まっていくわけではない。お金を集める仕組みなので、簡単ではない。一緒になりながら頑張っていければなと。

右田氏:私の場合は反省から入るのですが、飲食に関してはリターンをもっと考えた方が良かったなと。設定金額に近づけないといけないなという想いがあった。料理やコンセプトとか伝えやすいものがあるはず。もっとリターンできる仕組みをしっかり考えれば良かったなと。マクアケさんの集客力は高かった。知人にも話したけどあまりやらなかったわりには集まったと思う。見せ方一つでもう少し変わったかな。自分の強みのアピールと写真をめちゃくちゃ使った方が良いですね。

坊垣氏:飲食もリターン設定がキモ。元々ファンが多かったというのもあるが限定感のリターンが利いた。

・クラウドファンディングでお店を作った反応とは

坊垣氏:実際に店舗を作ってみた反応は?

野口氏:お客様は皆さん大事なのですが、特にクラウンドファンディングで来られたお客様は非常に質の高い方が多い。お金払いもいいし、通ってくださるし、良くしようとファイードバックを下さる。

・今後の展開について

坊垣氏:今後の展開と言いますか、どうしていこうかということを皆さんにお聞きしたい。

遠藤氏:直近ではフラッグショップをオープンさせようと。私たちの考え方はOTO。オンラインからお店にというものだったが、その逆で店はギャラリーとしてネットに誘導していこうと考えている。ちょうど先週末、台湾に言ったが、メイドインジャパンの腕時計に挑んだのはグローバル戦略にあります。工場の生産ラインを倍にして、台湾・シンガポールなど8カ国で販売開始しようと考えている。日本製の腕時計を1万円からカスタムオーダーで提供する。気軽に世界の人が使ってくれる。エントリーモデルとして使ってもらえるようにするのがテーマ。

野口氏:化粧品のネット物販を伸ばしていこうと。外国人の観光客をもっと開拓していこうと。来日した海外のスターに来てもらえるような店に。年内にクラウドファンディングで面白いことをやろうとおもっている。

右田氏:クラウドファンディングで人生変わったと思っています。鯖というものを普及していくためのアンテナショップができましたので。今後、飲食の成功例として話していったり。サービスとして鯖祭りを3月8日に開催する、その応援する方を募集するとか。小額でもファンを巻き込んでいくのが醍醐味と考えている。年内に関しては大手町に店舗出しますし、今年だけで3店舗関東で出していく。

Q&A

クラウドファンディングを活用した3名の社長
Q:今後はどうやってクラウドファンディングを活用していこうと考えているかお聞きしたい。

遠藤氏:資金調達、PRでやってきましたが今後は一度目のチャレンジで300名、今回は500名ほど支援してくれた。やはりクラウドファンディングをしてくれるのはコアなお客様。私どもはファンコミュニティとして3月の4日の直営オープン前にマクアケのお客様を呼んでレセプションパーティーを行ってその場でコミュニケーションを取りながらカラーリングを決定していくなどパートナーとしてコミュニティとして活用したいと考えている。

野口氏:新規事業・新商品・新ブランド立ち上げの時には使おうと思っている。少しだけ未来にあるプロダクトが相性が良いと思っている。市場に問いかける意味でも。

右田氏:アーリーステージ、新業態を試して。そこでお客さんをつけてその後金融機関に融資をお願いしていくのが良いと思っている。

Q:メディア掲載されやすいポイントは?

坊垣氏:
ポイントは大きく2つ。どちらかというと、メディアの記者との接点だと思っている。普段記者と色々な話をしている、今どんなネタを探しているか分かっている。そういう情報をキャッチアップしているかがポイント。

もう一つは、メディアによるということ。新聞ならこう、ウェブならこう、ニュースメディアならこうなど特徴がそれぞれある。普段どんな記事がどこに出ているか見ておく事。自分のプロジェクトがそこに乗っていても違和感ないなとイメージしておく事。分かりやすい一般的なノウハウは戦略PRの本を読めば分かるかもしれません。

Q:サポーターの方へ配慮すべき点は?

遠藤氏:投資になりますので、終了の3ヶ月後にリターンをお返しする。その間に商品届くのかとか、ほんとにお店が出来るのかなとか。心配事はあると思う。モノが出来てくるプロセス、こういうサンプルが上がりましたなど。安心感を与えていくというのが一つ。出来ていく過程を紹介していくなど、よりファンになっていくのではと。

野口氏:
期日を守る事と、品質を守ることが大事。半年くらい遅延したというのがキックスターターでは起こっている。延期の場合はサポーターを一人一人お伝えしていくなど。あとは本当に写真が大事。製造の段階でダサくて届いたものになってしまうとマズイ。なので店舗の内装など本当に力を入れた。

右田氏:投資家パーティーをします。投資家に集まって頂いて意見を頂くようにしている。アンケートを書いて頂いて、お店に反映したりとか。アクション書けて年に2回くらい接触頻度を高めるか。お客さんにファンになってもらって来店頂かないと意味がないので。

あとがきと感想(関連リンク付き)

非常に内容が充実したセミナーでした。地道に貯金・金融機関からの融資・関係者からの出資・リース・株式発行など今まであった開業資金の方法に加わる新たな選択肢だと感じました。

また、サイバーエージェント社の露出力・PR力があってこそ、サービスの認知が広まり、資金が集まってきているのも非常に重要なポイント。

「金利がかからない」「(形式によっては)返済義務がない」メリットに加えマーケティング・商品開発・新規集客も同時にできる資金の調達方法として、活用が進んでいきそうです。

最後にMakuakeとクラウドファンディングを活用したそれぞれの経営者様のビジネス、また手前味噌ですが成功率9割を実現する開業資金についての無料セミナーのリンクを置いておきますのでそれぞれご活用ください。(著:株式会社M&Aオークション マーケティング室 室長 山瀬智彦)

Makuake(マクアケ):クラウドファンディング

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