宮崎料理てにゃわんオーナーと大森

突然ですが、皆さんにクイズです。

「AKB48」と「儲かる飲食店」の共通点はなんでしょう?

宣伝が上手?

経費(ギャラ)が安く利益出やすい?

そんな理由ではないですよね。

 

正解は、両方とも『熱心なファン(信者)が付いている』

 

「儲」と書いて「信者」と読みます。

信者と呼ばれるような、「熱烈なファン」を作れるかどうか。

 

それが「継続的に」儲かる飲食店の条件です。

 

一般的に新規客と比べると、リピーターの来店獲得コストは5分の1

逆に捉えると、新規客に来店してもらうにはリピーターの5倍のコストが。


だからこそ、着実にリピーター客を増やす店舗は経営が安定するのです。

お店がリピーターで埋まれば、広告は一切不要。

 

今回は「広告に頼らない繁盛店」をどうやって作り上げていくのか?

先日2周年を迎えた恵比寿の繁盛店「宮崎料理てにゃわん」を例に見ていきましょう。

いっさい広告宣伝をしない繁盛店

先日2周年を迎えた恵比寿の繁盛店「宮崎料理 てにゃわん」。

予約無しでは入れない、いつも満席の人気店です。

 

小澤オーナー

ウチはいっさい広告宣伝したことないんですよ

確かに、どこを見ても有料広告は掲載されていません。

食べログにお店の情報は載っていますが、コレはお客さんが勝手に投稿したもの。

お店側から広告掲載を依頼したことは一度もありません。

 

では、どうしてこんなにお客さんが来ているのでしょうか?

 

飲食激戦区・恵比寿の人通りの少ない裏通り

しかも認性・アクセス性が悪い地下1階店舗。

 

広告宣伝に一切お金をかけない繁盛店を作る方法なんてあるのでしょうか?

答えは、てにゃわんの店内に

宮崎料理てにゃわん 店内の様子

その答えは、満席に埋まったお客さんの様子や飛び交うセリフの中にありました。

穏やかそうなサラリーマン客

あ、小澤さん(店長)どうもどうも!

課長っぽいサラリーマン

いつものちょうだい!いつもの!

メガネをかけたサラリーマン

今日のオススメどれっすか?あ、じゃそれください!

女性サラリーマン

今日も楽しかった〜!また来るね!

どう考えても、初めてのお客さんとは思えない親しげなセリフが至るところから聞こえてきます。

それもそのはず、お店を埋め尽くすお客さんの大半がリピーター

確かにこれだけリピーター比率が高ければ、いつも混んでいるのも納得できますね。

 

でもこれは、繁盛店では「よく聞く話」。

 

さらに、お客さんの会話を耳を澄ましてみるとと、こちらのお店ならでは「強み」が見えてきます。

その強みとはなんでしょうか?

リピーターがお客様をつれてくる

紹介で集団で来店したサラリーマン

穏やかそうなサラリーマン客

あ、小澤さん!今日は会社の後輩連れてきました~!

課長っぽいサラリーマン

やっぱり〆は冷や汁でしょ!ココの冷や汁は美味いから食ってみろって!

メガネをかけたサラリーマン

どう?ここのチキン南蛮美味いっしょ?

女性サラリーマン

でしょ?でしょ?ほらね、いいお店でしょ~?

お客様自ら、このお店を宣伝しています。

それはもう一生懸命!

 

どういうことかと言うと・・・

このお店のリピーターは、ただのリピーターではありません。

この店の「熱烈なファン(信者)」であり、その店の応援団とも言えます。

 

他の人にもつい教えたりシェアしたくなるほど、このお店のことが大好き!

熱烈ファン(信者)をつくる小澤さんの思い

てにゃわんオーナー

オーナーの小澤さんは「広告宣伝は一切しません。」とおっしゃる一方で、こんなことも。

 

小澤オーナー

来ていただいたお客さんに、最高に楽しんで頂きたいんです。

小澤オーナー

恵比寿で一番笑顔が集まるお店にしたいんです!

お店にいる時の小澤さんは、決して笑顔を絶やすことはありません

とにかくいつも元気で、いつも面白いこと言ってお客さんを笑わせています

お客さんの顔をよく覚え、ひとりひとりに楽しそうに声を掛けています

小澤オーナー

お〜、お久しぶりです!

小澤オーナー

あれ?ヒゲ伸びましたね?笑

小澤オーナー

〇〇さん、いつものでいいですか?

しかしそんな小澤さんも、お客さんから見えないところで想像を絶するような努力をしているんです。

不安で寝れないことや、人には話せない悩みだって…

 

ではお客さんが帰ったあと、小澤オーナーがどのような取り組みで熱狂的な常連さん(ファン)を増やしているのか。

具体的にファンを増やす取り組みについて、見ていきましょう。

来店のきっかけによって、リピーター(常連)になる確率が違う

来店イメージ

熱狂的なファンは、突然発生するわけではありません。

新規客→リピーター(常連客)→ファンと段階を踏んでいくものです。

まずはリピーター(常連客)を多く育てましょう。

 

その考え方はシンプルです。

①「どんな人が」②「どのぐらい」来店したら常連さんになるのか。

来店のきっかけによって、リピーター(常連)になる確率が違う

リピーター来店手法

来店してくれたお客様のリピート率は、その理由(きっかけ)ごとに異なります。

上記は来店理由ごとに「次(2回目)も使いたいと思いますか?」と聞いたアンケート結果。(2011.5 店舗そのままオークション調べ)


「ネット検索、食べログ」から来店したユーザーは、リピート率が高いことが分かります。

お店のメニューや雰囲気・口コミを調べて来店し、自分に合いそうな店という前提で来てくださっているので当たり前ですよね。

 

一方、フラッシュマーケティング(グルーポン・ポンパレなどのクーポン共同購入サービス)をきっかけでは再来店しにくいことが分かっています。

なぜなら来店理由のほぼ100%が、「安さ」によるものだから。

そういったお客様の中には、『安くなければ絶対に来店しない』層が含まれています。

 

また1度、価格面で過度にオトクな経験があるために通常の価格での来店をためらいがち。

初回1500円で食べられたものに、2回めの来店で3,000円や4000円を支払おうと思えるでしょうか?

「損したくない」と、クーポンが出るタイミングだけを狙うお客様だっています。

 

1回限りの費用対効果(費用÷獲得人数)だけでは、どの販促が効果的か判断できません。

広告手法を選ぶ場合には「顧客生涯価値」の考え方が重要です。

顧客生涯価値(LTV)とは

時間とお金

「顧客生涯価値」(LTV)とは、Life Time Value。
「一人のお客様があなたのお店で生み出す利益」です。

 

例をあげましょう。

チラシを配り、「Aさん」が来店。

・1来店あたりの客単価は5000円

・3年間、月2回通ってくれた(72回)

Aさんによる売上は36万円です。(5000円×72回=36万円)

 

1度きりの来店ではなく、リピーターになってくれたAさん。

「顧客生涯価値」では、36万円分の売上

 

家賃や人件費などの固定費は増えませんので粗利が仮に6割だとすると、

Aさんひとりが21.6万円の利益に繋がっているわけですね。

(※実際のてにゃわんの原価率・粗利とは関係ありません)

 

上記で確認いただいたように、リピート率は最初の来店理由ごとに異なります。

どこに注力していくべきなのか、考えていきましょう。

 

しかし、これはあくまでも一般論。

お店によっては、来店きっかけではなく他の部分でリピート率を向上することも

「このウリの◯◯を注文した人の満足度が圧倒的に高くリピートに」

「60歳以上の男性は居心地良く感じ、再来店しやすい」

「2人組で来店する人は静かさや個室感を気に入る」などなど。

自店のリピーターになりやすい傾向・ポイントを見つけ、より効率的にリピーターを増やしていきましょう。

◯回お店に来てもらうと、その後もリピートしてくれやすい

来店回数別リピート率グラフ

一般的に、お客様は何回目の来店でリピート(常連)化するのでしょうか?

実は3回来店いただいたお客様は、その後も継続して来店しやすいというデータがあります。

 

飲食店の初回から2回めのリピート率はよくても30-40%

新規客が100名いても次回来店してくれる方は30名だけで、70名は2回めの来店がないということになります。

 

しかし、3回目以降の来店は安定しやすい。

つまり、3回来店してもらえればリピーターになってもらいやすいのです。

繰り返し来店してもらうための工夫

①飲食店でしかできない「体験」を提供する

ただ食べるだけなら、家(中食)でいいですし、今ではコンビニの弁当や惣菜でもなかなかのレベルです。

あえて外食するのは、プロレベルの美味しい料理や店の雰囲気を求めて

 

つまり、外食でしかできない体験をいかに提供するか

お客様の満足度はここにかかっています。(※料理やサービスが一定のレベルに達しているのは最低条件)

 

今回ご紹介した宮崎料理 てにゃわんの小澤オーナーは「体験提供」が非常に上手

お客様への声かけはもちろん、時間があれば各テーブルをまわって盛り上げます。

音声をとって流したいぐらいなのですが、それはさすがに…

文章では伝わりづらい部分なので、ぜひ1度行って体験してみてください!

これらはお客様の生の声の一部です。


お客様への声かけや雰囲気づくりを心がけましょう。

「お料理はお口に合いましたか?」

「近くにお住まいなんですか?」

まずは些細な会話からで構いません。

最初のオーダーや会計の時など、話しやすいタイミングはいくらでもあります。

 

ただしなんでもかんでも声をかければ良いわけではありません。

あわせて心配りをすることが肝要。

・商談など込み入った話をしていたら注文に伺わない

・初めての人がくつろげる環境を提供する

お客様の様子をよくみて、臨機応変に対応します。

 

②再来店を促すポイントカードとは

下のポイントカードをみてください。

会計時に渡されて、どちらが次行きたいと思いますか?

ポイントカード例

ポイントカード例2

このような販促物をせっかく作っても、使ってもらえなければ意味がありません

 

最初のカードは特典がもらえるまでの道のりが遠く感じませんか❔

「これ、貯めるの大変そう」とお客様に思わせないようにしましょう。

 

2枚目のカードのマスは、たった5つ。

さらに最初3マスは初回で埋め、あと2回(3回目の来店)で特典がつくようにしています。

人は途中まで進んでいるものを止めてしまうのにはちょっとした抵抗があり、完成させたい心理が働きやすいことを上手く利用した例です。

 

『まずは3回きてもらう』ことを念頭において考えましょう。

 

また、来店の間隔が開きすぎないよう「1ヶ月以内の来店ならスタンプ2倍」や期限付きクーポンを用意するのも有効です。

「満足」以上に「感動」させる、てにゃわんの取り組み

てにゃわん様 お礼の手紙

これ、なんだか分かりますか?

宮崎料理てにゃわんに行ったあと届いた、お店からの感謝のお手紙です。

てにゃわん様 お礼の手紙

手書きの封筒に、ニュースレター・写真の3点セットです。

こんなステキなお礼がきたら、スグにでもまた行きたくなってしまいますよね。

もちろん手紙と写真という「残るモノ」ですから、時間が経ってからもお店のことを思い出してもらう「リマインド」にもなることは言うまでもありません。

 

日々お店の営業に追われるなか、なかなかできることではありません。

本当に頭が下がります…!

他の店舗でのリピーター促進例

人々の下半身

1、商品に力をいれる

・他店では入手困難なビールや裏メニューを提供

・食材やお酒の美味しい食べ方・飲み方を提案

 

2、お客様の情報を徹底的に管理

・来店日や購入商品を残し、次回のオススメに繋げる

「前回は〇〇をお試しいただきましたが、いかがでしたか?」

情報が残っていることで会話もしやすく、履歴を溜めておくと顧客の好みも詳細に把握できます。

 

3、SNSを活用

・お店やオーナーのFaceBookやTwitterをフォローしてもらう。

オススメは内装工事の段階など、開業前からSNSのアカウントを立ち上げておくこと。

徐々にお店ができあがっていく過程を知ってもらうことで親近感・愛着がわきます。

定期的にお知らせを送ることでお店を思い出してもらい、来店につなげます。

 

リピーターがリピーターを呼ぶ、ファンが増える繁盛店をつくっていきましょう!

■「宮崎料理 てにゃわん」の店舗情報

住所 :東京都渋谷区恵比寿西1-13-6 ブラッサムZEN B1F

(東京メトロ日比谷線恵比寿駅4番口 徒歩2分)

電話:03-6452-5262

営業:17:00~24:00(不定休)

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