カフェ開業の総まとめ!資金・資格・コンセプトづくり

あこがれのカフェを開業したい!という方へ。
カフェや喫茶店の開業に必要な資金額・資格はもちろん、個人店の開業リスクを減らすためのノウハウを解説します。

カフェ・喫茶店開業のコストと資金の準備方法

最初に気になるのは「いくら」お金があれば開業できるか。
カフェ開業資金のボリュームゾーンは1000万円~1500万円です。

飲食店開業は、思ったよりもお金がかかります
物件を借り、工事を行い、備品をそろえ、仕入れを行う…
どんなに小さなお店でも数百万円から、場合によっては数千万円の開業資金が必要です。

とはいえ、1500万円すべてを自己資金で準備する必要はありません。
親、兄弟からの支援を受けたり、金融機関から借り入れも検討しましょう。

日本政策金融公庫の「2017年度新規開業実態調査」によると、開業資金総額に占める自己資金の割合は21.7%。
そこから考えると自己資金の最低限の目安は、300~400万円です。

具体的な開業費用は、店舗の規模によって違います。
ご自身が考えているお店の規模に合わせて考えてみてください。

開業コストの多くを占める4大項目

①物件取得費
賃料の9~12ヶ月分、居抜きの場合は造作代金 50~300万円

②内装工事・設備
スケルトン:50~80万円/坪、居抜き活用:5~50万円/坪

③開業諸経費
初期仕入:想定売上の30~40%、その他経費:50~200万円

④運転資金
月間固定費の6か月分
※運転資金は余裕を持って準備することをオススメします。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。

飲食店の閉店は、よく赤字が原因だと「勘違い」されている

開業資金はどうやって用意する?

投資コストの目安をもとに、調達が必要な金額を算出しましょう。
シンプルな考え方としては、以下の通りです。
必要なお金-自己資金=「調達が必要な金額」

資金調達の方法は、大きく分けて3つあります。

①日本政策金融公庫「新創業融資」
②民間金融機関からの借り入れ
③親・兄弟・親類からの贈与・借り入れ

① 日本政策金融公庫「新創業融資」

政策金融公庫の「新創業融資」を活用するにあたり、必須条件は開業予算のうち1/10の自己資金を用意しておくこと。

その条件を「そのまま額面上」受け取ると、自己資金の9倍のお金を借りることができます。
たとえば自己資金100万円をもとに借り入れ900万円を合わせると、総額1000万円の開業資金になる。

ただし、これはあくまで制度のルール上のMAX値であり、現実的には、そこまでの好倍率で融資は引き出せることはほぼありません。

だからこそ、新創業融資の利用では”現実的なライン”を知っておくべきです。
開業コストに対し、「1/3の自己資金」を準備しておくことをオススメします。

もともと2014年まで、投資コストのうち1/3は自己資金で用意しておくことが必須条件でした。
条件は緩和されたものの、借り入れ難易度は変わっていません。自己資金の準備は1/3を目安にしましょう。

▼創業融資について詳しく知りたい方は、これらの記事も参考いただけます。
VR×飲食店!前例がない斬新な業態【FIRST AIRLINES】はどう開業融資を成功させたのか?
【こんな些細な理由】で創業融資に通らなくなる!?申請前に絶対に避けておくべきこと

② 民間金融機関からの借り入れ

地方銀行など市中銀行や信用金庫の借り入れはあまり現実的ではありません。
新規の個人開業者は「ほとんど 相手にしてもらえない」と思った方が良いと思います。

民間銀行の場合、過去の実績( 決算、返済実績、経歴)などをしっかり見て、与信(貸して良いかどうか)判断を行います。
新規の独立開業では、信用を補完するだけの”過去の実績”があることが少ないため、融資が受けられる可能性は低くなります。

③ 親・兄弟・親類からの贈与・借り入れ

金融機関を利用しない借入れとして、多くの方が利用するのが親・兄弟・親族などの縁故者からの借入です。
公庫の融資では、もらった(贈与された)お金は、自己資金として認められますが、借りたお金は自己資金として認められません。

▼自己資金について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考いただけます。
飲食店開業の創業融資で「自己資金と認められるもの、ダメなもの」の違い

調理師免許は不要でも、食品栄責任者は必要

カフェを開業するために特別な資格は必要ありません。
調理師免許も不要です。

ただし、店舗ごとに営業許可を取り、「食品衛生責任者」を置く必要があります。
食品衛生責任者は、6時間ほどの講習を受けるだけで取得できます。
そのため、開業準備を進めている段階では気にする必要はありません。

※調理師免許や栄養士、製菓衛生士の資格を持っていれば、食品衛生管理者の講習会は免除されます。

開業前に注意!意外と多い、届け出や書類

開業時には、保健所や税務署に届け出を出さなければなりません。

保健所から「飲食店営業許可」を受ける

飲食店営業許可を受けるには、店舗が条例に規定された施設基準を満たさなければいけません
流し台の数や床の素材などが規定されているため、店舗工事の着工前に、基準に合っているか保健所で確認をとりましょう。
地域によって上記条件は異なるため、管轄する保健所にご相談ください。

税務署に3つの書類を提出

① 個人事業主の開業届出書
『個人事業主』として、公的に認められるための届け出です。
全ての方が提出する必要があります。

② 所得税の青色申告承認申請書
確定申告で『青色申告』を行うための届け出です。
白色申告にする方は提出の必要がありません。

青色申告には節税のメリットがあるため、1度検討しておきましょう。

▼詳しくはこちらで解説しています。
個人事業の飲食店開業手続き、総まとめ!届出・資格・許可・申告に65万円分の節税情報も。

③ 給与支払い事務所の開設届
人を雇用する場合に、提出が必要です。

個人カフェはコンセプト作りが最初の一歩であり、生命線となる

コンセプトしだいで、あなたのカフェ経営の成否が決まるといっても過言でもありません。
なぜなら、単に通りすがりのお客様を狙うだけでは、良い場所に店を構えるための資本力のあるチェーン店に勝てるはずがないから。

個人カフェの強みはお客様を惹きつける魅力的なコンセプト
そのカフェ独自の体験(ドリンク・料理・雰囲気など)が必須。

お客様がお店を目指し「わざわざ来店してくれるかどうか」を基準に作りこみましょう。

独自のコンセプトで、開業の夢を叶えた3人のオーナーを紹介します。

カフェ開業したオーナー

みんなの飲食店開業ブログ

① 高幡不動駅 Cafe De Dango

日本中の団子を食べ歩いた山田オーナーが、高幡不動尊の参道商店街にオープンした団子カフェ。
しかし、出店直後にまさかの、「人通りは多いが、全く来店しない」という大ピンチ!
逆境から脱した『環境適応戦略』こそ、個人カフェならではの戦略です。

公開日:2017年10月24日

みんなの飲食店開業ブログ

② 錦糸町「自然食カフェ すぴか」

「ベジタリアン・ヴィーガンの方にも、そうでない方にも楽しんでほしい」という思いのもと、配慮された食事・ケーキが楽しめます。
イートインだけでなく物販やオーラーソーマコンサルテーションにも取り組んでいます。
オーナー様の資格を活かしたお店です。

公開日:2017年7月10日

みんなの飲食店開業ブログ

③ 永福町駅「永福町珈琲焙煎所 青空豆店」

カフェではなく、自家焙煎コーヒー店を開業したオーナー様です。
『どうすれば売れるか』を徹底的に考え抜く営業マン経験を最大限にいかし、順調にお店を立ち上げています。

公開日:2018年2月16日

まずはコンセプトを練り上げることがスタート

どのようなお店がやりたいか
これがすべてのスタートです。

物件を探す前に、この根本を定めておきましょう。

提供したい商品やサービス・雰囲気だけでなく
どのようなお客様に来てもらい、どう使って頂きたいか、明確にイメージします。

そこで初めて、どのような立地に出店すべきか、どのような物件が必要かが明確になるのです。

まずはコンセプトを作りこみましょう。
頭で考えるだけでなく、紙面かパソコンも使いつつ、抜け漏れなく具体化していきましょう。

まずは「型」となるコンセプトシートがあれば便利です。
このツールは無料でダウンロードできますので、ご活用ください。

■コンセプトシート無料ダウンロード

開業までのスケジュールを確認

お店のコンセプトづくりが一段落したら、次に、開業までのスケジュールを確認しておきましょう。

「いつ」「何をすべきか」知っておくことで、効率的に準備が進められます。
コンセプトをつくりながら、セミナーや勉強会に参加し、情報収集に努めた方がムダがありません。

6500店舗の開業支援の成功・失敗事例から生まれた「飲食店開業の理想的なスケジュール」をフローチャートにまとめましたので、ご利用ください。

■フローチャート無料ダウンロード

▼細かな手順については別記事で詳しく説明しています。
飲食店開業「スケジュール・流れ」の全て。失敗を減らすための理想の手順を学ぶ

カフェ開業の参考記事

■カフェオーナーインタビュー

■開業手続きについて

■資金調達について

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