飲食店アルバイト・スタッフの人材育成方法

オープン後

店舗ビジネスにおいて「アルバイトの人材育成」は経営上の最重要課題の1つ。
スタッフの質が「売上・利益」に直結する飲食店にとって、人材育成の成否はまさに経営の生命線。
ここでは飲食店の正しいアルバイトスタッフの人材育成方法について解説します。

飲食店の79.5%は非正社員が不足していると感じ、人材育成やスタッフ教育に何かしらの課題を感じています。

出典1:特別企画 人手不足に対する企業の動向調査(2016/8/25 帝国データバンク)

「募集しても応募がない」
「応募がきても面接に来ない」
「採用してもスグ辞める」


バイトぐらいスグに来るだろう、という感覚は今すぐ捨ててください。

目指すべきは、『スタッフが辞めずに育つ』店
なぜなら、売上アップに繋がる好循環はここから生まれるからです。

『人材採用→人材育成→店舗環境の改善→売り上げアップ→利益アップ』

時間をかけて仕事を覚えたスタッフの退職は、目の前のシフト組み以上に大きな悪影響があります。
新たなスタッフも採用・教育しなければならず、コストも時間もかかります

仕事を覚え、長期間働いてくれるスタッフこそ、財産。
飲食店では人材ではなく「人財」と表現されるのはそのためです。

スタッフが『辞めない』、働きやすい環境を経営者として整えましょう。
具体的には次のようなポイントがあります。

① だれでもすぐに仕事がわかるマニュアル
② 辞めずに育つスタッフ教育
③ やる気を保つ評価制度


1つ1つ見ていきましょう。

わかりやすいマニュアルがスタッフの負担を減らす

小さな店舗ではマニュアルを用意していないこともありますが、
スタッフのためを思うならマニュアルは必ず用意しておくべきです。
スタッフの不安・負担を軽減し、サービス品質を一定に保つために絶大な効果を発揮します。

マニュアルづくりは、その店の基準づくり。
スタッフ間で意見が割れたとき、スタッフが基本に戻りたくなったとき。
マニュアルがあればすぐに見返すことができます。

新人バイトへの配慮・はじめての仕事に対する不安軽減

新しいバイトスタッフは不安と緊張を感じるもの。
「何をすれば良いかわからない」状況が続いてしまうのは新人にとって大きなストレスです。
働き始めて、2日目にいきなり出勤しなくなった話など珍しくないですよね。

パート・アルバイトの方は短い勤務時間の中で仕事を覚えなければなりません。この負担を軽減するのがマニュアルです。

マニュアルを作ると、仕事の内容とやり方が明確になります。
スタッフも覚えやすく、慣れない仕事への不安も解消されやすくなります。

場合によっては、はじめてアルバイトをする高校生を雇うかもしれません。
キッチン・ホール、それぞれのオペレーションにおいて分かりやすいマニュアルを作りましょう。

サービス品質を一定に保つ

第一に、スタッフによってサービス内容に差が出てはいけません。
お店のオペレーションの基準をわかりやすく伝えましょう。

・キッチンのオペレーション
料理は味も盛り付けも量も、常に同じものが提供されて当たり前。
調理担当者によって違っては、お客様から信頼いただけません。

必要な材料とその量、調理手順を書きます。
盛り付けの仕方は写真を貼り、ビジュアルでわかるようにしておきましょう。
注意事項は都度わかりやすく書き込みます。

・フロア、ホールでの接客
誰が接客しても同じサービスを提供できるようにします。
例えば、「会計時に次回用のサービス券を渡し、外まで見送る」流れであれば、『サービス券は表面を向け、両手で渡す』『ドアを押さえてお客様を通す』と1つずつ注意事項をあげておきます。

ただし、接客では臨機応変な対応が求められることもあります。慣れてきたら全てを機械的に行う必要はありません。

マニュアルに書いてあることがそつなくできるようになったら、スタッフ自身が考え動いてもらうケースも出てくるでしょう。

『お客様を喜ばせる』ことを軸に動いてほしいことを伝え、スタッフと話し合いながらより良いサービスをつくりあげましょう。

マニュアルには写真をいれてわかりやすく

『一定のサービスが誰でも提供できる』を根底において作ります。
写真を入れてわかりやすく作りましょう。

例)オープン準備

例)清掃

辞めずに育つスタッフ教育

人材教育にすべてにおいて『これが正解!』というものはありません。
なぜなら、人によって向き・不向きや理解の仕方が違うから。

大切なのはその人にあった対応をすること。
何名か教えているうちに見えてくるものがあります。根気よく向き合いましょう。

効率の良いスタッフ育成の方法とは?

基本的な教育の流れは以下の通りです。

準備 ⇒ 提示 ⇒ 実行 ⇒ 評価

このサイクルを繰り返し、できることを増やしていってもらいます。

① 準備
ここでやることは2つです。
・今日は何をしてもらうか、何を覚えてもらうかあらかじめ考えておく。
・ユニホームなど必要な物品をそろえる。

② 提示
何をしてもらうか伝え、自ら手本としてやってみせる

③ 実行
実際にやってもらう(ロールプレイング)

④ 評価
できた部分と改善してほしいところを伝える。
一番大切なのは、評価の仕方です。
できていない部分は目につきやすいですが、そればかり伝えても上手くいきません。

まず、小さなことでもできたことから認めてあげることが大切です。
特に今の10代・20代は怒られた経験が少ないため、注意深く接します。

この①~④の繰り返しでできることを増やします。

やる気・モチベーションを維持する

1番考えなければいけないのは、「やる気」「モチベーション」の維持です。
せっかく仕事を教えても、やる気のないスタッフは真剣に取り組んでくれません。

習熟スピード・モチベーションに合わせて、業務範囲を広げていくことが大切です。

・段階に合わせて1つずつ覚えてもらう
作業がおぼつかない段階で、「それをお客様と会話しながらやって」といっても無理があります。1つずつ確実に覚えてもらい、余裕ができたら、次に進みましょう。

・やる気のあるときにいろいろ吸収してもらう
やる気に応え、さらに技術を伝えます。できることが増えると自信がつきます。

やる気を維持しながら、業務範囲を広げ、優秀なスタッフを育てましょう。

やる気を保つ評価の方法

頑張ってやってるのに、だれも認めてくれない。まともに評価してもらえない。
こうなると当然の結果として、アルバイトのモチベーションは下がり「頑張っても意味がない。」という雰囲気がお店全体に広がってしまいます。

人は認められたい・褒められたいという、承認欲求が強い生き物。
前述したようにこまめに褒めること、フィードバックすることが重要です。

また、仕事の評価を給与に反映させる制度をつくることも有効です。

この際は「公平な評価」を行うことに注意しましょう。
アルバイトの間では、わずか10円の時給の差にも敏感なものです。

あの人が優遇されてる」と感じるスタッフがいると、お店全体の空気が悪くなることも。

誰もが納得できる評価基準を設けましょう。

一般によく用いられる評価制度(人事考課法)の紹介

アルバイトスタッフの評価を感覚だけで行わないように一般的な人事考課法をご紹介します。

(1)成績順位法
評価要素ごとに序列化し、被考課者の順位を決める方法。例えば、「接客態度」なら、Aさんが1位、Bさんが2位、Cさんが3位、「作業の正確さ」ならBさんが1位、Cさんが2位、Aさんが3位というという具合に評価していく方法です。

(2)人物比較法
被考課者の中から標準的人物を選定し、その人物と比較して評価する方法。例えば、Aさんを標準的なスタッフとした場合に、BさんはAさんに比べてどうか?Cさんはどうか?と評価していく手法ですが、誰を標準とするかの判断が難しく、またスタッフの人数が少ない場合にはあまり向かない手法と言えます。

(3)成績評語法
区分した評価段階に、優、良、可、あるいは、S、A、B、Cなどの評語を付し、これを基準に被考課者の成績を評価する手法。比較的多くの職場で用いられている手法ですが、評価を付すに当たり、予め、明確な評価基準(何をSとするか、何をAとするか)を設定しておく必要があります。

(4)評定尺度法 (図式尺度法:レーダーチャート)
効果要素毎に段階的評価基準を示す5段階程度の目盛りを設け、考課者が該当する目盛りをチェックしていく手法。視覚に訴える点で直感的に理解しやすい反面、考課者の作為性が混入しやすいといった欠点があります。基本的な考え方としては「成績評語法」に似ています。

(5)プロブスト法 (プロブスト式考課法)
人間の行動や態度を100項目程度用意し、考課者の自信の持てる項目のみをチェックしていく評価手法。例えば、「元気に挨拶ができる」、「目標にこだわる」、「他のスタッフに信頼されている」など、思いつくまま無作為に列挙し、被考課者が当てはまる項目にだけチェックをしていき、チェックされた項目に基づいて評価していくやり方ですが、項目を挙げるのが大変なのと、それぞれの項目にどうウエイトを付けるかという判断が難しい為、あまり一般的ではありません。

実際には、上記に挙げるような評価方法を幾つか組み合わせて独自の評価制度を作っている例も多く見受けられます。それぞれにメリット、デメリットがありますので、それぞれの特徴を知った上で、自店に合った納得のいく評価制度を作りあげてください。

なお、人事考課を行う際に、より公正で、精度の高い評価を行うための具体的な施策として次のような制度の活用も検討してみると良いでしょう。

(1)自己申告制度
スタッフ自身に、自己の才能、能力、適性、希望職位などを申告させ、管理者がスタッフの要望や欲求を加味して人事管理上の評価・調整を行う制度です。

(2)目標管理制度
スタッフ別に毎年その年度の目標を設定し(設定させ)、年度末にその達成度を評価する人事評価制度で、近年、多用されるようになってきています。評価期間は年次ではなく、半期、四半期という単位でも構いませんが、あまり多くすると管理が煩雑になる上に、適正な評価が行えなくなるというリスクがあります。

(3)面接制度
上司と部下が仕事の内容や年度目標、業務の進捗状況や業績結果、評価結果、次年度の目標、将来のキャリア等について面接を行い話し合う制度です。目標管理制度と併用して運用されることが多いですが、上司に適切な面接スキルがないと、かえってスタッフの不満や不安を募らせる結果になる、というリスクもあります。

(4)多面評価制度 (360度評価制度)
上司だけでなく、同僚や部下、他店舗のスタッフ、取引先等からの評価も加えて、多面的に評価する制度です。「部下から評価されていない上司」を炙りだすには効果的と言われています。

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