「みんなの飲食店開業」を運営する、株式会社M&Aオークションで開業コンサルタントの金子と申します。

 

金子金子

年間100店舗以上の開業のお手伝いをしています

 

突然ですが、飲食店を成功させる方法は、一つだけ。

 

コンセプトの”徹底的な”絞り込み

 

ここだけしっかりしていれば、低予算であっても成功します。

逆に曖昧だと、すべてが瓦解します。

 

今まで500店舗を超える出店のサポート中でも、相談が多い業態のひとつが「カフェ・喫茶店」。

残念ながら、業態コンセプトが少し曖昧な方が多い業態かもしれません。

 

正直に申し上げますが、カフェ経営で利益を出すのは難しい。

 

・調理がかんたんそう

・オシャレな雰囲気に憧れる

・自由度が高そう

 

こんな理由から、自分らしいカフェ経営に憧れる方は多いですよね。

 

その反面、利益を出しづらい業態特性があります。

「カフェは飲食店でもっとも経営が難しい業態」とも言えます。

 

今回は、当初カフェ開業を目指していたオーナーが、コンセプトを絞り込んでいくなかで、業態の方向性を大きく変えて大成功した事例をご紹介します。

 

『チーズケーキ屋 ソラシナ』2020年7月OPEN

・開業初日から、用意した50個のチーズケーキが1時間で完売!

・1ヶ月でインスタグラムのフォロワー数1,000超!

・OPENから半年経っても、連日長蛇の列

 

当初のカフェ開業から、なぜチーズケーキ専門店に行き着いたのか。

コンセプトの具体的な絞り込み方法と、コンセプトを絞ったビジネスモデル(チーズケーキ専門店)の特徴・優位性も解説します。

カフェ業態が抱える、4つの弱点

 

冒頭でお話しした通り、カフェで売上・利益をあげるのは簡単ではありません。

①客単価が低い

ドリンク一杯300円~600円程度、お菓子や軽食も300円~800円ほど。

カフェメニューは低価格帯が多く、単価が上げづらい。

アルコール業態と違って、一回の来店で何杯も注文する方もいない。

②滞在時間が長い

滞在時間が長くなりがちなカフェ。

席が埋まりっぱなしになるなど、1日の客数の上限が低く、売上が伸びづらい。

③席数が少なくなりがち

大衆居酒屋と異なり、 ギュウギュウ詰めにしにくいもの。

席の間隔をゆったり取ると、どうしても1坪当たりの席数が少なくなりがち。

④夜の集客が弱い

カフェの集客はランチ~ディナー前までが勝負。

夜は、居酒屋やBARやバルなど、利用動機が強い競合が増える。

アルコールを提供し、夜まで営業しても集客力で劣りがちなのが実情です。

個人店の成否は「コンセプトの絞り込み」で決まる

 

カフェ業態に限らず飲食店経営はかんたんではありませんが、成功確率を高める方法はあります。

 

それが、「コンセプトの絞り込み」。

 

画一的なチェーン店とは違う、魅力的で独自性のあるコンセプトを打ち出せることが個人店の強み。

 

「わざわざ目指して来店する顧客」「熱狂的なファン」を獲得できるほどのコンセプトを作れるかどうか。

 

あなたの店独自の体験(ドリンク・料理・雰囲気など)を、考えて考え尽くして生み出されたコンセプトが、唯一にして最大の武器。

 

ただ通りすがりのお客様を狙うだけでは、チェーン店に勝てるはずがありません

 

通りすがり客をターゲットに経営するには、席数を確保できる広めの物件と店前交通量が多い立地が必要。

 

そんな出店ができるのは、資金力・与信力があるチェーン店や大手企業のみ。

個人店がマネすべき戦略ではありません。

 

それでは、数多くの出店をみてきたわたし金子が「必ず成功する」と確信した『チーズケーキ屋 ソラシナ』のコンセプト作りを題材に、実例から学んで参りましょう。

 

チーズケーキに特化し、圧倒的な商品力を実現

 

コンセプトを徹底的にシンプルにしたことで、圧倒的なコストダウンにも成功した事業モデルです。

チーズケーキのみのシンプルさが成功のカギ

実は、はじめカフェの開業でご相談にいらした際、事前情報からオーナーにこのようにお伝えしようと考えていました。

 

金子金子

やりたい気持ちは痛いほど分かるが、自己資金が少なすぎる。残念ながら、開業はまだまだ先

金子金子

申し訳ないが、カフェは諦めて別の業態にしてもらうしかない…

 

しかし、話をおうかがいしているうちに一筋の光明が見えてきたのです。

『チーズケーキ屋 ソラシナ』誕生秘話

のちに、行列のできるチーズケーキ店をつくりあげる岩瀬さん(当時31才)と最初にお会いしたのは、当社が主催する飲食店開業の無料セミナーに参加された時のこと。

 

2019年10月開催の『物件探しの極意』セミナーに参加され、勉強会の内容に満足いただいた岩瀬さんはその後、無料の個別相談にお越しになりました。

 

■無料個別相談(池袋の当社オフィスで随時開催)

 

この時、面談を担当したわたし金子が感じた岩瀬さんの第一印象は…

 

金子金子

やりたい気持ちは痛いほど分かるが、自己資金が少なすぎる。残念ながら、カフェの開業はまだまだ先の話になりそうだ

 

店内調理を前提としたケーキ店・洋菓子店・ベーカリーの開業には、大きな設備投資が必要。小さなお店でも、投資金額は1,500~2,000万円ほどは必要でしょうか。

 

しかし岩瀬さんの自己資金はその10分の1で、さらにもう1つの懸念点。

 

岩瀬さんの希望はケーキ&カフェのお店。

数ある飲食ビジネスの中で、前述のようにもっとも売上・利益を出しにくいのが「カフェビジネス」なのです。

 

金子金子

岩瀬さんには申し訳ないが、これは採算ベースで厳しい…

 

 そう思いながら、岩瀬さんの開業にかける想いや、提供メニュー、こだわり、調理工程、これまでのキャリア、実績などをおうかがいしていると…

 

金子金子

あれ?…これは、ひょっとすると、何とかなるかも知れない

 

このままでは確かに難しい。

ただしコンセプトや事業計画を“しっかりと”練り上げれば、「岩瀬さんのビジネスは十分成功する可能性がある

コンセプトを絞り込んだ結果、なんとカフェではなく…

最初に着手したのは「コンセプト作り」。

岩瀬さんの頭の中にあるお店のイメージを、より鮮明に、より洗練されたものにしていきます。

ターゲットとなる顧客層・顧客属性、商品の絞り込み、販売単価の設定、原価計算、店舗のデザイン・レイアウト、サービス品質・接客スタイル、販売促進など。

 

できる限り詳しく、できるだけ具体的に、「コンセプト資料」にまとめていきます。

 

■業態コンセプトシート(無料ダウンロード)

 

コンセプト作りで特に重視したのは、

 

岩瀬さんが持つ「強み」をどう活かしきるか?

いかに低予算でそれを実現するか?

 

その結果、岩瀬さんがたどり着いた業態は「ケーキ屋」でも「カフェ」でもありませんでした。

製法やその味わいをこだわり抜いた「チーズケーキ専門店」。

どこでも食べられるチーズケーキではなく岩瀬さんしか作れない、「ここでしか味わえない」チーズケーキを提供できる「強み」を活かしたのです。

 

一見客・浮遊客ではなく、「あの店に行きたい」「あの店のチーズケーキが食べたい」という目的客を取り込むことができると、駅近くの1階路面に店を構える必要もありません。

 

駅から少し距離の離れた、人通りの少ない立地=家賃の安い物件でも勝負が可能

 

物件の契約にかかる初期費用を総して「物件取得費用」。

 

礼金・仲介手数料・保証金・家賃保証料など、はじめにかかる費用の合計で、家賃の賃料の9~12ヶ月分が目安です。

 

家賃が安くなれば、それだけ物件取得費用も少なくなります

 

仮に物件取得費用が9ヶ月の場合、賃料10万円なら物件取得費90万円。

賃料15万円なら物件取得費135万円。

5万円の家賃差額でも、取得費では45万円の差。

 

岩瀬さんの予算から逆算し、収支のバランスの面を鑑み、狙うべき家賃は思い切って「10万円以下」と定めました。

 

10坪以下で、かつ都内で家賃10万円以下の店舗物件を見つけるのは至難の業

むしろ小箱の居抜き物件は年々人気が高まり、競争が激しくなる一方です。

 

ですが、勝算はありました。

 

岩瀬さんの業態の場合、直火を使う調理器具を使用しないため、ガス容量は極小で良い。

また、煙や匂いの心配もありません。

 

「飲食不可」の物件でも交渉しだいで、取得できる可能性があったのです。

 

お店や商品の強み・魅力を明確にしつつ、集客しやすさと家賃のコスト、開業予算と初期投資額などのバランスを取りつつ。

 

岩瀬さんの店の骨格・全体像を「コンセプト資料」にまとめていきました。

 

2回、3回と打ち合わせを重ねながら、岩瀬さんの想い、わたしどもの知識や経験、それぞれに持ち寄ったアイデアなどを組み合わせていきます。

 

「ビジネスとして成り立つ」という視点でコンセプトを練り上げ、約3か月をかけて「コンセプト資料」が完成。

 

「ひょっとしたら上手くいくかも」というレベルからスタートしましたが、「このビジネスは必ず成功する」と確信が持てるプロジェクトへと変わっていました。

シンプルな戦略が成功する5つの理由

 

では、チーズケーキ専門店と定めたコンセプトがなぜ上手くいったのか。

こちらで解説します。

(1)「わざわざ食べに来る」強い商品力で”目的来店客”を獲得

岩瀬さんが提供するのは「チーズケーキ」と「コーヒー」のみ。

 

レストランやバルなどで料理の腕を磨き、さらに有名パティシエの下で6年もケーキや焼き菓子の技術を学んだ岩瀬さん。

どんなケーキでも作ることができます。

 

あえて、その探求心・研究時間・知識・調理技術を「チーズケーキ」に集中投下。

 

他店を凌駕するような圧倒的な商品を生み出せれば、「わざわざ食べ(買い)にくる」という目的型の来店が見込めるのではないか?と算段。

 

目的型の来店が狙えるということは、商圏(マーケット)が広がることにも繋がります。

 

また、フードメニューをチーズケーキに絞り込めば、オペレーションの効率化・食材原価の適正化・食材ロスの軽減を実現しやすい。

ビジネスとして十分に強みになります。

(2)駅から遠い場所で出店! 低投資・ローコスト戦略

岩瀬さんが提供する”付加価値の高い”チーズケーキであれば、一見客・浮遊客に頼らずとも、目的客・リピート客で十分に売上を伸ばしていくことが可能。

 

駅から少し離れた場所=人通りが少なく、家賃の安い「2等立地」での出店でも十分に勝負ができる。

 

これは一般的なカフェの王道戦略とは真逆。

カフェやテイクアウト専門店など、目的性・客単価が低い業態は「人通りの多い」立地に出店するのが定石です。

 

客単価が低い分、一定の売上を確保するためには、客数・回転数が必要。

通りすがりの一見客・浮遊客を取り込みやすい「人通りのある1階路面店」での出店が有利。

 

一方で、人通りの多いところほど家賃は高くなりますので、売上と家賃とのバランスを取るのが、とても難しい。

 

商品力があってこそ狙える、低投資・ローコスト戦略がみえてきました。

(3)  厨房スペックの極小化

フードメニューを「チーズケーキ」のみに絞ることにより、必要な厨房機器が少なくなります。

 

提供メニュー・調理工程を極限まで絞り込み、最小限の厨房機器で「できる方法」を模索すると、飲食店としては”非常識”なほど、最小スペックの厨房で開業できることが見えてきました。

 

一般の飲食店では、フードダクト(排煙設備)・グリストラップ(油等の阻集装置)・一般家庭より大きな業務用のガス容量/電気容量が必要。

 

しかし、岩瀬さんが考え抜いたレシピでは、最低限必要な業務用機器は「コンベクションオーブン」のみ。

 

飲食店の居抜きではなく、スケルトンや事務所仕様の物件でも、コストを抑えた出店が可能です。

(4) 劇的なコストダウン手法

飲食店開業でもっともお金がかかるのが、内装工事や設備投資。

 

特に電気・水道(水回り)・ガスなどの設備工事は、専門業者でないと施工が難しく、高額になりがち。

専門性が高い工事は、コストダウンが図りにくい分野なのです。

 

居抜き物件であっても、ガスや電気の容量が足りないと多大な工事費がかかります。

 

プロパンガスの物件であれば少額で容量変更はできますが、都市ガスは道路を掘削し引き込まれているガス管を太くする必要があります。

 

距離や位置にもよりますが、容量変更だけで「100万以上の費用」がかかることも。

 

電気も同様。

建物自体の電気の容量が足りないと、増設工事だけで「200~300万円」かかります。

 

岩瀬さんのやりたいこと実現したいことを1つ1つ紐解き、絞り込んだことで、厨房機器は必要最小限で良く、電気・水道・ガスも家庭用レベルでOKな業態に。

 

外観や内装のデザインには気を配る必要がありますが、もっともお金がかかる設備工事を極小化。

 

床のタイル貼り・クロス貼り・壁の塗装などを岩瀬さんがDIYしたことで、想定以上に安い工事費用で収まる可能性が出てきました。

(5) オーナーの覚悟・熱意

(1)~(4)で、理論的には「低投資で開業できる可能性」が見えてきました。

 

しかしこれを実現するためには、オーナーである岩瀬さん自身が、

 

①   商品に対する確固たる自信

②   最小設備でのオペレーション構築

③   2等立地戦略(人通り少ない場所で出店)

④   内装工事もできるだけ自分でやる

 

上記を最後までやり抜く覚悟を決めなければなりません。

 

もし岩瀬さんが「腹を括る」ことができれば、低投資開業の理想モデルのような成功店になる、そんな予感がありました。

 

岩瀬さんのコンセプトを軸にして、限られた少ない予算で開業するためには、これしか道はありません。

この実現には岩瀬さん自身に、相当の覚悟と努力が必要になります。

 

果たして、岩瀬さんにその覚悟があるのかどうか?・・・実は、それが一番心配でした。

 

岩瀬さんに、ズバリおうかがいしました。

 

金子金子

開業できる方法はあります。しかしそれは決して楽ではありません。辛いことがあっても絶対に乗り越える覚悟はありますか?

 

岩瀬さんの答えは明確で、迷いは一切ありませんでした。

 

岩瀬オーナー岩瀬オーナー

自分がずっとやりかったことです。やれる方法があるのであれば、全力を尽くす覚悟はとっくに決めています。何とか開業したいのですので、ご支援お願いします。

 

その言葉に胸を打たれました。

岩瀬さんの「チーズケーキにかける熱い思い」を、わたしも全力でサポートすると。

 

その結果は冒頭でお伝えした通り。

圧倒的な低コスト出店にも関わらず、連日完売の人気店が西荻窪に生まれることになりました。

まとめ「コンセプトを絞る大切さ」

 

開業コンサルとして何百軒という出店をご支援してきて強く感じるのは、「コンセプトを絞り込む大切さ」

 

良い商品はすべての問題を解決すると言いますが、良いコンセプトは開業にまつわるほとんどの問題を解決します。

 

しっかりとしたコンセプト作りさえできれば、飲食店開業に関する6~7割の問題は事前に解決できると言えます。

 

様々な視点からコンセプトをしっかり練り上げ、第三者が見ても明確に伝わるように「コンセプト資料」にまとめていくと、開業まで筋の通った道ができるから。

 

①   出店すべきお店のイメージが明確になる

 →開業に向けて自信が持てる/覚悟が決まる

 

②   探すべき物件の条件が明確になる

 →物件が探しやすくなる

 

③   物件の貸主に対して、やりたいことを明確に伝えられる

→家主審査が通りやすくなる

 

④   金融機関に対して、やりたいことを明確に伝えられる

→融資審査が通りやすくなる

 

⑤   お客様に対して、伝えるべきメッセージが明確になる

→集客がしやすくなる

 

飲食店開業で、多くの人がつまずく「物件探し」「物件審査」「融資審査」「店舗デザイン」「集客・販促」などの諸問題。

 

あらかじめ、その解答あるいは解決策が準備できていることになり、開業の成功確率がおのずと高まるのです。

 

コンセプトは上記の①~⑤を実現できるレベルまで作りこまなければならない、とわたしどもコンサルタントは考えています。

 

ただ頭のなかで考えていても、なかなかまとまりにくいもの。

 

コンセプトシートを使って、重要な項目1つ1つをクリアにしていきましょう。

無料でお使いいただけるコンセプトシートを用意していますので、ご活用ください。

コンセプトシート

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『チーズケーキ屋 ソラシナ』

東京都杉並区松庵3-18-15 コーポ高橋 1F

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