【店舗の保証金・敷金】相場はどれくらい?あとで返還される?

店舗物件を借りるために必要な物件取得費。
なかでも100万円以上もしくは数百万円など、出店コストで大きな割合を占めるのが「保証金」です。
10年以上の仲介経験を持つテナント物件の専門家が、保証金の疑問について徹底解説します。

「相場はどれぐらい?」
「交渉はできる?」
「あとで返還される?」


物件契約後や解約時に「不利な契約を交わしていたことに気付いた」なんてことにないよう、賃貸借の保証金に関する不明点は前もって解消しておき、よりスムーズに物件探しを進めましょう。

※自店の閉店/売却をお考えの方は「店舗売却・譲渡・閉店の基礎知識の記事」をご覧いただくか、「店舗売却の無料相談ページ」からお声がけください。

保証金は貸主に預けるお金

「保証金」とは借主(店子)が貸主(家主)に預けるお金。賃借人が賃貸人に対し負う、債務保証担保です。
もし賃借人の賃料などの滞納が発生した際、滞納分を負担(担保)するために預けるものです。
預けているだけのため、消費税はかかりません。

家主に保証金を預けているからといって、「今月経営厳しいので保証金から賃料引いておいてください。」と賃借人からの申し出はできず、賃料を滞納して良い理由にもなりません。
保証金の有無にかかわらず、賃料は滞りなく払い続ける義務があります。

保証金の相場は?

飲食店舗物件の保証金の相場は、賃料の10ヶ月ほど。
物件によりバラつきがあり、高いものでは24ヶ月と設定されていることも。最近では6ヵ月~8ヶ月くらいの募集条件の物件も増えてきました。

住居不動産の保証金より高く設定されているのには、2つの理由があります。

1つは、商売で使用する店舗物件は、滞納などの賃料未払いリスクが高いから。
売上に波が出た月があったり赤字で、どうしても家賃が支払えないケースなど。

2つめに、退去時のスケルトン戻し(原状回復)工事費用の補填として。
退去時は借主(テナント)がスケルトン状態に戻し、家主に返却する契約が一般的。
万が一、撤退オーナーによる解体工事が実行できない場合、家主は保証金から充当して工事を行います。
解体工事には1坪あたり5〜10万円のコストがかかるため、リスクヘッジのための保証金が高額になりがち。
そのため解体工事費用が安い店舗(物販小売り店、軽飲食店)では、2ヶ月~4ヶ月程の募集条件の物件もあります。

礼金とは違うの?

礼金は物件契約時に貸主に支払い、解約時にも返金される事がない費用。 保証金は、債務がなければ返金を受けられる「預け金」です。

交渉はできる? タイミングは?

募集条件の中でも高額な「保証金」ですが、他必要費用と同様に、減額交渉できるケースもあります。

交渉のタイミングは入居申し込みを出す時です。
提出する「入居申込書」の中で、希望条件を伝えましょう。

減額交渉ができるかどうかは該当物件の状況次第です。
たとえば、募集条件の満額で複数の方が申込むような人気物件では交渉を受け付けてもらえません。

家賃額や保証金額など、希望条件で申し込み・相談・交渉ができそうかどうかは、交渉前に不動産会社を通じて確認してください。

賃貸店舗の保証金はいくら返ってくる?

基本的に保証金は償却分を除き、賃貸借の解約時に全て戻ってきます
居抜き譲渡で退去しても、スケルトンで退去しても、返金額に変わりはありません。

返金される金額は、入居時に交わした契約の内容通り。
「賃貸借契約」の契約書内に記載があるので、契約前にしっかり確認しましょう。

契約書には『解約時には債務を清算の上』といった記載が入っているはずです。
ここでいう「債務」の最たるものが「賃料」。契約期間中に万が一賃料を滞納したことがあり、その債務が支払われていない場合はその債務金額を差し引かれて返金を受けることになります。

償却については『解約時償却費と称して賃料の○ヶ月分』『保証金の○%を差し引き返還』のように記載されています。

償却は、解約後に返金されないお金

例えば、保証金償却20%の場合は差し入れた保証金のうち、20%が差し引かれます。
つまり保証金が100万円であれば、80万円は借主に返金されますが、20万円は貸主に返金義務はありません。

中には『年○%償却し、契約更新時にそれまでに償却した費用を充填』するといったものも。極端な例ですが、「5年契約・保証金100万円で毎年20%償却で更新時に償却分は充填」という内容だと5年の契約更新どとに100万円の保証金を新たに預け続けなければいけません。だからこそ、契約書は必ず確認を行いましょう。

返金時期についても、店舗物件によりまちまちです。
『引き渡し確認後1ヶ月以内(3ヶ月以内)』や、特に時期が明記されていないものもあります。
もし保証金の返金時期が契約書に記載がなかった場合、担当の不動産会社へ問い合わせましょう。ハンコをつく前、賃貸借契約を締結する前に確認することが大切です。

債務があると保証金の返金額が減少

前述のように、賃借人にとっては契約期間中貸主に対する債務担保として「保証金」を預けています。
貸主に対する債務がなければ、あらかじめ決められた「償却」や「敷引」後の金額について返金を受けられます。

ここでは「賃料の滞納」以外の債務で、保証金から差し引かれる可能性のあるものをいくつか挙げておきます。

賃料や水道光熱費の滞納や未払い

「賃料」以外でまず挙げられるのが、「水道光熱費」。
インフラ事業者に直接支払うのではなく、貸主から請求されている店舗物件で起こる場合があります。
水光熱費は必ずしも滞納ではなく、明け渡しのタイミングによって日割り分を保証金から差し引くというケースがあります。

原状回復工事・スケルトン戻しが不十分

どの不動産の賃貸借契約でも、「こういう状態で物件を返してください。」という約束を書面で交わしています。
物件ごとに異なり、スケルトン状態で引き渡して欲しい物件もあれば、原状(契約時の状態)で引き渡して欲しいという物件もあります。

契約で取り決めた条件に対し債務不履行がある場合、解消できる額が保証金から差し引かれるケースがあります。

店舗物件における保証金・敷金のまとめ

  • 「保証金」とは借主(店子)が貸主(家主)に債務保証担保として預けるお金
  • 飲食店舗物件の保証金の相場目安は、賃料の10ヶ月ほど
  • 家賃など他項目と同じく、減額交渉はケースバイケース
  • 条件交渉のタイミングは入居申し込みを出す時
  • 保証金は償却分を除き、賃貸借の解約時に返金・返還される
  • 貸主(家主)への債務がなければ「償却」や「敷引」後の金額を返金

賃借人(店舗開業者)にとって、高額な保証金を預けることは「資金を寝かせること」と同じで、好ましいことではないと思うかもしれません。

しかし、賃貸人(家主・ビルオーナー)にとっても万が一の、大事な「担保」であることもご理解ください。保証金を預けてもらっているからこそ、安心して開業オーナーに物件を貸し出せる側面もあるのです。

このような債務保証担保の性質がある以上、担保として見合わなくなるほどの大幅な減額をお願いすることは少し無理があります。

相場感や交渉できるか、などは仲介を担当する不動産会社に相談してすすめることをおすすめします。

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