店舗を借りるとき家賃保証会社の利用は必須?
~審査内容・保証人・料金の違い~
不動産屋に物件の申込みをしたら「(家賃)保証会社の申込書も出してください」なんて言われたことありませんか?
近年、家賃保証会社の利用が必要な店舗物件が多くなってきました。
年間300回以上の店舗物件契約を行い、様々なケースで保証会社を使うわたしどもみんなの飲食店開業が詳しく解説します。
まずはお客様からよくご質問いただく、「審査内容」や「連帯保証人の義務」、「料金の違い」をまとめました!
家賃保証会社とは?
物件を内覧するとよく耳にする「家賃保証会社」。
そもそも「家賃保証会社」とはどのようなものなのでしょうか。
(賃貸保証会社、家賃債務保証会社とも言われる)
「家賃保証会社」とは、家主(貸主)が賃料を安定して回収するためのものです。
物件を借りている入居者が家賃の支払いが滞ってしまった場合に、入居者の代わりに立て替えて家賃を支払います。
店舗は住宅以上に家賃の滞納が起こりやすいため、保証会社の利用が必須の店舗物件が多いのです。
保証会社を利用するメリットは?
出店者(物件を借りる側)メリット
出店者側のメリットは2つあります。
①保証会社の利用で、与信力・信用力を強化
貸主の立場で考えてみると納得いただけるかと思います。
「毎月の賃料をちゃんと支払ってくれる信用できる人」へ貸したいと思いませんか?
保証会社を利用すると、借主の事業が上手くいかず賃料を支払えなくても、保証会社が支払ってくれる。こういった状況を作れるため、与信力・信用力を強化できます。
②連帯保証人が見つけられない状況でも、契約に進める可能性がある
もしもの時に返済義務が発生する連帯保証人は、親族であっても頼みづらいもの。
とくに店舗では、賃料が高額なために、連帯保証人になってもらえないケースも。
連帯保証人が見つけられないケースで活用できるのが保証会社に連帯保証人になってもらう方法です。
保証会社の審査は、緊急連絡先さえ用意できれば通ることがあります。
連帯保証人が見つからない状況でも、保証会社を活用し、貸主に認めてもらえれば物件契約へ進むことができます。
家主(物件を貸す側)のメリット
家主(貸主)のメリットは、家賃の回収リスクを軽減できること。
借主の支払いが滞った場合(債務不履行)に、保証会社が代位弁済(代わりに家賃を支払ってもらう)するため、安定的に家賃収入を得ることができます。
もし保証会社を利用せず、賃料が滞納された場合、債務を回収する手間や負担がかかります。
督促の対応を入居者・連帯保証人へ自ら行う必要があります。
手間はもちろん精神的な負担もあります。
気になる保証会社の審査基準
保証会社は審査は「この人を保証しても損をしないか」という視点です。
資金調達時に金融機関が申請者を審査するのと同じように、申請者の与信力や自社が抱えるリスクをみています。
審査に通りにくいケースは以下の通り。
・賃料が高額で滞納リスクが高い
賃料が高ければ高いほど、滞納時の保証会社による支払いは大きくなります。
そのため、審査は厳しく通りづらくなります。
・入居者の開業資金が少ない
運転資金が十分に確保されていない場合、計画性がなく、閉店リスクも高いとみなされます。
賃料滞納が起きる可能性が高いため、慎重に審査が行われます。
・日本人の連帯保証人がつけられない
外国の方の申請では、祖国の親御さまを連帯保証人として申請することもあると思います。その場合、日本人の連帯保証人を求められることが多々あります。
万が一滞納が起こった場合、海外では督促がスムーズにできないためです。
保証会社の利用料
保証会社の利用料は、初回料金と更新料金の2つがあります。
①初回料金
契約時に「初回保証料」として『月額賃料+管理費等』の30%~100%を保証会社に支払います。
30%~100%と料金に幅があるのは、主に2つの要因があります。
各保証会社によって料金体系が異なることと、収入のある連帯保証人をつけられるかどうかで変わってくることです。
安定収入のある方を連帯保証人にすることができれば、初回保証料が安くなる場合があります。
②定期的にかかる更新料
保証会社の契約期間は決まっており、更新時には更新料が必要になります。
会社によって違いはありますが1~2年で更新となり、更新料は1年ごとに10,000円や(家賃+管理費)の20~50%など様々。
利用前に契約内容をよく確認しておきましょう。
更新のたびに費用がかかると「保証会社との契約を更新したくない」と思われる方もいるかと思います。
しかし基本的に物件を契約している限り、保証会社を外すことはできません。
保証会社は選べるの?
会社によって保証内容や料金の変わる保証会社、できる限り安いところを利用したいですよね?
しかし、保証会社は入居者(開業者)では選べないことがほとんど。
貸主や管理会社からの指定が多いのです。
理由のひとつは管理のしやすさ。
保証会社を1つに絞って取引した方が、管理会社は管理が楽。
家賃の遅延時にスグに連絡することができます。
いろいろな保証会社を使っていると、どこに連絡するべきか物件ごとに確認するなど余計な手間が発生します。
審査にかかる時間は?
保証会社を使うとき、審査期間はどのくらいかかるのでしょうか?
早ければ3日ほどで審査がおりる場合もあれば、2週間ほどかかることもあります。
保証会社や確認内容によって大きく異なります。
時間がかかるケースは以下の2ケースが主となっています。
・本人確認が取れない
保証会社では「本人が申し込んでいるか」「連帯保証人が保証を承諾しているか」を確認するため本人・連帯保証人への電話が必須。
その確認が取れないと前へ進めません。
電話が繋がらない場合、その分時間がかかってしまいます。
・追加で資料が必要になった
新規開業では資金の裏付けが分かる資料の提出が求められることもあります。
資料の提出が遅れてしまえば、その分審査は長引きます。
審査に必要な書類は?
【個人】
・身分証
下記のうちから1つ
運転免許証:表・裏両面が必要。
健康保険証:表・裏両面が必要。
個人番号カード
パスポート+住民票:住民票は発行から3ヶ月以内のもの
【法人】
・商業登記簿謄本(発行から3ヶ月以内のもの)
・代表者の身分証
(運転免許証・保険証・マイナンバー・パスポートなどのどれか一つ)
審査開始時に個人での申込みであれば身分証、法人でお申込みの場合は会社謄本が必要になります。
そこから申し込む方に応じて、様々な資料の提出を求められます。
通帳のコピー・印鑑証明・収入証明・事業計画書などが一般的です。
緊急連絡先と連帯保証人の違い
最大の違いは、支払いの義務があるかどうかです。
物件を借りている方が支払い不能になった場合、連帯保証人は代わりに支払う義務があります。
一方、緊急連絡先は支払い義務は発生いたしません。
もし借りている本人が夜逃げしてしまった場合でも、緊急連絡先の方に連絡はいきますが内容としては借りている本人がどこへいったか知っているかなどといったことのみ。
代理での支払いを命じられることはありません。
保証会社を使っても連帯保証人は必要?
実は連帯保証人が必要なケースは少なくありません。
法人の申し込みでも、代表者が連帯保証人になっているケースがほとんど。
連帯保証人を必要とするかどうかは、保証会社の判断。
会社ごとに基準は異なりますが、物件の規模や申請者の与信で決めます。
支払い義務がある連帯保証人は、保証会社にとってありがたい存在。
審査を通しやすくするために、申請者が保証人を積極的に用意する場合もあります。
保証会社を使いたくない場合は交渉
「出店のコストを抑えるためにも保証会社を利用したくない」
その気持ちはよくわかります。
しかし、保証会社を利用してもらうかどうかは家主が決めること。
賃貸条件(誰にいくらで、何年契約で貸すか)はすべて家主に権限があります。
そのため大家が保証会社の利用を必須としている場合、原則として利用は避けられません。
入居者ができるとすれば「きちんとした連帯保証人」がいるのをアピールしたうえで条件交渉することです。
例えば「保証金5ヶ月で保証会社へ1ヶ月なら、保証金を6ヶ月に入れるので(保証会社)不要にならないか」といった具合です。
しかしこれは交渉事になってしまうため、貸主にうなずいてもらえない可能性も十分にあります。
最悪、物件申し込みの話自体が壊れてしまう可能性もあります。
家主側からしたら、自身の家賃回収リスクを減らすための保証会社を使いたくないと入居者から言われたらどう感じるでしょうか?
貸主の考え方や競合状態によるため、交渉前に仲介会社へ相談してみましょう。
主な保証会社の一覧
飲食店開業の現場でよく使用される家賃保証会社を一覧で紹介します。
・日本賃貸保証株式会社
・日本セーフティー株式会社
・全保連株式会社
・フォーシーズ株式会社
・株式会社Casa(カーサ)
・エルズサポート株式会社
・株式会社日貿信
・AAAホールディングス
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