飲食店の販促計画。効果の高い集客方法の選び方

飲食店の経営で欠かすことができない集客。
美味しい料理も、素晴らしいサービスも、来店してもらわなければ売り上げには繋がりません。

さまざまな集客方法から、どの方法を選び、限りある予算をどのように使っていくか。
それらを決める 販促計画は売上アップの要です。

少ないコストで、より多くのお客様に来店いただけるよう計画を立てていきましょう。

・販促にはいくらかけるべき?売り上げに対する比率は?
・そもそも飲食店の販促にはどんな種類がある?
・自店にとって効果的な集客方法を選ぶには?


このページでは、販促計画をたてるための基礎知識をお伝えします。

販促には大なり小なりお金がかかります。
限られた予算内で最大限の効果を出すためには、キャンペーンの好不調をいち早く察する現状把握が重要。

事前にしっかりと販促計画を立てておけば、数値と照らし合わせてチェックが可能です。
ここでは正しい販促計画の立て方を学び、効率よく集客につなげていきましょう。

販促計画とは

販促計画とは、売上を上げるために、どのような手法に取り組んでいくか決めるものです。
販促には2種類あります。平常時に継続するものと単発(オープンや季節のイベント)で仕掛ける集客です。

目標売上を達成するために、どのような集客手法を活用すべきか、年間を通して計画をたてましょう。

1月 正月、成人式
2月 お花見(梅)、バレンタインデー、花粉症、受験
3月 ひなまつり、ホワイトデー、卒業式、送別会
4月 お花見、入学、歓迎会
5月 子どもの日、ゴールデンウィーク、母の日
6月 父の日、梅雨、ブライダル
7月 七夕、土用の丑、夏のボーナス
8月 お盆、夏祭り、夏休み
9月 敬老の日、十五夜、お彼岸
10月 ハロウィーン、運動会
11月 七五三、ボジョレヌーボー、冬のボーナス
12月 クリスマス、大晦日、お節

取り組むイベントはあらかじめ決めておき、事前に準備を進めておきましょう。
イベント近くになって慌てて準備しても、中途半端な施策になったり、販促施策そのものが間に合わず商機を逃してしまうことも。
計画的に集客できるよう、 年間を通して企画しておきましょう。

飲食店の販促費用目安は3~5%

飲食店の販促費用の目安は3~5%
売上が200万円のお店であれば、6万円~10万円が目安です。

ただし毎月同じ販促コストを準備すればいいかどうかは、一考の価値ありです。
均等に割った 1ヶ月分の金額では、取り組める集客方法が限られるからです。

例えば、グルメサイトでは、掲載期間分を前払いで求められることがあります。その際にはまとまった金額の支払いが必要です。

一方で、重点的に販促を行うべきシーズンイベントがあるかもしれません。

年間通した販促計画から費用を考えておき、予算内で最大限の効果を発揮できるようにしましょう。

効果のある集客方法の選び方

まず前提として、すべての飲食店に共通して効果的な集客方法はありません
業態や立地によって異なります。

どのような集客が適しているか検証するために、『 まずは低コストで何でも取り組んでみる』ことをおすすめします。
「低予算」でさまざまな集客方法に取り組み、費用対効果の悪い手法をやめていき、もっとも効率のよい集客方法を実践する。

これが基本です。効果検証をきっちり行い、最適な手法を選んでいけば必ず効果はあがっていきます。

とはいえ、ムダな支出はなるべく抑えたいですよね。
ここでは販促の種類と選び方を解説します。

目的に合った販促手法を選ぶ

飲食店の販促は多岐に渡ります。
ホームページ、テレビ・ラジオ、プレスリリース、新聞広告、折り込みチラシ、手配りチラシ(ハンディング)、FAXDM、DM、Twitter、Line@、グルメサイトなど…

さまざまな手法の中から、目的に合ったものを選びます。

当たり前ですが「 目的は売上をあげること」

ここからもう一歩踏み込んで考えていきます。

売上=客数×客単価

「客数」「客単価」のどちらかが増えれば、売上はあがります。

客数についてもさらに分解して考えてみましょう。

客数=新規客+リピート客

客数を増やすにも2つ手法があることに気づいていただけると思います。
・新規客を増やす
・リピート客を増やす


それぞれに対してどのような販促が有効でしょうか?
・「新規客を増やす」なら、チラシやグルメサイトへの掲載
・「リピート客を増やす」なら、お礼状やポイントカード


目的によって、選ぶべき販促手法は異なります
販促手法を決める第1歩は目的とその内訳を明確にすること
目的に合った集客手法を選びましょう。

新規来店動機から考える

お店の業態・客単価によって有効な集客手法は異なります。
それぞれ来店動機も異なるからです。

カフェや低単価の居酒屋などは、 その時その場で生まれる軽い動機から来店することが多い「目的性の低い業態」です。

一方、「目的性が高いお店」は割烹料理店や高級フレンチ、うなぎ専門店などに当たります。このメニューが食べたい、予約が取りにくい、この店を利用する明確な理由がある、など 事前に行くべき店と日時が決まっていることがほとんど。
こういったお店は、飛び込みで入店していただくことは多くはありません。

「飲食店の来店理由」に関するアンケート
(2011年実施 対象:「店舗そのままオークション」会員640人)

目的性・客単価の低いカフェ・ファストフードなどの来店動機は以下の通り。
通りすがり(72%)、口コミ(15%)、チラシ(4%)、ネット(4%)、テレビ・雑誌(1%)、食べログ(1%)、その他(4%)

通りすがり客へアピールできる、立て看板やハンディングが有効です。

また、目的性・客単価の高いレストラン、ダイニングなどでは、口コミ(36%)、通りすがり(17%)、食べログ(14%)、ネット(11%)、チラシ(8%)、テレビ・雑誌(3%)、その他(11%)。

その場で入店を決めるのではなく、事前にリサーチしてから来店しています。
そのため有効なのは、グルメサイトなどのネット対策、常連による口コミ(紹介特典)など。

集客の基本姿勢は『まずは何でも取り組んでみる』であるものの、自店の利用シーン・来店動機に合った手法から試していくことをおすすめします。

実施した集客方法は必ず効果検証を

開業当初はどのような手法・どのようなサイトが自店に適しているか分からなくて当たり前。少額でまずテストし、結果を分析。比較検討を繰り返し、より効率の良い手法を見つけることをオススメします。

繰り返しテストを実施する「ABテスト」を頭の隅に置いておきましょう。

その際は費用対効果を比べられるよう、なるべく「来店のきっかけ」の記録をとるようにしてください。どの媒体から来たお客様か「予約電話を受けるとき」「アンケート」「会計時に口頭」などで確認し、今後に活かします。

施策にかけた費用÷来店した客数=ひとり当たり集客コスト

上記の考え方に加え、『来店客がリピーター化したか』それとも『一度きりの利用で終わった』のかも、販促手法の正しい効果測定につながる重要な考え方です。

販促計画でPDCAをまわす

販促計画を立てておくとあてずっぽうではなく、「計画的」に販促に取り組むことができます。PDCAを回しましょう。(計画 plan→実行 do→振り返り check→施策 action)
まずは一旦立てた計画に漏れがないよう、実行していくことが重要です。
実行期日が差し迫ったものから順にこなしていきましょう。

販促計画は毎年立て、また見直すものです。
実施した販促は効果検証まで行い、翌年の計画に活かしましょう。

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