【第1回】飲食店開業セミナー『開業の心構え』

みなさんこんにちは！
飲食店開業コンサルタントの大森と申します。
よろしくお願いします。

これまでコンサルタントとして、1,000件以上の開業のお手伝いをしてました。
少しでもお役に立てる情報提供をできれば良いなと思い、飲食店開業の実情をお伝えします。

※みんなの飲食店開業のYoutubeチャンネルに当動画をアップしています。

飲食店での独立開業の際に注意が必要な3つの動機

みなさんはなぜ、飲食店での独立開業を目指されているのでしょうか？

人によって開業の理由や動機は違うと思います。
例えば、「飲食店って楽して儲かりそうだから」という方もいらっしゃれば、「雇われているより楽しそうだな」とか、「独立開業することが昔からの夢だった！」という方もいらっしゃるかなと思います。

他にもいろいろな理由があって独立開業を目指されているかと思いますが、先ほど挙げた3つの動機の方はちょっと気をつけていただきたいなと思います。

こういった動機も悪いことではありません。

ですが、こういった動機でご相談に来られた方には、「それだったらやめておいた方が良いですよ」とか、「ひょっとしたらやめておいた方が良いかもしれません」とお話することがけっこうがあります。

「えっ？！」って思われるかもしれませんけど、ちょっとその理由について簡単に解説してまいりたいと思います。

飲食店は楽して儲かるビジネスではない

まず、1点目の「楽して儲かりそうだから」。
はっきりと言いますけど、飲食店は楽して儲かるビジネスではありません。

飲食に限らず、(一般的な)ビジネスでも楽して儲かるビジネスはそんな簡単に転がってはいないですね。

私もこういうお仕事をさせてもらっていると、よく相談に来られた方から「何か楽して儲かるビジネスないの？」とか、「簡単にお金が入ってくるビジネスないの？」とか、そんなご相談をいただくことが多いです。

しかし、残念ながら私の知る限り楽して儲かるビジネスはないですし、「もし私がそれを知っていれば、私がそれをとっくにやっていますよ」という話ですね。

楽して儲かるビジネスは全く存在しないということはないですが、ほとんどないと思ってもらって良いかなと思います。

飲食店の利益率は決して高くない

ましてや、飲食店はいろいろな業界の中でも利益率が非常に低い業界です。

だいたい上手くいっているお店でも売上の10%ぐらいの利益率ですし、本当にトップクラスのお店でも売上の20％程度の利益率が出ていれば、かなり良い方だと思います。

なので、仮にみなさんがお店を開いて1ヶ月で300万円の売上を作ったとしても、事業の利益として残せるのは30万円から、良くて60万円ぐらいというところですね。

そもそも1ヶ月で300万円の売上を作るだけでも非常に大変なことなんです。
仮に1ヶ月の30日間、毎日フルで休みなしで稼働しても毎日10万円の売上を作らなければならない計算で、ようやく300万円の売上が立つ。
それで30万円から60万円の利益が出てくるというものですから、決して楽に儲かるビジネスではないということです。

その点でもし、もっと利益が出るのではないかと感じた方はそれがある意味、飲食業界の標準なんだという認識をしていただきたいなと思います。

独立開業はメリットとデメリットが表裏一体

それから2点目の「雇われているより独立した方が楽しそうだな」という方、これはある意味で正しいと言えば正しいですし、正しくないと言えば正しくないですね。
独立するってですね、雇われではないので、「誰にも命令されない」「束縛されない」という自由を手に入れられるという、ある意味大きなメリットが得られます。

その半面、「誰も守ってくれない」「全ての責任を自分で取らなければならない」という大きなリスクを背負うことになります。

仮にアルバイトでも正社員でもどこかで働いてれば、雇われて働いていれば、「仕事が忙しい」とか「大変だ」とか「給料が安い」とか、「残業代が安い」とか「つまらない」とか「やりがいがない」とか、そういう不満、不服はあったとしても、働いている限り、よっぽどブラックな企業でなければきちんと給料が出ますよね。

(雇われている場合は)働けど働けど全くお金がもらえないということはありません。

一方で、独立開業の場合は24時間四六時中働いていて、ヘトヘトになって一生懸命働いていても、お客様が入ってこなければ、売上が立たなければ収入が全くゼロになるというリスクがあります。

ゼロになるどころか、お店が赤字でこれまで貯めたお金や手元にある資金も毎月どんどん失われるということもあり得ます。

赤字が続くとお店を存続させるためにどこかから借入をして借金をしたりしていても、どこか(の時点)で資金はショートしてしまいますので、最悪の場合、経営が立ち行かなくなって閉店ということもあるわけです。

そうなった時に、振り返ってみれば残ったのは借金だけ。これまで貯めてきた自己資金であったり、キャリア、プライドだったり、そういったものを全て失って、露頭に迷ってしまうということも実際にあり得るわけですね。

オープンから1年後の閉店率は30％前後

実際に飲食店の廃業率をご存じの方もいるかもしれませんが、オープンから1年で30％前後が閉店すると言われています。

オープンから3年というスパンで見ると、ちょっと・・いろいろな説はありますけど、50%から70%のお店が閉店してしまう。要はつぶれてしまうということが実態として統計上は出ているわけなんですね。

意気揚々と夢を持って開業された方も、3年後にはその半数以上がお店を畳むことになる。
それが事実ですし、そういう可能性が少なからずあるということをしっかりとご認識いただいきたい。

すごく大きなメリットがある半面、大変大きなリスクを背負って進めていかなければならないということを改めて認識していただいて、本当にそれを背負う覚悟があるかどうかということを今一度考えていただきたいなと思います。

飲食店開業のリスクと向き合う

「失敗」は「成功」よりも多くのことを学ぶチャンスではありますが、飲食店における失敗は、再生がきかないほど大きなダメージになるケースが多いので、「失敗ノウハウ」（＝失敗のナレッジ）が積み上がっていかないのだと感じています。

私どもは、飲食店開業のお手伝いをする立場のコンサルタントではありますが、同時に「飲食店開業によって不幸になる人を増やさない」という「防波堤」の役割も担っていると意識を持っています。

飲食店開業のリスクや失敗ナレッジについても、忖度なく発信し続けていきます。

毎月開催しているセミナーでも、口当たりのいいことだけでなく、厳しい実情についてもお話しています。

開業準備・物件探し・資金・集客など、約15テーマのセミナーを開催。
気になるテーマがありましたら1度ご参加ください。

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