【第3回】飲食店開業セミナー『自己分析(現在地を正しく知る)』
みなさんこんにちは!飲食店開業コンサルタントの大森です。
今回は飲食店開業のWebセミナーの第3回目ということで、お話をしてまいりたいと思います。
前回の第2回目では、「ゴールを明確にする」についてお話させていただきました。
ゴールを明確にするというのは、これから旅路に出るという時に、その目的地を明確にするということですね。
みなさんは初めての独立開業であれば、飲食店の経営というまだ見ぬ世界に旅立とうとしているわけですから、ゴールすなわち目的地を明確にするのは非常に大事なことです。
その目的地までの道のりに、どういう危険があって、どれくらい長い道のりなのか。
どういう装備が必要で、どんな船が必要なのか?
そういったものを明確にする上でも、やっぱり目的地が明確に定まっていないと、準備のしようがないですね。
また、目的地を定めずにただポンと海に出てしまって、旅に出てしまって、地図も持っていない、必要な装備も持っていないという状態で、ただ目的もなくウロウロと漂っていても遭難するリスクもあります。
場合によっては大きな波が来て船が難破してしまったり、もしくは最悪の場合、沈没してしまったり、そういうことにもなりかねないですね。
なので、ぜひ、みなさんは開業準備を進めるに当たって、ご自身が向かうべき目的地を明確にしていただいて、旅に必要な準備をするための指標にしていただきたいなと思います。
今回はゴールを明確にするということと同じくらい大切な「自己分析」。
自分の現在地を正しく知る、についてお話させていただきたいなと思います。
自己分析~自分の現在地を正しく知る~
ゴールを明確にする、目的地が定まりました。
「じゃあ出発だ!」「冒険の始まりだ!」と、手ぶらで出発しても良いかということですよね。
目的地が明確になったら必要な食糧であったり、装備やお金であったり、着替えであったり、そういったものをきちんと準備してですね。
どういう交通機関を使ったら良いか、どういう道をたどったら良いのかをきちんと調べてから出発すると思うんですよね。
それが普通ですし、みなさんも知らない場所を旅しようと思ったら、事前にきちんと調べてから行かれると思うんです。
ただ、残念ながら、飲食店の独立開業ということに関して言えばですね。
長い旅路に必要な地図も装備も、船も知識も資金も、例えば、場合によっては頼りになるクルーや仲間も持たずに「エイヤー!」と、勢いだけで出発してしまう人が実は非常に多いんですね。
そんな状態で出発して目的地にたどり着くというのは、もはや奇跡的な話です。
一部の天才的な才能がある人に限られるのではないかと思います。
こういう状況であるがゆえに、飲食店の開業というマーケットにおいては、閉店率がいまだに非常に高い。
この10年〜20年、もっと昔から、開業後3年で閉店してしまうお店が50%~70%と言われる状態が、どんなに時間が経っても改善されていかないんですよね。
やっぱりそれは、目的地をしっかり定めず現在地もわかっていないのに、「とりあえず出発してしまえ!」という人が多いこと。
やみくもに出店する人が後を絶たない、それが実は一番大きな要因ではないかなと思っています。
これはある意味やむを得ない事情もあってですね。
飲食店を開業するにあたって、事業の成功を見据えた正しい開業の仕方であったりとか、1人1人の事情とか状況に合わせた目的地、ゴールの設定であったり、ロードマップの描き方、準備の仕方とか、こういうことをしっかりと学べる場所や学べる機会があまりにも少ないというのが、それも1つの要因だろうと思います。
だからこそ、当社では1人でも多くの人が正しい知識と万全の準備をしてですね。
安全な航路をきちんと確認した上でスムーズな出航ができるように、という思いで、毎月池袋で無料のセミナーをやったり、Webでセミナーを配信させていただいております。
あとは 個別相談 という形で、無料でご相談に乗らせていただいたりもしています。
自分自身に何が必要かを明らかにする
改めて今回のテーマは「自己分析」ですね。
自分自身の立ち位置、現在地を正しく知るということについて、もう少し具体的にお話をしていきたいと思います。
目的地にたどり着くための正しいロードマップを描くためには、まず、自分自身が今どこにいるのかを正しく知る必要があります。
さらにこれから向かう長い旅路を乗り越えていくために、どんな知識、どんな技術、経験、資金、あとは人脈が必要かであったり。
自分自身なにが必要で、どこまで自分が持ち合わせているのか。
それが足りているのか足りていないのか、足りないとしたらどれぐらい足りないのか。
そういったことを正しく知ってもらう機会になればなと思います。
今、自分自身が持っているものを明らかにするというのはですね。
まあ少し経営っぽい話をすると、自分自身が、みなさん自身が持っている経営資源、経営のリソースなんて言ったりしますけど、それを明確にする、棚卸しをするということです。
独立開業に必要な資源を明らかにする
経営の4大資源とはヒト、モノ、カネ、情報なんて言いますけど、この中で最初に明確にしていただきたいところをもう少し具体的にお話します。
まず1つ目が知識。みなさんが持っている知識。
2つ目が技術。どういう技術を持っているか。
3つ目が経験。どんな経験をしてきたのか。
4つ目が資金。どれだけ自己資金を持っているか。
どれくらい自分の今のステータスで、お金を借りようと思えば借りられるのかということです。
それから人脈と、あとは資格ですね。
こういったものを明確にするところから始めていただければと思います。
1つ1つ具体的にそれってどんなことなの、ということをお話していくとですね。
まずは1点目の知識のところですね。
当然ながら、飲食店を経営をされていくにあたって業界の知識であったりとか。
飲食店である以上、料理を提供しますので、調理に関する知識や食品の衛生に関する知識であったりとか、あとは経営に関する知識。
また、お客さんに来てもらわないと仕方がないので、集客に関する知識であったり、お店自体をしっかりと回すための経理であったり労務、人事であったり、場合によっては法務であったりですね。
飲食店経営に関する知識や技術も必要
そういった知識も最低限のものは必要になってくると思います。
経営者として知っておくべきことは山ほどあります。
その中で、自分自身が今の時点で持っている知識は何か、足りない知識は何かをたな卸ししていった方が良いかなと思います。
それから技術ですね。
飲食店ですから当然、調理技術が必要です。ご自身が持っていなければ、その技術を持っている人を採用するとか、一緒にやるという話になると思います。
ただし、飲食店って料理が美味しいだけでは成り立たなくてですね。
やっぱり接客の技術ですとか、もし人を雇う場合は人材をマネジメントする技術だったりとか、人材を育成する技術が必要です。
お客さんに来てもらうための広告運用に関する技術であったりとかですね。
そういったものも必要になってくると思います。
これまでの経験がものを言う
また、経験がものを言うというか、経験もあるに越したことはなくて、
独立開業の場合は経営経験そのものを持っている方は少ないかなと思います。
一方で、飲食店で働いた経験、キッチンもそうですしホールもそう、マネージャーとしての経験も今後の経営に当然活かされてくるものです。
飲食以外の経験が役に立たないかというと、当然そんなことはありません。
例えば、経営企画であるとか、営業や経理、法務や財務。
経営者はある程度、経営に関するあらゆる経験を将来的に積む必要があります。
一方で、すでに経験しているものはそれをしっかりと活かして、足りない経験を積めば良いということになります。
まずはご自身の飲食以外の経験も含めて、たな卸しすることから始めることで今あるもの、足りないものが見えてくると思います。
資金面の整理と確保も重要
それから資金、今ある自己資金を整理すること。
飲食店を開業する場合、物件を取得するためにお金がかかりますし、内装工事をしたりとか厨房機器を買ったり、それ以外の諸々の備品、消耗品関係をそろえたりなど、そういったものは当然必要です。
また、飲食店がみなさんの経営が軌道に乗るまで当然、「運転資金」も必要です。
そうしたものを試算した時に自己資金だけで足りるのかという部分、あとは今の自分のステータスでどれくらいお金が調達できるのか、銀行から借りるケースもあるでしょう。
例えば、親族や親御さんから出してもらうケースもあると思います。
開業に一定のお金は必要なので、どれだけ調達できるのか、どれだけ用意できるのかということを一度整理していただくと良いかなと思います。
あとは人脈のところですね。
もしスタッフを雇う予定がある方は、その当てがあるかとか、声をかけられる人がいるかどうかというところ。
あと、これは独立開業に関して結構重要なことで、ご家族とか親族とかの理解や協力が得られているかということです。
これは実はすごく重要なポイントで、意外と開業した後にもしくは開業する準備を進めていたのに家族から反対があってとか、いざという時に家族が助けてくれなかったりということで、上手くいかなくなるケースもあります。
必ず開業する上では周囲の協力、特にご家族の協力や理解は得られていた方がより良いかなと思いますね。
それからオープンした時にどれくらい見込みのお客さんがいるかというところで、友人、知人をどれだけ招待できるかですね。
あとは、例えば、SNSをやっている方はそこに告知できる人がどれくらいいるか、フォロワーや友人がどれくらいいるかということも最初の認知、立ち上げをする上では非常に重要です。
あとはまあ飲食店開業ってやっぱり1人ではできないので、その取引業者さんや食材の業者さんであったり、酒卸の業者さんであったり、税理士さん、内装業者さんとかそういうところもいないとお店って作っていけないですから。
そういう人脈があるかどうか、ない場合はこれから探さなければいけません。
もしくは誰かから紹介してもらわなければならないですし、仲間集めをする必要があります。
現状をしっかりとたな卸しすることが重要だと思います。
資格を持っている場合は上手く活用を
あと、これは補足ですけど、もし資格をお持ちの方、例えば、調理師免許って飲食店をやるために必須のものではないんですけど、当然、あればあるに越したことはないですね。
飲食店開業の許認可を得るために必要なのは食品衛生責任者です。
これは必要なので、もしまだ持たれていない方は開業前にしっかりと講習を受けて、その資格を取得することが求められます。
防火管理者などを含めて、ご自身の開業に必要なものは取らなければならないですし、あった方が良いなというものは取得を目指すかどうか判断しましょう。
例えば、国家資格ではなくてもソムリエの資格だとか、チーズプロフェッショナルでしたり、利(きき)酒師であったり、あったらプラスになるというもの。
開業前に取得するかどうかというところも含めて、まずは今、何を持っているかというところから整理していただくと良いのかなと思います。
現時点でのリソースがどれだけあるのかを把握
基本的には飲食店を開業する上で、もしくは経営を軌道に乗せる上で全部が全部、すでにリソースがそろっています。
「あとはものだけあれば余裕で出航できます!」という状態の方は実はほとんどいません。
そう思い込んでいる方はいらっしゃいますけど、整理すると人によって持っているリソースは異なりますが、全てが全て、全部そろっていますという人はほとんどいないですし、それが普通です。
ただ、今はそれで全然良いと思うんですね。
大事なのはまず冷静な視点で、「今ご自身が持っている経営資源、リソースがどれだけあるのか」と「これから向かう旅路に向けて何が足りないのか?」を正しく把握すること。
これは非常に重要です。
これがわかれば足りないものはこれから準備すれば良いですし、勉強すれば良いですし、仲間が必要であれば仲間を集めれば良いんですね。
ただそれがわからずに準備が整わないまま出航してしまったら、当然上手くいかないリスク、目的地に辿り着けないリスクが高まってしまいます。
ぜひですね、まずはご自身の保有されているリソースを明確にする、自分の現在地を正しく知るということをやっていただければなと思います。
必ずしもすぐに出発(開業)することが正解ではない
出発する上で「そもそも全然リソース足りていない」ということであれば、出発は保留にして、「まずは出発前にもう少しお金を集めよう」とか、「信頼できる仲間を探そう」とか、「もう少しどこかで経験を積もう」とか、そういう判断もありだと思うんですよね。
実際、中途半端に出発してウロウロしながら全然先に進まないよりは、いったん開業するのを待って、しっかりと準備を整えてからもっと速い船に乗った方が結果的にゴールにたどり着くのが早いかもしれないですよね。
いつもたくさんの「開業したいです」という相談をいただくのですが、人によっては「いや、まだ早いです」とか、「もう少し、しっかりお金を貯めてからの方が良いと思いますよ」というお話をさせてもらうことがあります。
「そこのゴールを目指すのであれば、もう少しこういうところで経験を積まれた方が良いのではないですか?」「どこかで修行された方が良いと思いますよ」など、そんなお話をさせていただくんです。
変な話、せっかく開業のご相談に来ているんですから、「開業できますよ」と言って、出発させてしまった方が、ビジネスになるんですが。
「開業を待った方が良いですよ」「もう少し準備整えましょう」とか、「修行しましょう」という話をしたところで、われわれには何の得もありません。
あえてこういうことをお伝えしているのは、われわれコンサルタントのゴールやミッションはみなさんを開業させることではなくて、みなさんがきちんと事業で成功していただくことだからです。
準備が整わないのに無理やり出航して、いきなり沈没してしまうのはわれわれにとっても目的にかなっていないというか、望むところではありません。
そんな姿を当然見たくないですし、お互いにとって気持ちの良いビジネスはできませんよね。
あくまで、われわれが関わらせていただく以上、お客様に成功していただくことを目標に据えてお手伝いしています。
場合によっては、せっかく相談に来たのに「やめておきましょう」と言われたことでショックを受ける方もいるんですけど、われわれはそれが正しいと思ってお話をしていますし、みなさんの成功を願ってのことだとご理解いただければと思います。
必要なものを把握し、足りているもの、不足しているものを整理する
では、最後にかんたんにまとめます。
まず開業に必要な4つ。
1.知識
2.技術
3.経験
4.資金
ひとつずつについて、足りているか、不足しているか考えていきましょう。
不足しているものが技術や経験であれば、「開業前に飲食店で修行しよう!」という方もいるでしょうし、知識であれば、「本やセミナーで補おう!」となるでしょう。
「自分には何が足りてないの? 客観的な意見が聞きたい」「自分の場合は、何から身に着けていくのが効率的か相談したい」という方はぜひ個別相談にお越しください。今年開業したい方から、2年後・3年後開業希望の方まで幅広くご利用いただいています。
ちょっと長くなりましたが、今回はこの辺で終わりにさせていただきたいと思います。開業コンサルタントの大森でした。
また、次回お会いできればと思います。
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目次
みなさんはなぜ、飲食店での独立開業を目指されているのでしょうか?
人によって開業の理由や動機は違うと思います。
例えば、「飲食店って楽して儲かりそうだから」という方もいらっしゃれば、「雇われているより楽しそうだな」とか、「独立開業することが昔からの夢だった!」という方もいらっしゃるかなと思います。
他にもいろいろな理由があって独立開業を目指されているかと思いますが、先ほど挙げた3つの動機の方はちょっと気をつけていただきたいなと思います。
こういった動機も悪いことではありません。
ですが・・・
前回は、「飲食店開業を目指されることは大変素晴らしい」ということを前提にお話をさせていただきましたが、「飲食店を開業するってそれなりのリスクが伴うことですよ」ということが1つ。
もう1つは、「飲食店開業そのものをゴールにしないでいただきたい」というお話ですね。
「開業がゴールではなくてもっと先にゴールを設定して、その上で開業の準備を進めていただきたいな」と、そんなお話をさせていただきました。
今回は後者の方ですね。「ゴールを明確にする」というところについて、もう少し詳しくお話をさせていただきたいと思います。
【第3回】飲食店開業セミナー『自己分析(現在地を正しく知る)』
前回の第2回目では、「ゴールを明確にする」についてお話させていただきました。 ゴールを明確にするというのは、これから旅路に出るという時に、その目的地を明確にするということですね。 みなさんは初めての独立開業であれば、飲食店の経営というまだ見ぬ世界に旅立とうとしているわけですから、ゴールすなわち目的地を明確にするのは非常に大事なことです。 その目的地までの道のりに、どういう危険があって、どれくらい長い道のりなのか。 どういう装備が必要で、どんな船が必要なのか?
今回のテーマは、『最適な開業スタイルを選ぶ』
一般的に想像するのはイートインのスタイルでしょう。
お客さんに入ってもらって、そこで食事なりお酒なりを楽しんでいただく。
ただ、それだけではありません。
一言で飲食店開業と言っても営業形態や独立の形態、仕方など一般的なスタイル以外にもいくつかのやり方や複数のパターンがあります。
たとえば、テイクアウト専門店、デリバリー専門店、イートインをやりながらデリバリーに取り組むハイブリッドスタイルなど。
今回はそのあたりを整理してお話できればなと思っています。
最適な開業スタイルを選ぶために、さまざまな営業形態をまずは知っておきましょう。
今回からは「いよいよ開業するぞ!」と心に決めた後、その次のステップ、具体的な開業準備のプロセスに入っていきたいと思います。
今回お話するのは「コンセプトメイキング」「コンセプト作り」という部分です。
「開業をいざやっていくぞ!」というふうになったら、まず最初にとりかかっていただきたいのが今回お話をするコンセプト作り。
コンセプト作りをしっかりやれるかどうかで、「開業準備がスムーズに進むかどうか」「開業の大きな落とし穴にはまることがないか」「開業そのものをスムーズに立ち上げられるかどうか」「経営を軌道に乗せられるかどうか」が決まります。