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開業手続き男性

飲食店で長年働いている方でも、開業時に不要な苦労や失敗をしてしまうのはなぜでしょうか?

現場で調理や接客のスキルは身につきますが、正しい開業手続き・方法を身につけるチャンスはあまりありません

 

お気づきでしょうか。

料理技術・接客スキル・事業のアイディアが優れていても、

開業時の手続きをスムーズに進められるかは別問題なのです

 

困っている男性

こんな大変になるなら、事前にやっておけば良かった…

困っている女性

知ってさえいれば、こんな損しなかったのに…

 

そこで個人事業の飲食店開業に必要な、「金銭面で損をしないための」手続き方法をまとめました。

その中には、とある手続きを「知っているだけ」で65万円分得するものも。

 

少し長いですが、飲食店開業の届出・資格・許可・申告」はこの記事ひとつでバッチリに作り込みました!

ボリュームがあるので保存やブックマーク(お気に入りに追加)をおすすめします。

では早速始めましょう!

開業時に必要な届け出

提出先 内容
保健所 飲食店営業許可
税務署 個人事業主の開業届出書

所得税の青色申告承認申請書

給与支払い事務所の開設届

 

個人事業主として開業するためには、上記書類を提出する必要があります。

それぞれ解説していきます。

保健所から飲食店営業許可をとる

オープンしている飲食店

 

店舗所在地を管轄する保健所から営業許可を受けるために、必要なものは2つ。

①条例に規定された施設基準に合致した施設

都道府県が定めた施設基準に合致した施設が必要です。

流しの数、手洗いの位置、床壁の材質、客席の明るさなど細かい規定があります。

店舗工事の着工前に、基準に合っているか保健所で確認をとりましょう。

 

例えば東京都(23区・八王子市・町田市を除く)の基準はこちら。※1部抜粋

タイル、コンクリートなどの耐水性材料で排水がよく、清掃しやすい構造
内壁 床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造
明るさ 50ルクス以上

 

地域によって上記条件は異なるため、管轄する保健所にご相談ください。

②食品衛生責任者の資格

食品衛生協会が各地で開催している6時間ほどの講習を受講すると、資格を取ることができます。

ただし1〜2ヶ月以内の近い日程ではすでに満席になっていることもあるので、早めに申込みましょう。

 

事前勉強は必要なく、講師が「ここは大事です」「ここはアンダーラインを」など具体的に教えてくれます。

しっかりと講義を聞いておけば、落ちることはありません。

費用は大体1万円~2万円程度で、受講の当日に必要となります。

参考リンク:全国の食品衛生協会の一覧

 

さらに詳細が知りたい方はこちらの飲食店営業許可(参考記事)をご参照ください。

税務署に3つの書類を提出

書類を書く男性

①個人事業主の開業届出書

『個人事業主』として、公的に認められるための届け出

対象:事業を開始する方全て

期限:開業から1ヶ月以内

 

②所得税の青色申告承認申請書

確定申告を『青色申告』で行えるようになる

対象:青色申告を選ぶ方 

期限:開業から2ヶ月以内

 

③給与支払い事務所の開設届

人を雇う場合、提出しなければいけない

対象:給与の支払いを行う方

期限:人の雇用から1ヶ月

 

・どこの税務署に提出すべきか

「住んでいる所(住居地)」と「開業する所(事業地)」で管轄の税務署が異なる場合。

どちらに提出しても大丈夫です。

納税先が決まるだけなので、どちらを選んでも問題ありません。

 

税務署の管轄区域は国税庁のWEBページで確認できます。

(参考リンク:国税庁 国税局の所在地及び管轄区域

「開業届出書」と「青色申告承認申請書」はセットで提出

セットイメージ

 

初老の男性客

青色申告承認申請書って必要だろうか?

 

青色申告承認申請書は、『青色申告』をしない方にとっては不要。

ですが、開業の際にはメリットがあるので開業届とあわせて提出しておくことをオススメします。

 

青色申告は、節税面のメリットが大きいのがその理由。

ただし期限が厳しく、申告期限を過ぎてしまうと認められません。

 

困っている男性

「青色申告」ってめんどくさそうなんだよな…

初老の男性客

青色申告で節税しようと思ってたけど、忙しかったから白色にした

 

そうお考えでも、「青色申告承認申請書」を出しておいて損はありません。

なぜなら青色で提出すると『白色申告』でもできますが、その逆はできません。

 

 

「まだ、白色か青色か決まってない」という方は、最初に出しておきましょう。

確定申告について、青色申告・白色申告の違いとは

夜の飲食店

確定申告とは、所得を計算して税務署に申告・納税することです。

「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。

 

白色申告は届け出は不要ですが、帳簿は付けなければなりません。

簡易なものが認められており、収入金額と必要経費がきちんと記帳されていれば、書き方は自由

(※2014年分から「帳簿への記帳」と「帳簿等の保存(期間5~7年)」が義務づけられました)

 

青色申告では、簿記による記帳が必須

多少の手間はかかりますが多数の特典があり、納税額が少なくなることも。

税金が65万円分お得になる、青色申告がオススメ

穏やかそうなサラリーマン客

難しそうだから、白色でいいかな?

こうおっしゃる方もいるのですが、そこまで手続きは難しいものではありません。

節税面でのメリットが大きいので、ぜひご検討ください。

青色申告とは?

簡単にお伝えすると以下の通りです。

・簿記による記帳が必須

・節税面でのメリットが大きい

・期限を過ぎての申告は認められない

それぞれについて詳しくみていきましょう。

「簿記による記帳」とは?

青色申告の承認を受けるには、一定のルールに則って記帳を行う必要があります。

例えば日々の売上ノートの記載方法によって「認められるもの/認められないもの」があります。

×認められないケース

3月28日(火)
売上高 30000
スーパー △5000
コンビニ △200
八百屋 △800
利益 △2400

 

〇認められるケース

3月28日(火) 現金残高
50000
売上高 30000 80000
スーパー △5000 75000
コンビニ △200 74800
八百屋 △800 74000
銀行入金 △24000 50000
利益 24000  

 

上記のポイント(違い)は、現金の残高が見えるように記帳を行うことです。

 

青色申告の場合には、控除が「10万円」と「65万円」のパターンがあり、記帳方法が異なります。

 

10万円控除 簡易簿記
65万円控除 複式簿記

 

上記の売上ノートは複式簿記ではありません。

複式簿記とは借方・貸方に分け、帳簿づけしているものをさします。

 

例)現金で1000円売り上げた場合

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
3/28 現金 1000 売上 1000

 

「なんだか難しそうだ…」と感じる方もいるかもしれませんが、心配は不要です。

会計ソフトを使って自分でやってもいいですし、プロ(税理士)に丸投げすることもできます。

 

全て自分で行えばムダな支出を減らすことはできますが、時間と手間という見えないコストはかかります。

事業主として本業(=お店の営業)に最大限集中するためにはどうすべきか、がもっとも重要です。

 

幸い今は、会計ソフトの進化のおかげで簡単に帳簿づけできるため、65万円の控除を選択してもそこまで手間は増えません。

会計ソフトが「どんなことができるのか」「どれくらい手間が省けるのか」調べてから決めても遅くありません。

《青色申告ソフト例》

クラウド会計ソフトfreee

やよいの青色申告オンライン

MFクラウド確定申告

 

多少の手間はかかりますが、青色申告にはそれを補ってあまりあるメリットがあります。

メリットは、所得税が安くなること

飲食店店内

まず所得税がどこに掛かってくるのか、確認しましょう。

所得税

売上から経費を差し引いた「利益」が、所得税が掛かってくる箇所となります。

 

正確には、利益から控除を引いた課税所得金額

 

所得控除とは、課税の公平性を図るために個人的事情などを考慮し、その部分には課税しないという制度です。

 

支払う所得税 =(売上-経費-控除)×税率

(税率は課税所得額により、5%から45%の7段階あります)

 

つまり、所得税がかかる課税所得額が少なければ少ないほど節税に繋がります。

(※本ページの図は見やすくするため、控除の部分を省略しています)

青色申告のメリット①65万円分の青色申告特別控除

では、1つめのメリットである青色申告特別控除について見ていきましょう。

青色申告控除

利益額から「65万円分を控除できる」お得な制度です。

(控除とは、税金の計算前に一定の金額を引いてから、税率を掛けること)

税金面でどのぐらいお得か、具体例で解説します。

 

例)課税所得額500万円、所得税が20%の場合

白色申告の場合:100万円を税金として納めなければいけない

500万円×20%=100万円

 

青色申告の場合:65万円が控除され、87万円を税金として納めれば良い

(500万円-65万円)×20%=87万円

 

青色申告だと、13万円(100万円-87万円)の節税効果が見込まれます。

青色申告のメリット②身内の給与を費用に含められる(青色事業者専従者控除)

身内の給与

身内に支払った給与を、経費に含めることができます。

※事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を出しておく必要があります。

 

「青色事業専従者給与に関する届出書」は提出期限に注意

期限:身内の雇用から2ヶ月以内

提出がない場合、青色申告をしていても経費に含めることができません。

家族であれば誰でも認められるわけではないので、条件を確認しておきましょう。

 

青色事業専従者の条件

飲食店開業を行う夫婦

身内の給与を費用として、認められるための条件は以下になります。

 

・生計を一にする配偶者か親族

・15歳以上

・年間1/2以上の期間その事業で働いている(年末の申告時点で)

・他で仕事をしていない(アルバイト含む)

 

給与が費用としてみなされると、大きな節税に繋がります。

夫婦経営や家族経営をお考えの方は要チェックの制度です。

前述のとおり「届出が必要、かつ条件がある」ので注意してください。

青色申告のメリット③赤字の年は翌年以降の節税ができる(繰越欠損金)

繰越欠損金

赤字の年は、当たり前ですが利益0円。そこに所得税はかかりません。

 

青色申告をしていると、翌年度に赤字を繰り越すことができます。

翌年度の利益から前年度の赤字を差し引いた金額に対して課税されるため、節税効果が見込めるのです。

 

白色申告では、前年の赤字は差し引かれずに全て課税されることになります。

注意:青色申告承認申請書は、提出遅れが認められない

急いでいる人

開業から2ヶ月以内に提出しなければ青色申告承認申請書。

期限後の提出は認められず、その年度は青色申告はできません。

 

その場合は翌年の3月15日までに提出すると、翌年度から青色申告ができます。

 

【裏技】提出期限がギリギリになった場合は、郵便局を活用

提出はギリギリにならぬよう進めるべきですが、開業前で忙しく「期日が迫っているが、持参もできない」という場合は郵便局をご活用ください。

 

万が一期限が迫っていても、郵便局に持ち込めば間に合う場合があります

 

民間企業(佐川やクロネコ)では認められませんが、郵便局は『消印有効』

24時間受け付けの郵便局もありますので、店舗事業者にとっては有用です。

 

青色申告は出しておいて損するものではありませんが、提出が遅れると認められません。

開業届と一緒に青色申告承認申請書を出しておくのがオススメです。

人を雇う場合には給与支払事務所の開設届を提出

書類メモ

個人事業主が人を雇用し給与を支払う場合、「給与支払い事務所の届出書」を出しておく必要があります。

 

節税とは関係ありませんが、こちらは必ず行うべき義務。

この届出がないと、従業員・スタッフに『所得証明書が発行できない』などの不利益が起こってしまいます。

青色専従者給与で身内を雇う場合にも提出が必要です。

 

給与を支払う際、源泉所得税は毎月納付するもので手間がかかります。

事前に『源泉所得税の特例の承認に関する申請書』を出すと、半年に1回の納付

 

なお、支払い時期は1〜6月分は7月10日まで、7〜12月分は1月20日までとなっています。

 

金銭的なメリットはありませんが、事務作業が簡略化できます。

【まとめ】飲食店開業の手続き

開業手続きで得した男性

以上、新規開業時に「金銭面で損をしないための」必要手続きをお伝えしました。

 

少し長くなってしまいましたので、最後にまとめます。

  • 提出する書類と提出先
提出先 内容
保健所 飲食店営業許可
税務署 個人事業主の開業届出書

所得税の青色申告承認申請書

給与支払い事務所の開設届

  • 「開業届出書」と「青色申告承認申請書」はセットで提出

青色申告は届け出が必要。

届け出を提出しても白色申告はできます。

どちらにするか決まっていなくても出しておくのがオススメです。

 

  • 青色申告が節税に繋がります

①65万円分の青色申告特別控除

②身内の給与を費用に含められる(青色事業者専従者控除)

③赤字の年は翌年以降の節税ができる(繰越欠損金)

 

手続きを疎かにし直前でバタバタしてしまうと、開業前の大切な時間が有効に使えません。

とはいえ開業オーナーは飲食店経営のプロであり、必ずしも手続きのプロである必要はありません。

 

メニューの作りこみ・集客方法・内装デザインをどうするかなど、飲食店経営者としてやるべきことに集中したいですよね。

 

時には会計ソフトや税理士事務所や開業サポート会社などを上手に使うことで、時間とコストの最適化を行っていきましょう!

 

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(参考リンク)飲食店営業許可

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