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個人店の経理

飲食店経営においては、良質なサービス・美味しい料理・適切な立地選択などが重要なのは当たり前。

ですが、これから開業しようとお考えの方や開業したばかりの方が、それらと同様にもしくはそれ以上に注意を払うべきは「お金」のこと。つまり、経理と資金繰りをしっかり管理すること

でも店舗経営の「お金」に関連して、ご自身で精通している方は多くはありません。開業相談の現場でよくこのようなご質問やお声を頂きます。同じように感じたことはありますか?

 

困っている女性

メニューや集客とか内装は考えてたけど、そういえばお金の管理をどうするかは見落としてた…あとでいいかと思って

バーテンダー

個人店でも税理士って必要?自分でやれるって聞いたけどどうなの?

板前男性

まず自分で(経理を)やってみて、必要がありそうなら確定申告の1,2カ月前ぐらいに税理士に相談しようかと思ってた

怒っている女性

まだ物件すら決まってないのに、経理や税理士のことを考えるなんて気が早すぎるでしょ

 

毎日数多くの開業希望者とお会いしますが、はじめて開業される方は

ラーメン職人

そういや、お金の管理もしなければいけなかったっけ(なんとかなるだろ)

くらいの認識の方が大半。特に一番気になるところは、

ラーメン職人

わざわざ税理士にお願いする必要ある?だって毎月何万円もかかるんでしょ?

こんなところではないでしょうか。

 

もちろんわたしどもも、日々の余計なコストはなるべく節約いただくべきだとは考えています。

 

しかし、今まで6500店舗以上の支援をしてきた開業のプロからすると、費用が多少かかったとしても最初から税理士を活用することをオススメしています。

 

実際に店舗を経営しているオーナーからも、「税理士は使うべき」という声を頂いています。最初は自分で経理をできると意気込んでオープンしたオーナーも、しばらく経つと税理士を活用しているのが実態です。

 

結局税理士を活用する店舗が多いのは、非常にシンプルな理由です。

コストより遥かに大きなメリットが”ほぼ確実に”得られるから。その理由を紐解いていきます。

飲食店経営者が自分で経理を行うと、これだけの労力がかかる。

営業時間を表す案内

特にわたしどものお客様に多い、独立開業オーナーの例で考えてみます。

現場で調理やサービスを行うのはもちろん、経理を自分でやるとすると、どれくらいの労力や時間を見込んでおけば良いでしょうか。

 

およそお店を閉めたあとの経理業務では1時間ほど、毎月の締めで5〜6時間くらい確保しておいた方が良いでしょう。

営業日25日なら25時間、それに5〜6時間の締め作業を加えると1ヶ月の費やす時間はどうなるでしょうか。

 

お店を運営しつつ、毎月30時間前後を経理作業に費やすこととなります。

慣れていない人だと数字のズレはよく発生するので、もう少し手間取るかもしれません。

さらに確定申告が年に一回必要になり、年に一回プラス20〜30時間ほどかかると見越しておきます。

仕分けなど基本的な税務の仕組みをわかっておくことが必要なのは言うまでもありません。

 

ここでやはり考えるべきは、経営者はどう時間を使うべきかの判断。

経理「作業」に30時間ほどの時間を使うべきか、それともその30時間をメニュー改善や販促・採用・教育などの「事業」に時間を使うべきか。

 

オーナーご自身の30時間の労働は、時給や給与に換算するといくらの経費になりますか?

そもそも「作業」にオーナーの貴重な30時間を使っても良いものでしょうか?

 

もちろん、最初に最低限経理の知識をつけるために自分でやってみることを否定をするものではありません。「作業」と「事業」を比べた時に、店舗経営者としてどこに注力すべきかは見えてくるはずです。

 

良い税理士を選ぶと飲食店の成功率はあがる

税理士

 

税理士は単に税務・会計処理を行ってくれるだけではなく、店舗経営の頼れるパートナー。

うまく使えば、店舗ビジネスの成功確率を大きく上げることができます。

 

この記事では税理士のサポート内容、当初自分だけで経理を行うときに役立つツールハズさない税理士の選び方をまとめましたので、ベストな選択のための一助としてお使いください。

 

繰り返しになりますが、初めて開業される方であれば税理士に依頼することをオススメします。

理由は2つあります。

数値に基づいたプロの意見が聞ける

店舗経営では、どうしても感情・思い込みが入り、冷静に数値を捉えることが難しい場合もあります。

女性サラリーマン

ちょっとずつお客さんも増えてるし、来月にはなんとかなる気がする

頭を抱えて悩む男性

売上がこれしかないなんて、もうダメだ…

税理士を使うことにより、楽観的でも悲観的でもない経理のプロの意見を取り入れることができます。

同業種とくらべて自店の数字が良いのか悪いのか。初めての店舗経営するオーナーであれば良し悪しの判断がしにくいところも明確になります。

事業主として本業(=お店の営業)に最大限集中できる

税理士に依頼すると、手間と時間の節約になります。

開業したばかりの時はオペレーションを回す、仕込み、人材採用・教育、集客などやるべきことが山積みのはずです。

会計処理を省くことで余裕が生まれ、ーナーにしかできない業務に全力で取り組むことができます。

税理士に頼まず自分でやりたい

自分でやりたいシェフ

怒鳴っている男性

小さいお店だし、税理は士いらないと思う

メガネをかけたサラリーマン

月々の費用がもったいない

飲食店経営に税理士が必須ではありませんし、確定申告もツールを使い、ご自身ですることもできます。

自分でやった場合の手間と時間の検討、確定申告を行うための知識を持っているかどうかで判断します。

飲食店経営者が払う4つの税金

個人事業主として飲食店経営者が払うべき税金は4つあります。それぞれ全てに個別計算を4回行う必要はありません。

確定申告を行うと、他2つは納税額が通知がきますので、その通知に従って税金を納めるだけ。個人事業主であれば、事業スタートから2年は消費税は発生しないため、開業時は消費税について考えなくても大丈夫です。

まずは4種類の税金について解説します。

所得税

お店の経営で得た売上金額にかかる税金。確定申告をして納めるのは、この所得税です。


事業税

課税所得が290万円以上の人にかかる税金。税率3~5%が業種別に定められており、飲食店は税率5%。とくに自分で計算する必要はありません。確定申告をもとに税務署から納税額の通知がきます。


住民税

都道府県民税と市区町村民税を両方合わせた税金。確定申告をするとその所得金額を元に住民税が計算され、通知が来ます。


消費税

2年前の売上金額が1000万円超の人が支払う税金。消費税を課税するかどうかの判断は、「2年前」に行われるため、開業から2年間は支払う必要がありません。

自ら確定申告を行うためのツール

PCで業務を行う

確定申告では月々の数値(売上・経費)を正しく記録するため、日々の帳簿付けが重要。会計ソフトを使い、帳簿づけを定期的に行っておきましょう。

会計ソフト例
「クラウド会計ソフトfreee」「やよいの青色申告オンライン」「MFクラウド確定申告」

 

会計ソフトは日々の管理だけでなく、確定申告の必要書類までサポートしてくれます。

「どんなことができるのか」「どれくらい手間が省けるのか」は各ツールによって多少異なります。年々使いやすくなっていますが、「慣れるまで苦労した」「これに時間を使うよりは、店の営業をもっと大切にしたい」という声も聞きます。

どうしても自分で会計処理を行いたい場合は、まずはツールを使うことをおすすめします。

分からないことは青色申告会で相談できる

全国の税務署ごとに「青色申告会」が組織されていますので、会員(有料)になれば記帳・決算・申告について分からないことを相談できます。青色申告をおこなう個人事業主を会員として結成され、会員からの会費により運営されています。

 

会費は地域によって異なりますが、高額ではありません。ちなみに弊社がある東京都豊島区では、入会金2千円・月額2千円です。

確定申告だけ税理士にお願いするのは難しい

依頼を断る税理士

確定申告の直前に、税理士さんに行っても、断られることは珍しくありません。

能力が高い税理士さんほど既存顧客を多く抱えており、特に決算時期は忙しく余裕がないもの。

確定申告前は繁忙期であり、顧問先の対応を優先するため、いきなりの依頼は受けないこともあります

 

また依頼を受けてもらえたとしても、会計処理にかかる手間を懸念し、割り増し料金がかかる場合も。

 

顧問先であれば毎月の帳簿もまめにチェックでき、入力方法の指導もできます。一方、いきなり依頼してくるお客様は、会計上必要な正しい数値(売上や経費)が残っていないケースもあるのです。例えば、銀行口座が事業専用ではなく個人の消費も混じり、煩雑になっているなど。

そういったケースを想定して依頼を受けなかったり、余計な手間を想定し、顧問先より高い料金を請求せざるを得ません。

 

確定申告だけ税理士に依頼するくらいなら、ふだんから顧問契約を結んでおくことをおすすめします。毎月アドバイスをもらえ、確定申告もスムーズにやってもらえます。

税理士は何をサポートしてくれるのか?

飲食店の会計処理

税理士の仕事は確定申告を代わりにやってくれるだけ、ではありません。

店舗経営に精通した税理士事務所を選べば、日々の数値管理から税務面での相談など、経営の頼れるパートナーになるのです。

 

主な業務は以下の通りです。

~税理士事務所の代表的なサービス~

  • 開業サポート(手続き・融資)
  • 月次監査
  • 節税/税金対策
  • 確定申告

 

事務所によって得意分野・方針が違うため、自分に合った税理士事務所を選びましょう。

 

飲食店に強い税理士事務所であれば、あなたのお店の経営について異常値があればすぐに気付き、提案・アドバイスを行います。

たとえば、他店と数値を比較し、

マジメサラリーマン

他店と比較して光熱費が高い傾向にありますが、心当たりはありますか?

などと店主が気づかないところへのアドバイスは貴重です。

ただし、飲食店経営に精通した税理士はそう多くありません。飲食店といっても店によってさまざま。イタリアン・和食店・カフェ・寿司店を同列に語るわけにはいきません。同業種で比べるには、かなりのクライアント数もしくは経験が必要。

外食業界の顧問先をどれくらい持っているのか、実績がある税理士か見ておく必要があります。

会計処理の手間が省ける

時間の節約

税理士に依頼する最大のメリットは手間と時間の節約慣れないことを調べながら行うより、プロに任せた方が効率的という考え方を持つべきです。

 

事業主として本業(=お店の営業)に最大限集中できる環境を作ることが、自分の商売の成功にとっても、来てくれるお客様にとっても良いことなのは間違いありません。

バーテンダー

管理に時間を使うよりも、お客様に満足いただくことや売上を伸ばす方に時間を使いたい

また会計ソフトを使っても、それが会計・税務面で適切かは専門知識がないと判断がつきません。

プロに会計処理をしてもらうことで、正確性が担保され、安心が買えます。申告漏れなど確定申告の額に誤りがあった場合、追徴課税が発生し、より多く納税しなければならないリスクもあります。税理士に任せると、こういったリスクを避けられます。

強制的・定期的なチェックが早い改善に繋がる

飲食店経営でよくあるのが「忙しくて数値が見れない」と仰るオーナー様。それが続くと、いわゆる「ドンブリ勘定」になることも。
強制的・定期的に必ずチェックが行われるだけで税理士に依頼している意味があるのです。

チェックが不十分だと、キャッシュが減ってきているのに気づくのが遅れ、閉店せざるを得ない事態に陥いることも。

「資金が底をついたときに初めて気づく」は飲食店経営のあるあると言えますが、税理士は「今何をすべきか」冷静にアドバイスしてくれます。

 

課長っぽいサラリーマン

事業計画より立ち上げに時間がかかっていますね。運転資金がもたなくなる前に追加融資を検討しましょう

穏やかそうなサラリーマン客

人時生産性が同業種より悪いですね。アルバイトさんの勤務時間を減らすこと、もしくは今の体制で売上向上で何か手は打てますか?空いてる時間にSNSの投稿をしてもらったり、キャッチングに行ってもらうのもひとつの手ですよ。

月次で税理士のチェックを受けることで、早めのタイミングで改善の手を打てます。

税理士事務所によって得意分野は大きく異なる

繁盛している飲食店

選んだ税理士によってあなたの店舗経営は大きく変わります。顧問先となる税理士はしっかり選びましょう。

 

税理士事務所を正しく選ぶポイントは2つです。

1つめは、飲食店に強い税理士かどうか

2つめは、過不足なくサービスが受けられるか

飲食店に強い税理士かどうか

税理士選びをわかりやすく例えると、医者を選ぶときと同じ。税理士事務所によって得意分野は異なります。

 

ひとことで医者といっても内科医、皮膚科医、整形外科医とさまざまな専門医がいます。例えば風邪をひいて整形外科にいくことはないですよね。整形外科医でも風邪ぐらいなら診ることはできるかもしれませんが、風邪でなかった場合は見分けはつかないかもしれません。

 

税理士も同じです。飲食店に強い税理士もいれば、中小企業のコンサルをメインにやっている方もいるでしょう。同じ税務の中でも相続をメインにされている事務所など様々です。

過不足なくサービスが受けられるか

事務所や依頼内容によって、どこまでサポートするかも異なります。自分に合っているところを選びましょう。

 

シェフの女性

店長経験があり、日々の数値管理・分析はやってきました。毎月の数値や決算のときだけちゃんとまとめてくれれば良い

ラーメン職人

月に1回は店舗に来てもらって、いろいろと相談にのってほしい

この2人のオーナーは明らかにニーズが違います。

機械的な数値処理だけであればリーズナブルですし、手厚いフォローであればそれなりの料金がかかります。

 

まずは自分が必要なサービスを明確にしておき、そこに合致するかという視点で選びましょう。

失敗しない税理士の選び方

複数社に話をきいてみる

特別な話でなくて申し訳ないですが、やはり比較検討することは欠かせません。

 

何社か話を聞くと、事務所の特徴なども分かってきます。

どの税理士さんがどの程度、飲食店の実態を知っているかどうか判断するために具体的な質問を投げかけてみるのもひとつです。

なかには、「このお店の広さだと、アルバイトは…何人ぐらいですかね??」お客さんに聞いちゃうレベルの人も…。

 

また、長い付き合いになるので会計業務の正確や強みを持つ領域はもちろん、人柄など定性的なところも合うかどうか見極めましょう。

 

専門家の話を無条件に信じるのではなく、こちらが『見極める』意思を持って話を聞くようにしましょう。

知り合いの飲食店経営者もしくは専門家からの紹介

もし知り合いに成功している飲食店オーナーや飲食店に詳しい専門家がいれば、紹介してもらうのも手です

紹介してもらう税理士は、インターネットで0から選ぶよりハズレが少ない傾向が。

 

というのも、本当に良い税理士さんは口コミで顧客が自然と増えていくもの。広告などを積極的に出していないため見つけづらいのです。

 

もし知り合いの店舗経営者がいないのであれば、弊社にお問合せください。飲食店に特化した税理士事務所(顧問料もリーズナブル)をご紹介します。

税理士に相談するタイミングは、開業準備中がベスト

タイミング

税理士に相談するタイミングは、開業準備中がベスト。オープンより早ければ早いほど良いのですが、明確な理由があるのです。

 

開業の準備段階で、交通費・調査費用など出費は発生します。事業のために使ったお金を経費として認められるよう、このタイミングから適切に処理しておく必要があります。

早いタイミングで税理士に相談すると経理処理の仕方がわかるだけでなく、その税理士が親身に相談にのってくれるかどうかの見極めにもなります。

 

困っている女性

物件が決まってからじゃダメ?

物件契約後は、ゴミ捨てやネット回線、仕入れなど多くの業者と契約する必要があります。店舗開業が迫り時間がない中、税理士をゆっくり選ぶ時間はとれません

 

良い税理士に出会うために比較検討するなら、開業準備の段階で行うべきです。

弁護士とは異なり、初回相談は無料とする税理士は多いので、早いタイミングでより多くの税理士に会っても金銭的な負担はありません。

税理士を解約・乗り換えるときに注意すべきこと

税理士との契約

税理士を解約し、「自分で経理処理したい」「他の事務所に依頼したい」と思うことがあるかもしれません。

その場合は、切替時期を1月1日にすることをおすすめします。

 

所得税の課税対象期間は、1月1日から12月31日までの1年間。

確定申告書提出期間は、2月16日から3月15日の1カ月間。

 

そのため、12月31日までの帳簿管理とその年分の確定申告はそのまま現状の税理士に処理してもらい、1月1日からの管理は新たな体制で臨むというのが1番スムーズです。

 

初老の男性客

とは言え、途中でもいいからなるべく早くやめたいんだよなぁ

 

契約書に解約ルールがあるので確認しておきましょう、「何カ月前に通達の必要」など記載があるはずです。

日々の帳簿付けから依頼している場合、その年度の帳簿を渡してもらえるか確認が必要です。もし渡してもらえない場合、遡ってつける必要があるため、手間がかかります。

税理士に払う顧問料の相場

費用相場

税理士の費用は大きく分けて2つあります。1つは月々の顧問料、もう1つが年1回の決算料

 

フォローの手厚さや依頼者の事業規模で顧問料が異なります。

目安として、従業員数が3~4人・年間売上が1千万円以上3千万円未満の事業で、顧問料は月額2万5千円~5万円

決算は月間顧問料の3~6カ月分が目安です。

できることは自分でやってコストダウン

経理を丸投げでお任せするのと、日々の数値入力は自分で行い、最後のチェックだけしてもらうのでは、税理士の業務量が違います。

 

パターン別に見積もりをもらい、どの方法が良いのか考えましょう。

■飲食店に詳しい税理士の紹介ご希望の方

0120-998-538(平日10時~18時受付)

みんなの飲食店開業・店舗そのままオークション運営事務局

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年間300件超、累計6500件以上の飲食店開業をサポートしてきた株式会社M&Aオークションの専門家集団。個人店から大手チェーンまでさまざまな業態・立地の飲食店の開業コンサルティングを行ってきたノウハウをブログで発信します。
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