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資金調達計画

小さなお店でも飲食店を開業するには、物件取得・内装・販促などのまとまった資金が必要です。

独立開業などはじめての店舗開業において、数百万から1000万を超えるような出店コストをどのような手段・方法で用意するのがベストでしょうか?

 

「とにかく手持ちのお金でなんとかしたい。借り入れなどの借金は避けて、出店コストはすべて自己資金内で!」

 

こんな考えの出店希望者様とお会いすることもありますが、6500店舗以上の出店サポートを行ってきたプロの見解は異なります。

 

開業に失敗したお店も数多く見てきた弊社から申し上げると、「自己資金だけの出店はできるだけ避けるべき」です。

 

なぜなら開業した飲食店のほとんどが、オープン直後の3~6ヶ月間は赤字。

黒字になるまで乗り切るための体力(=運転資金)こそ、最重要!

開業時に「借金がない」=「リスクが低い」のではありません。

 

自己資金ギリギリで出店し余剰資金がゼロでは、赤字期間を乗り越えられません。

閉店リスクを下げるには、運転資金の確保が最も効果的です。

 

法人の異業種参入などではなく、はじめての飲食店開業を行う独立開業者に適したお金の準備方法

その中でも特に、最低限知っておくべき5つの資金調達方法をご紹介します。

 

どれが自分にとって最適な手段か、また、実行可能な方法はどれか事前に把握しておきましょう。

5つの開業資金の調達方法

開業時のお祝い花

今から紹介する5つの資金調達方法にはそれぞれ調達可能額など特徴があり、メリット・デメリットも異なるもの。ひとつずつ解説していきます。

①親・兄弟・親類・知人からの資金調達

もっとも一般的な資金調達方法が、親・兄弟・親族など縁故者からの借入です。

金融機関と異なり、金利などの収益を期待して貸すのではないため、返済期日や利息を融通してもらいやすい利点があります。

ただしトラブルになると絶縁や信用問題になる可能性はありますので、注意が必要です。

金額・利息・返済期日は最初に取り決め、契約書(借用書、金銭貸借契約書)にまとめておくとお互いに安心です。

②共同経営による資金調達

ひとつの事業を複数人で行うことを共同経営といい、飲食店経営ではたまに見かけるパターンです。

各々が資金を持ち寄れば、より大きな投資ができるようになります。

一方で、共同経営は意思決定者が複数いるため、柔軟な経営が行いにくいという課題が出やすく、揉め事から事業が破綻してしまう危険性もはらんでいます。

 

▼共同経営のコツについてはこちらで詳しく解説しています。

(参考記事)飲食店の共同経営のトラブル回避には『不平等』が必要だ【フレンチビストロ MARTINIQUE】

③民間金融機関からの資金調達

メガバンクや第一・第二地銀など、それなりの規模の民間金融機関からの借り入れは、事業実績がない初出店ではあまり現実的ではありません。

 

民間銀行では、過去の実績(決算、返済実績、経歴)などをしっかり見て、与信(貸して良いかどうか)判断を行います。

 

新規出店の飲食店の場合、経営実績がなく、「相手にしてもらえない」ことが多いのです。法人や個人事業主で過去の実績があれば、融資を通しやすくなります。

 

ただし、もともと預金口座を長年持っている信用金庫や信組であれば、初めての事業でも相談に乗ってくれるケースがありますので、相談してみるのも良いでしょう。

④公的機関からの資金調達

起業する多くの方が利用するのは、日本政策金融公庫のような公的金融機関。

 

国や地方自治体がお金を貸してくれる融資制度で、一般の金融機関に比べ、①金利が安い、②無担保・無保証でも借りられるというメリットがあります。

公的融資は大きくわけて2つ、「日本政策金融公庫」と「地方自治体の制度融資」があります。

 

なかでも最も使われているのが、日本政策金融公庫の「新創業融資」。

個人で開業する方にとって最も利用しやすい制度で、利用者も多いため次項で詳しく説明します。

 

地方自治体の制度融資は、第三者の保証機関・金融機関と提携して実行されるもの。

各自治体の中小企業者が金融機関から融資を受けやすくするための仕組みになっています。

低利子で融資が受けられ、独立開業者に優しい制度のひとつ。

審査に時間がかかることもあるので、申請から融資実行までのスケジュール感は確認しておきましょう。

⑤リース・割賦(分割払い)による資金調達

この方法は、お金そのものを調達するのではありません。

設備機器の調達に必要な投資金額をリース会社やクレジット会社に立て替えてもらい、「後払い」していく方法です。

初期に一括ではなく、毎月料金を支払う形式のため、初期投資コストを抑えることができます。

 

中途解約ができない」「最終的に融資よりも割高になる」といったデメリットがありますが、借り入れ枠を使わないで済むことはメリットです。

 

リースと割賦(分割払い)の大きな違いは、対象設備の所有権を持てるかどうか。

完済時に割賦は所有権をもつことができますが、リースはリース会社の所有のままです。

開業者がもっとも使う「新創業融資」とは?

創業融資の面接

利息が発生してでも、融資は受けるべき

『借金はイヤだし、利息払うのはもったいない』その気持ちはよくわかります。

 

しかし、誤解を恐れずに言うなら「最初に借りられるだけ借りておく」ことをオススメします。

公的融資は1~3%の低金利。

もし商売が早く軌道にのり、借入金が不要になれば繰り上げ返済もできます。ムダな利息を払い続けることはありません。

 

もっとも注意を払うべきは、支払い金利の発生や借金をしないことなどではありません。お店の立ち上げ途中に資金が尽きてしまうことがもっとも危ないのです。

 

順調に店にお客さんが定着してきていても、損益分岐点を超えそうな売り上げになってきても、支払いができない=閉店の危機です。

 

1番お金を借りやすいタイミングは、間違いなく創業時。

経営実績を見られず、事業計画だけで融資が受けられるのは、新規創業だけ。

 

より確実な経営のための1つの手段として、融資による余剰資金の確保を強くおすすめします。

新創業融資の概要

対象新たに事業を始める方

事業開始後税務申告を2期終えていない方

限度額3000万円
担保・保証人原則不要
自己資金創業資金総額の10分の1以上
利率(年利 %)0.66~2.35

いくら借りれるかは自己資金しだい。上限は9倍、一般的な目安は2倍

日本政策金融公庫では、自己資金の条件として『創業資金総額の10分の1以上』をあげています。

 

つまり創業に900万の資金が必要なケースでは、

自己資金額は90万円(1/10)、融資申請額は810万円(9/10)となります。

 

制度上の上限は、自己資金×9倍です。

しかし実際は、9倍の額で融資申請しても、満額での通過はかなり厳しいのが現実。

過去に何百件と融資のサポートを行ってきましたが、必要調達金額の3分の1は自己資金で確保しておくのが無難です。

 

3分1以上と申し上げるのには根拠があり、平成24年まで公庫が規定していた条件なのです。今は10分1以上に条件を緩和したものの、そこまで借りやすくなった印象はありません。

開業の現場では、引き続き3分1以上が目安となっています。

 

創業に900万円の資金が必要な場合を、現実的なラインで考えてみましょう。

自己資金額300万円(3分の1)、融資申請額600万円(3分の2)ほどと考えるのがベター。

親からのお金は自己資金として認められる?

自己資金として認められるのは、返す必要のないもらったお金(贈与)のみ

返さなければいけない「借りているお金」は、金融機関から自己資金として認められません。

 

そのため、金融機関に対して贈与だと証明する必要があります。

ポイントは2つです。

 

①現金でもらうのではなく、預金口座に振り込んでもらう

1度現金で受け取ってしまうと、送金ルートが不明確になってしまい、贈与された自己資金と認められなくなることがあるので、ご注意ください。

 

②「贈与契約書」を交わす

「返済不要であること」を記載した書類を、金融機関に提出します。

 

この場合は、贈与税に注意。年間110万円以上の贈与には贈与税がかかります。

父と叔父など2名から分けて受け取っても、贈与額の合計が110万円を超えると税金がかかりますので、ご留意ください。

 

▼自己資金として扱われるお金かどうかは、こちらで詳しく解説しています。

飲食店開業の創業融資で「自己資金と認められるもの、ダメなもの」の違い

自己資金と必要額を確認し、資金調達の計画をたてよう

資金調達計画

調達すべき金額は下の式で算出できます。

 

「必要なお金(開業予算)」-「自己資金」=調達すべき金額

 

必要なお金(開業予算)

開業にかかる投資コスト目安は、冒頭で説明した4種類の合計です。

 

①物件取得費
賃料の9~12ヶ月分、居抜きの場合は造作代金 50~300万円

②内装工事・設備
スケルトン:50~80万円/坪、居抜き活用:5~50万円/坪

③開業諸経費
初期仕入:想定売上の30~40%、その他経費:50~200万円

④運転資金
月間固定費の6か月分

※居抜き店舗の場合、上記4つに造作譲渡代金と手数料が加わる

自己資金

手持ちのお金から、どれだけ開業資金にまわせるか考えましょう。

開業資金とは別に、生活費は確保しておいてください。

 

開業後にお店が軌道にのるまでの間は「収入が途絶える」かもしれません。

最低でも半年分、できれば1年分の生活費は確保しておくべきでしょう。

 

では手持ちの自己資金がいくらあるのか、項目別に考えていきましょう。

【店舗開業者がよく使う自己資金の例】

①貯金

②退職金

③保険の積立金

④株券

➄有価証券

⑥不動産

⑦車

 

日本政策金融公庫の審査では、まだ確定していない不確実なものは自己資金として認められません

例えば、車・家を売却することで得られるお金も自己資金として認められます。しかし、成約前の「売りに出している」状態では認められません。

 

計画を立てる段階では、車・家を売却するか決めるだけで構いませんが、実際に融資申請に行く段階では、売却の算段をつけておく必要があります。

開業予算と手持ちのお金がわかれば、調達すべき金額もわかります。

 

「必要なお金(開業予算)」-「自己資金」=調達すべき金額

必要資金の内訳を考えながら資金調達計画表にまとめる

どのような手段でいくらずつ調達するか記入し、資金の目途をつけましょう。

 

理想の物件を見つけたとしても、開業資金の目途がついていなければ物件の確保もできません。

理想のお宝物件を探し当てたとしても、泣く泣く見送るハメに。

 

物件探しと平行して、資金計画を立てておきましょう!

資金調達計画表の無料ツールを読者様向けに用意しましたので、よろしければご活用ください。

 

無料ダウンロード「資金調達計画表」

資金調達計画表

開業資金の準備は、早すぎることはない

すぐに開業できるかどうかは、「資金の目途がついているか」に左右されます。

「出店したい」お宝物件がいつ出てきても良いよう、早めに準備を進めておきましょう。

 

資金面では個々の事情や状況も異なるため、個別サポートも行っております。

今まで90%ほどの確率で融資通過をサポートしてきた専門家が、お金に関しての疑問・質問にお答えし、すぐに役立つ情報や実行可能な策を、個別にアドバイスいたします。秘密が他に漏れることは一切ありません。

個別相談のため対応人数には限りがございます。開業資金について不安な方は早めにお問い合わせください。

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※アドバイス内容に限界はありますが、まずは電話口の匿名でもご相談可能です。

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創業融資に役立つ参考記事

年間300件超、累計6500件以上の飲食店開業をサポートしてきた株式会社M&Aオークションの専門家集団。個人店から大手チェーンまでさまざまな業態・立地の飲食店の開業コンサルティングを行ってきたノウハウをブログで発信します。

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