飲食店開業の失敗学

はじめての店舗開業で、想定外のトラブル・失敗を減らすために、”もっとも有効なこと”はなんでしょうか?

居酒屋・焼き鳥・イタリアン・カフェ・ラーメン、どんな飲食業態にも、確実に”失敗を減らす有効策”があります。

それは、「先人の失敗に学ぶ」こと。

わたしどもが毎月200件を超える開業相談の中で、実際にお聞きするリアルな失敗談の数々。

その失敗のほぼ全ては、「事前に対処法を知ってさえいれば、間違いなく回避できた」ということばかり。

 

この記事では、飲食店開業の成否にもっとも影響を与える3つの重要ポイント『事業計画』『物件探し』『資金調達(融資・借り入れ)』を、開業のステップごとに解説。

 

飲食業界で働いた経験を元に独立、未経験の脱サラで独立、異業種参入する法人企業。

どの立場の方にも有効な、飲食店開業で失敗しないためのノウハウ集です。

 

先人の失敗を知り、リスク回避することは経営者としては当たり前。これから開業する方は、この「失敗学」をぜひお役立てください。

事業計画作成の失敗

事業計画書のための電卓

開業の最初のステップは事業計画づくり。

計画といっても、最初から事業計画書を書き出すわけではありません。

まずはお店の軸となるコンセプトをつくります。

コンセプトとは創業者がお店に込める目的・想いです。

 

想いをビジネスとして実現できるかどうかは、事業計画書づくりにかかっています。

開業の最初に行うことではありますが、商売の成否に最後まで影響します。何度も見直し、改良を重ねて計画立てていくべきです。

失敗談:想いだけが先行し、商売として成り立っていない

長居してしまいがちなカフェ

OL→カフェ従業員→カフェ独立をご検討中の30代後半のFさん。

女性サラリーマン

OLさんの憩いの場として、気軽に利用でき、ゆっくりとくつろいでもらえるお店にしたい。

アルコールは出さず、純粋なカフェとして、静かで落ち着いた空間で美味しいコーヒーを飲みながら読書などを楽しんでほしい

■計画の詳細
・立地 : 錦糸町 駅から5分以内、路面
・広さ : 10~15坪 15~20席ぐらい
・商品 : 自家製ケーキ、キッシュ、コーヒー&ティー

ここまでは良いとして、実際に客数・客単価を元に一緒に事業計画を簡単に作ってみるとどうなったか。

このFさんが想定する来店客数に達したとしても、計画として数値に落とし込んで考えると、思いっきり赤字になることが分かりました。

Fさんの考えをもとに作成した収支モデルをみてみましょう。

■売上
営業日数 25日(日曜定休)、営業時間 10:00~17:00
オーナー+アルバイト1名体制
客単価 600円、席数 18席
25日 x 18席 x 2回転 x 600円 = 540,000円/月

■コスト
食材原価・・・135,000円 (30%)
人件費・・・157,500円 (時給900円 x 7時間 x 25日)
家賃・・・200,000円 (10坪、坪2万円)
水光熱費・・・80,000円
その他経費・・・50,000円(衛生費、火災保険、通信費、備品等)
月間費用総額 =  622,500円

売上54万−費用62万2500円で、82,500円の赤字。Fさんがイメージする数字を達成してもそもそも商売として成り立っていません。

ラーメン職人

仮にも商売をしようとする人が、こんなカンタンな計算もできないわけがないだろう

そう思われる方もいるかもしれませんが、決して珍しいケースではありません。

自分が思い描く理想の運営イメージや、得意料理への強い思い入れなどが、正しい算段を曇らせることがあるのです。

店舗コンセプトは、経営者視点で見直す

細かく見直す

コンセプトは「こんなお店にしたい」という店舗オーナーの考えをまとめたもの。

お店のコンセプトがお客様にとって魅力的なのは当然のことです。

問題は、商売として成り立つかどうか。

 

もう1度Fさんのコンセプトを見てみましょう。

女性サラリーマン

OLさんの憩いの場として、気軽に利用でき、ゆっくりとくつろいでもらえるお店にしたい。

アルコールは出さず、純粋なカフェとして、静かで落ち着いた空間で美味しいコーヒーを飲みながら読書などを楽しんでほしい

 

確かにリラックスできそうな、良いお店ですよね。

しかし、経営者の視点でみるとリスクになりかねないキーワードが見つかります。

 

気軽に利用、アルコールを出さない

客単価・利益率を上げにくい


ゆっくりとくつろぐ、読書を楽しむ

滞在時間が長い、席回転率が悪い

 

身も蓋もないですが、上記の経営リスクが想定されます。

 

経営者の視点でコンセプトを見直すと新たな発見があります。

上のコンセプトが「悪い」のではありません、考えたビジネスモデルに起こりうる危険性を認識しておくことが重要です。

 

いかに顧客にとって魅力的な店でも利益が出なければ、継続していけません。

顧客から魅力的、かつ採算もとれるお店のバランスを目指し、コンセプトを作りこんでいきましょう。

計画づくりで失敗しないポイント

事業計画をつくる男性

オープン半年経たずに、閉店の相談に来られる方にはある共通点があります。

もうお分かりですよね。

採算が立つ事業計画ができていないこと。想いだけが先行してしまい、商売として成り立っていないのです。

 

事業計画書として、具体的な数字に落とし込んでいきましょう。

一発で完成するものではなく、計画自体は何度も練り直す前提でトライを。

店舗への想いは込めつつも、楽観的ではなく否定的・悲観的な第三者として、自分の事業計画を何度でも俯瞰してみてください。

常に自分の計画に、意地悪なツッコミを入れてみてください。

 

「近くにライバル店が出てきたら?」

「メイン食材の仕入れ値が上がったら?」

「想定している客層と現地の客層にズレがあったら?」

「出店したいエリアで全く物件が見つからなかったら?」

「内装の見積もりが予算に収まりそうになかったら?」

 

計画を練り直し、見直せば見直すほど、自分の商売に確信が持てるようになります。

売上予測には根拠をもつ

売上予測は、つい楽観視する方が多く、机上の空論になりやすい箇所。

客数・客単価などの数字面はもちろん、その数字を「どう」実現できるかどうかに思考を巡らせましょう。

売上が立つ根拠や、売上を達成するための策をどれだけ考えられるかが肝です。

売上の根拠がある=数字を論理的に説明できる

売上予測を300万円とした場合、なぜ300万円売り上げることができるか。
その時の客数は?客単価は?回転率は?根拠となる物件周辺のマーケット状況は?
それぞれの数字を論理的に説明できなければなりません。

初老の男性客

店長をしていたA店では300万円売り上げていました。今回開業する△△駅の商業規模を考えると確実にクリアできます。商圏比較はこちらのデータです。

売上を達成するための施策は多く準備

売上を確保するための施策はいくつ持っていても困ることはなく、多ければ多いほど良いのです。

開業後なにか想定外のことが起きても、お店を軌道にのせる施策としてそのまま使えます。

 

食べログには登録しておこう、店舗近隣にチラシをポスティングしよう、など目標売上を達成するために必ず実施するベーシックな策に加え、それ以外の補助策も考えておくべきです。

もし〇〇だったらと、パターン別で考えます。

 

もし、客単価が想定より低く、売上が伸びなかったら

もし、チラシの反響が想定より出ず客数が不足したら

もし、ランチは満席なのに、ディナーはがらがらだったら

 

事前に策を準備し、それぞれの策を投下するコスト感や想定効果を持っておくと、改善スピードが違います。

ひとは余裕が無くなってからは良い策が浮かびにくいものです。

開業前に思いついた施策やアイデアはメモしておく習慣をつけましょう。

物件探しの失敗

内見で来た駅の様子

はじめて店舗を出店する方が、納得できる物件をみつけられるまでにかかる平均期間はどれくらいでしょうか?

平均で半年。

それどころか、物件探しの正しいやり方を知らなかったために、「半年経っても見つからない」「開業をあきらめた」という方もいるのです。物件探しの失敗パターンをみていきましょう。まさか当てはまってないですよね!?

出店(検討)エリアを絞り込み過ぎている

物件の検討範囲が一駅のみなど、探索場所を限定し過ぎると対象の物件が出てきません。

不動産屋にも、まわりの店舗経営者にも、

「その場所でその条件の物件は難しいんじゃない?」と言われても、

なぜか長期間物件が見つからない方は「自分だけはこの条件でいつか見つかる」と思い込んでいる節があります。

しかし残念ながら物件の数は限りがあり、ご自身が欲しい物件は他の大多数の開業希望者も欲しがる競争の激しい物件のはず。

出店希望エリアを狭めれば狭めるほど、物件探しが長期化する危険性があります。

 

検討エリアを広げつつ物件を探すことが、間違いなく王道です。

店舗のターゲットにしたいお客様がいるエリアがどこか考え、リストアップ。複数エリアで探しましょう

もし自分のイメージだけでは検討エリアが広がらないなら、不動産会社に相談するのもひとつ。

ご自身の先入観やイメージだけで絞ってしまうと、思わぬ良い物件を見逃すことにも繋がります。

課長っぽいサラリーマン

サラリーマンがメインターゲットなので新橋で物件を探しています。新橋以外でオフィスが多い場所ってどんなところがありますか?

教えてもらったエリアを実際に見に行き、良さそうであれば候補エリアに加えましょう。

迷っている内にライバルに先に契約されてしまう

良い物件であればあるほど、スピード勝負。

あなたがやりたい物件は、同じく「やりたい!」と思っている方が複数いて、奪い合いになるのが常です。ゆっくり迷っている猶予はありません。

 

検討に時間をかけすぎて機会を逸すのは、明確な判断基準がないから。

物件が出てきてスグに判断ができるよう、出店基準をあらかじめ作っておきましょう。

女性サラリーマン

このエリアで坪1万5千円なら即決

初老の男性客

内装費が300万円で収まるならやりたい

 

まずはある程度の数、物件を見ること。

ウェブサイトや物件資料上でできるだけ多くの物件を見比べるのはもちろん、現地での内覧・内見も5件以上経験し、「物件を見比べる目」をあらかじめ養っておきましょう。

物件の良し悪しは比較検討することで初めて判断できるもの。検討しているエリアの相場観が培われ、お得な条件も見つけやすくなります。

 

効率よく相場観だけを培うなら、多くの物件が一度に見られるインターネットがやはり便利。

出店候補地がある程度決まっているようであれば、物件サイトを1度見てみましょう。

賃料や保証金の相場観がつかめます。

(参考リンク)9万人が利用する居抜き物件サイト「店舗そのままオークション」

 

物件探しについてさらに詳しく知りたい方は、別記事をご参照ください。

(参考記事)「良い店舗物件に出会えない」2つの原因と対策を、年間100店舗支援の辛口コンサルタントが解説

成功例:検討できる物件数を劇的に増やしたワインバー

ワインバー

特殊な方法で、物件探しに成功したワインバーがあります。

「物件が出てこないなら、自分が検討できる物件の幅を広げてしまえばいい」

じつは厨房設備を軽くし、オフィス仕様の物件にも出店可能な業態をつくりあげたのです。

 

そもそも飲食店が開業できる物件は限られています。

一見、路面店で良さそうでも、物販店や事務所だけを入居の対象とする賃貸物件も多いのです。

また、厨房設備を軽くするビジネスモデルにすることで、居抜き物件ではなくスケルトン物件でも出店が検討できるように。

 

飲食不可の物件を検討できるライバルはおらず、初期投資がかかるスケルトン物件を検討する候補者も少ないため、物件の選択肢を何倍にも増やすことができました。

 

その結果、「駅前で坪家賃1万円・総額100万円以下の破格の条件で」出店物件の取得に成功

オフィス性・居住性のバランスの取れたエリアに出店を果たし、安定した収益を生み出しています。(参考元:大森 ワインカフェ本店)

物件契約の失敗

居抜きの居酒屋

候補の居抜き物件を見つけても油断してはいけません、契約にこそ失敗の大きな落とし穴があります。

神田周辺で居酒屋開業を検討されていたHさん。

人気エリアのためやはり物件探しには苦労しましたが、ようやく神田駅近くで地下1階の居酒屋居抜きを見つけ申し込み。

地下への導入部分の目立つ場所は隣のテナント看板が占拠し、自店の看板が出せるか不安を覚えたものの、ここまで物件探しに苦労していたHさん。

「物件契約後の話し合いでなんとかなるだろう」と楽観的に考え、契約を締結。

 

物件契約後、不動産屋を通して隣のテナントに交渉を持ちかけても、いっさい交渉に応じてもらえず…。

立て看板が出せないことで通りすがり客が取り込めず、集客に苦戦することになったのです。

慌ててウェブ広告やフリーペーパーなどに取り組んだものの、広告費が経営を圧迫半年で閉店を余儀なくされました

知識不足は怖い。交渉ごとや確認は申込時が鉄則

物件契約までには3段階のステップがあります。

内覧⇒申し込み⇒契約です。

条件交渉や確認事項は、申し込み時におこなうのが鉄則

物件契約後では、すでに手遅れです。

 

交渉したいことがある場合、条件付きで申し込みを入れます。

課長っぽいサラリーマン

ここにA看板が設置できるなら契約したい

女性サラリーマン

賃料が21万円ではなく20万円まで下がるなら出店します

もちろん入居テナントの希望条件で入居できるかは、家主審査しだい。複数の入居検討者がいる場合、家主は条件や与信を見比べて入居者を選びます。

 

また、人気物件は募集を上回る条件で申し込みが入ることもあり、一切交渉が通らないどころか交渉を持ちかけた時点で管理会社や家主から入居申し込みを蹴られることもあるのでご注意ください。

メガネをかけたサラリーマン

賃料を30万円ではなく、35万円払う

穏やかそうなサラリーマン客

保証金を2カ月ではなく4カ月入れる

資金調達の失敗

開業資金

日本政策金融公庫の新創業融資を利用する方、融資の審査を甘くみていると後悔します。

 

「国がやっている機関なのに意外」と思われるかもしれませんが、融資が1円もおりないことも珍しくありません。

失敗談:融資を得られず、独立開業が保留に

融資面接

宅配ピザ店で長年店長をされていたNさん。

社長からのススメで、独立開業を促され、社長が推薦するFCに加盟して独立する方向に。社長がFC本部の選定・交渉・物件探しまで動いてくれた為、自分自身はほとんど何もせずに準備が整っていく中で、融資申請へ。

面接で融資担当に業態について色々と質問されても、明確に答えることができず。。。融資は1円もおりず、独立は保留に。

融資準備を万全にするための3つのポイント

融資申請は、1発勝負が原則。

なぜなら、1度落ちてしまった次の申請は「以前に、無茶な計画(融資申請)を出してきた人」というマイナスのスタートになり、審査がさらに厳しくなってしまうから。

十分な準備をもって、融資申請に臨むようにしましょう。

 

融資申請の準備は、自己資金・事業計画・面接対策の3本柱で考えます。

 

・自己資金は創業予算に対し、1/3の金額を目標に

日本政策金融公庫の自己資金要件は、創業予算に対し、1/10。

100万円の自己資金に対し、マックスで1000万円の融資が降りる可能性があるということです。

自己資金が1/10に満たなければ、どんな素晴らしい経歴・事業計画があっても、融資が通ることはありません。

 

この自己資金1/10条件は、数年前に緩和されたもので、以前は創業予算(融資の申請額)に対し1/3が条件でした。

とはいえこの変更以後も「カンタンに希望額通りに借りられる」ようにはなってはいません。むしろ自己資金の10倍のお金が借りられるケースは非常にレア。

融資金額の1/3の金額を目安に準備することを強くおすすめします。

 

注意すべきは、開業資金として用意したお金が、その貯め方やお金の出どころによっては自己資金としてみなされないことも。

自己資金の詳細については別記事にまとめています。開業時に融資申請をお考えの方はあわせてご確認ください。

(参考リンク)飲食店開業の創業融資で「自己資金と認められるもの、ダメなもの」の違い

 

・事業計画書は「お金を貸す側の立場」で考える

先ほど「計画づくり」の章でお伝えした通り、事業計画書は根拠をもって説明できるものをつくりましょう。

融資審査で金融機関が見極めているのは、「貸したお金がきちんと返済されるか」。

売上根拠がしっかりしていればしているほど、ビジネスの確実性が高いと見られ、融資が受けられる可能性があがります。

 

・面接では書面に現れにくい「自信・真剣さ・思考の深さ」を見られる

あいまいな回答が自信がない態度は、信用を落とします。面接で見られているのは、経営者としての資質や人柄です。

課長っぽいサラリーマン

この人に貸して、きちんと返済されるだろうか

融資担当者の不安を払拭できるよう、堂々と受け答えをしましょう。数値を交え具体的に答えると高評価です。

自慢の料理を持ったシェフ

食材の仕入れは、以前から付き合いのある業者さんで、通常価格の20%OFFで卸していただけることで合意しています。刺身盛り合わせをこの写真のボリュームで880円と安価に提供しながら、原価率を30%におさめられています。

板前男性

出店予定は品川で、今まで店長を勤めていた店舗の近くです。ランチとディナーで店前の通行量を1週間ほど比較した結果がこちらです。出店予定物件の方が2割勝っています。

勤めていた店舗の売上実績から考え、確実にクリアできる売上になっています。

融資面接のポイントについて詳しく知りたい方は参考記事をご参照ください。

(参考記事)VR×飲食店!前例がない斬新な業態【FIRST AIRLINES】はどう開業融資を成功させたのか?

失敗談:自己資金が「見せ金」であることが発覚し、即NG

見せ金とは、自己資金を多く見せるために準備されたお金のこと。自分のものではないお金を一時的に銀行口座に入れておき、融資審査が終わったらすぐに引き出し、本来の持ち主に戻すなどがよくあるケース。

 

日本政策金融公庫の審査では、借りたお金は自己資金として認められません。

もらった(贈与された)お金は、自己資金として認められるため、親族からの借り入れを「もらった」と偽る申請者もいるようです。

こういった行為は絶対にバレると考えてください。金融機関は毎日審査をしているプロです。審査過程で行われる調査(親族へ直接確認など)で見抜かれます。

 

見せ金がバレると、その時点で融資申請が通る可能性は0になります。事実を欺こうとする申請者を、金融機関が信用できるはずもありません。申請のやり直しもきかないため、見せ金は絶対にやってはいけません。

失敗談:物件契約・内装発注・人材採用後に、融資がNG!大トラブルに

融資審査の結果を待たずに、お金を動かしてしまったケースです。

物件契約が済んだ後、「融資がおりなかったため、開業できない」となると、支払いだけが残る、泣きっ面に蜂の状況が待っていますのでご注意ください。

物件は契約した時点で後戻りできません

契約翌日に解約希望をだしても、通常通りの解約手続きになります。契約時に支払った礼金や仲介手数料が戻ってくることはありません。保証金も契約通り償却されます。

多くの物件で解約予告期間が定められているため、すぐに退去できません。規定分の空賃料も発生します。

困っている女性

この損失で今まで貯めてきた資金がパー。開業できない…

「融資は通るだろう」と安易に考え、先にお金を使い出すことはやめましょう。

なぜなら、満額融資を受け取れるのは、申請者の3割だけ。減額やゼロ回答(1円もおりない)の可能性は大いにあります。

 

とはいえ、融資結果を待っていては、他の検討者に物件をとられてしまうかもしれません。

申し込み意思などのアクションを起こし、家主にアピールしておきたいところ。

そんなときは「停止条件付き」で申し込みを入れることもできます。

「物件には申し込むものの、融資がおりなかった場合とりやめる」という旨を伝えておきます。こうしておくことでリスクなく、申し込みができます。

失敗しない飲食店開業まとめ

長くなりましたので、最後に簡単にまとめます。

 

  • 事業計画は作りこみが大事。売上根拠も説明できるものを
  • 物件探しはビジネス思考で候補エリアを広くもつ。条件交渉や確認事項は申込時に。
  • 融資は1発勝負。万全の準備でのぞむ

 

この失敗談・成功談から、少しでも開業時のトラブルを回避いただければ幸いです。

もちろん開業までのすべてのリスク・失敗を解説したわけではありません。

事業計画づくり・資金調達・物件探しは、開業のいわば前半戦。

この後に控える、内装工事や人材採用やオープン準備もトラブルが起きやすい箇所です。

「後半にも興味がある」という方はぜひ弊社セミナーにお越しください。計画づくり~オープン準備まですべてを解説します。また、プロが現場で使う、飲食店開業無料ツールも用意していますので、こちらもご活用ください。

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