銀行に創業融資を断られる飲食店開業者

事業計画や自己資金、金融機関との面接内容が完璧。なのに、融資に落ちてしまう

よくある日常の些細なことが、融資審査に大きく影響してしまうことはご存じでしょうか?

 

例えば、あなたがいつも使っている「スマートフォンの支払い遅延」

 

割賦で購入しているスマホの支払いが遅れるだけで、信用情報に履歴が残ります。

これは、金融機関による融資審査において大きなマイナス。

飲食店開業での創業融資はもちろん、住宅ローンや車のローン購入にもあらゆる融資に影響を及ぼします。

 

数千円の支払いが遅れただけで、何百万や下手すれば1000万を超える融資が通らなくなる・・・

そんな事態になれば、独立や開業の計画を大幅に見直さざるを得ません。

 

最悪のケースでは、店舗開業において致命的な影響を与えます。

人材確保や物件契約の後など手元資金を使い始めたあとに過去の未払いが判明し、審査がストップ。

お店を開業すらできずに手元のお金だけ浪費されてしまった、なんてことも。

 

創業融資の準備は、自己資金や事業計画の準備を行うだけでは不十分。

NGになるマイナス点をつくらない・解消する、というのも大事な準備のひとつ。

また、スマホの支払い遅延だけではありません。

他にも信用情報に大きくマイナスの影響を与えることはいくつもあります。

 

そこで今回は、絶対に知っておくべき融資実行確率ダウンの防止策!

日本政策金融公庫の創業融資で事前に注意しておきたいことをご紹介します。

ローン・クレジットの利用は履歴が残る

信用情報の履歴

ローンやクレジットカードを利用すると、個人の信用情報が記録されます。

記録内容は、契約内容や返済・支払状況・利用残高など。単に借りた・返したというだけでなく、返済がきちんと期日までに行われているか、支払いが遅れていないかがわかるようになっています。

返済の遅れや自己破産などのネガティブな情報が残ってしまうことを、信用情報に傷がつくといいます。

 

ラーメン職人

公庫(政策金融公庫)で断られても信金とか他の銀行にいけばいいか。

実は、融資を申請する金融機関を変えればいいという話では済みません。

どの金融機関も信用情報をチェックしている

政策金融公庫も信用組合も信用金庫も地方銀行も都市銀行も、すべての金融機関が融資審査で信用情報を必ずチェックします。

借りたお金をきちんと返せる人かどうか」過去の支払履歴などの信用情報を参考にするのです。

 

信用情報に傷がついたら「100%融資がおりない」わけではありませんが、わざわざ審査のマイナスになることは絶対に避けましょう。

融資審査の通過率を、著しく下げてしまうもの

チェックリスト

創業融資の申請は、一度きりの一発勝負。

せっかく良い居抜き物件を見つけようが、優秀な人を確保していようが、素晴らしいコンセプトや商品があっても開業資金が用意できなければ意味がありません。

NGになる可能性は1つでも少なくしておくべきです。

 

では、どのような「些細なこと」が融資実行確率を下げてしまうのか。

開業の現場で起こりうる、避けておくべき失敗をひとつひとつ解説していきますので、ご確認ください。

携帯電話代金の滞納

スマートフォン本体を分割で買った方、要注意です。

分割支払(割賦契約)は、ローンの一種。支払いの遅延は信用情報に登録されます。

毎月の少額の支払いが滞ったという事実があると、融資を行う金融機関の心象は良くありません。

住宅ローンの滞納

住宅ローンが残っていること自体は問題ありません。

詳しくはこちらの記事(住宅ローンが残ってても開業の融資って受けられる?)をご参照ください。

 

問題は、滞納。

携帯の分割払い同様、信用情報に残るため注意が必要です。

クレジットカードの滞納

毎月の支払をきちんと行っていないと信用情報に傷がつきます

 

以下のようなことで、ご自身でも気づいていない負債があることがあるのでご注意を。

よくあることなので、心当たりある人はいるのではないでしょうか。

 

・引き落としのタイミングでたまたま銀行口座の額が足りなかった

・引っ越しなどで請求書が届かず、支払いが把握できていなかった

 

使っているカードごとにきちんと支払いが行えているか確認しましょう。

国民健康保険料の滞納

国民健康保険の滞納は、督促状から差し押さえという最悪の事態にまで発展します。

日本政策金融公庫の面接では、預金通帳を見せます。

「サシオサエ」の文字があると金融機関の心象は著しく悪くなります。

 

開業を考えている方は、国民健康保険の支払いは絶対に遅れないようにしてください。差し押さえの前に必ず手を打ちましょう。

特殊なケースではありますが、災害・失業・廃業などの資産に重大な損失が出て保険料の支払いが難しくなった場合は、一部免除や軽減制度もあります。その場合は、住まいの市区町村の役所にご相談ください。

住民税の滞納

税金の滞納も、督促状から差し押さえに発展します。

 

日本政策金融公庫の面接では、預金通帳を見せます。

そこに「サシオサエ」の文字があると金融機関の心象が悪くなります。

もし住民税の支払いが遅れているならば、すぐに自治体に行き、滞納分を一括支払いしておきましょう。

それすら難しいようであれば、1年以内に分割で支払う意思・計画は明確に伝えてください。ただし、即時一括支払いしか認めない自治体もあります。

公共料金の滞納

日本政策金融公庫の審査では、直近3ヶ月分の公共料金の明細が必要です。

支払方法はカードでも口座振替でも何でも大丈夫ですが、支払履歴を明示できるよう明細はとっておきましょう。

 

公共料金は支払い期日が決まっているものなので、遅れるとすぐにわかってしまいます。

「期日にきちんと支払いができる」経営者であることを示せるよう、毎月注意しましょう。

支払い遅延があるなら、一刻も早く対策を打つべき

早めの解決をはかる出店者-min

店舗開業で融資申請するつもりなら、一刻も早く支払い遅延を解消することを強くおすすめします。

万が一、支払い遅延が発生して信用情報に傷がついていたとしても、未払いを解消して時間が経てば経つほど、融資審査に与えるマイナスの影響は小さくなります。

心当たりのある方は、信用情報を確認してみる

日本政策金融公庫は「信用情報機関 CIC(Credit Information Center)」の情報を確認しています。

このCICで管理されている自分の信用情報は、インターネットで開示できます。(※1000円の手数料)

何か不安がある方はこちらでチェックしてから融資審査に臨みましょう。

詳細な手順などはCICのホームページでご確認ください。(CICホームページ:信用情報の確認

 

滞納が見つかったら早めにお支払いを。

信用情報の更新は月に1度のため、融資申請より1カ月前には支払いを済ませましょう

「現在進行形で滞納している」のと「滞納はしたものの支払いは済んでいる」では金融機関の査定に大きな差が出ます

国民健康保険料・住民税の滞納は役所へ

差し押さえになる前にお住まいの役所へ相談へ行きましょう。

延滞金も発生します。この利息で開業資金が減ってしまうのはもったいない話。早めに支払うことをおすすめします。

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