デスペラード店内

客単価1万円を超えるようなハイクラス層向けの飲食店の内装やデザインで気をつけるべきポイントはなんでしょうか?

 

バーで分類するなら、お酒を静かに楽しむ落ち着いた大人をターゲットとしたオーセンティックバーが客単価高めの業態、ショットバーなどはカジュアルで低客単価の業態です。

 

ハイクラスなお店とカジュアルなお店を分ける要素を考えてみると…

 

  • 出店場所(エリア)?
  • 店舗の内装やデザイン?
  • お酒やメニューの品ぞろえ?
  • 接客などのサービス面?

 

どれも重要ですが、出店した後に変更しづらいものが2つ。

 

「出店場所」「店舗の内装デザイン」です。

 

場所を変えるための店舗移転では、原状回復工事費+新たな店舗の出店コスト。

店舗のデザイン変更には、改装工事コスト。

 

どちらも金銭的な負担は小さくないからこそ出店後に、

 

頭を抱えて悩む男性

店の内装、もっとこうしておけば良かった…

 

そんな後悔やムダを避けていただくため、年間40店舗の設計/施工を手がけるプロが、「ハイクラス層向け飲食店の店舗デザイン」について、また、ハイクラス・カジュアル両方の客層を取り込んだバーの実例も解説。

 

バー開業に限らず、”ハイクラス・カジュアル店の内装の違い”はこれから出店を考える方は知っておくべき知識です。

執筆者 株式会社店舗内装 古浦 健一郎

特にバーは空間を楽しむ飲食業態であり、内装の雰囲気が経営に大きな影響を与えます。

 

たとえば照明ひとつで、満足度も滞在時間も売上も変わってしまうもの。

 

1杯だけですぐ帰ってしまうか、3時間ゆっくり滞在して3杯4杯と楽しんでもらえるか。

居酒屋とくらべて来店客数に限りがあるバー業態では、注文点数がトータルの売上に直結します。

 

困っている男性

でも内装会社に、どうやって伝えればいいのか、具体的にイメージしにくいんだけど…

 

自分の頭の中の店舗イメージや要望を正しく伝えるのにも、テクニックやセオリーがあります。

 

そこで銀座でバー「Desperado(デスペラード)」を開業した大内様にご協力いただき、通常はあまり明かされることのない店舗のデザインを決めていった、実際のやりとりや流れも公開。

 

「ハイクラス層にウケる店づくり」「高級感を守るために注意した点」「雰囲気のある空間づくりのポイント」など具体例はもちろんのこと、

 

・どのようなイメージ/要望から店舗がつくられたのか。

・どんなロジックを元に、店舗デザインは成り立っているのか。

 

店舗の内装デザインについて、内装会社と打ち合わせの事前シミュレーションとして普遍的にお使いいただける内容です。

高客単価・ハイクラス層に向けた店づくり

店づくり

目指すべき方向性は、ハイクラスの方々のお眼鏡に叶う、居心地が良い空間。

 

それをベースに、各店のコンセプトに合ったお店づくりをしていきますが、注意すべきは「利用シーンや用途にあった空間になっているかどうか」。

 

あなたのお店はどのようなコンセプトですか?

 

・仕事が帰りにさっと1杯が楽しめる

・ウィスキーを楽しみながら、1人でリラックスできる

・落ち着いて仲間と語らえる

バーの来店客を具体的にイメージ

店舗を利用してくださるお客様を、顔や個人名が思い浮かぶくらい具体的に想像してください。

 

どういった気分・どのようなシチュエーションで利用するでしょう?

そこにマッチしたお店を作る必要があります。

 

気を配るのは、内装だけではありません。

同じ内装であってもBGMひとつでも雰囲気は変わるもの。

 

照明・カウンター・バックバー・装飾など個々のパーツにこだわるのはもちろん、全体の調和がとれて、お店が想定する体験価値を提供できうるか、バランスも見据えて検討します。

 

では、ハイクラス層に向けた店づくりの具体的なポイントを3つお伝えします。

本物の自然素材を使う

自然素材のカウンター

天然素材(タモ)のカウンター

ハイクラス層向けのお店では、自然素材の使用がおすすめ。

 

人工的に開発された新建材もありますが、天然素材と比べると、どうしても質感や見栄えで劣ります。

 

自然の木や石や塗り壁は、ひとつとして同じものはありません。

だからこそ、自然素材を使うと表情豊かな店舗になるのです。

 

また、木や石や鉃など本物の自然素材を使うことにより異なった風合いが出ます。

 

木であれば年輪などの木目、石であればスライスした部分の断面はそれぞれ違います。

塗り壁は塗り手ごとに異なり、どんなに似せてもまったく同じ模様にはなりません。

 

一方、新建材はプリントされているものがほとんどで、まったく同じものが大量生産されています。

 

それっぽく見える新建材も多くありますが、偽物は偽物。

目が肥えているハイクラス層をターゲットにする店なら、自然素材を極力使うことをおすすめします。

人工的な建材を使うべき場面とは

人工素材 塩ビタイルの床

塩ビタイル

新建材は実用性ではメリットがあります。

 

たとえば、床。

塩化ビニルは水や摩擦に耐性があります。

床の新建材

塩ビタイル(塩化ビニルでできたタイル状の素材)は汚れにくいだけでなく、交換がしやすい素材。

汚れ・傷ができた部分など、必要な箇所のみ交換できます。

 

天然素材はメンテナンス・修繕費用がかさむため、小まめな清掃が必要となる飲食店では塩化ビニルを用いるのがベター。

 

特に床は、使い続けると塗装が剥がれたり、ささくれが起きてきます。

天然素材の床

修繕費は使用した素材によって差が出てきます。

一部分の汚れであっても、一枚モノのカウンター(継ぎ足していない、木から一枚で作ったカウンター)であれば、まるっと交換しなければなりません。

 

メラミン化粧版は、傷・汚れに強く、単色・木目・大理石などさまざまなパターンがあります。

メラミンのカウンター

濡れた布巾や中性洗剤で拭いてもシミにならず、簡単な手入れで清潔さを保てるため、テーブルやカウンターの天板に使用されます。

 

プラスチックのような質感のため、お店のコンセプト・ターゲットにそぐわない場合は注意が必要です。

バーでは、カウンターとバックバーにこだわる

カウンターとバックバー

バックバーとはカウンターの後ろの酒棚のこと。

ボトルが整然と並ぶ姿こそ、バーの象徴ですよね。

 

カウンターとバックバーはお店の顔のため、特にこだわるべき箇所。

 

上述の通り、お店の雰囲気づくりのため、自然素材を使うことをおすすめしています。

しかし、予算によってはすべてを自然素材で仕上げることが難しいこともあるでしょう。

 

その場合は、優先順位をつけて、ピンポイントで自然素材を使用。

もうどの箇所かお分かりになりましたよね?

 

カウンター・バックバーを最優先して予算を割り振りしましょう。

空間に与える影響が大きく、効果的だからです。

座り心地・居心地はカウンターとイスで調整

店舗のカウンター

イスの座り心地が悪いと滞在時間が短くなり、満足度・リピート率に影響します。

また、イスと連動して重要なのはカウンターの高さ。

 

「カウンター席の造りが、売上や満足度に影響するのはなぜ?」でも解説しましたが、カウンターは主に3段階の高さがあります。

 

①ハイカウンター

ハイカウンター

立ち飲みカウンターと同じ高さ。

(カウンターの高さ1050mm程度、椅子の高さ750mm程度)

 

②ミドルカウンター

ミドルカウンター

キッチンの流しと同じぐらいの高さ

(カウンターの高さ950mm程度、椅子の高さ650mm程度)

 

③ローカウンター

ローカウンター

家庭のダイニングテーブルと同じ高さ。

(カウンターの高さ730mm程度、椅子の高さは420mm程度)

 

イスの高さによって、お客様の座り心地も変わります。

 

ハイカウンター例

ハイカウンターのイスは、座っても床に足がつきません。

長時間座り続けるには不向き。

 

ローカウンター

一方、ローカウンターのイスは足が床につき、長時間ゆったり座れますが、スタッフとの位置関係に注意が必要。

 

立って調理しているスタッフがお客様を見下ろす状態になりやすく、不快感や圧迫感を与えてしまうケースも。

 

高級店では、お客様に不快感を与えないよう床の高さまで微調整しているのです。

 

ローカウンターを採用しつつも、バーテンダーが立つ床を客席部分よりも低く設定。

ゆったり座っていただきながら、スタッフが見下ろし目線にならないよう配慮しています。

 

イスは高さの他に、3つのポイントで座り心地が決まります。

①座面の大きさ(奥行き・幅)

目安は、幅:アーム含め幅600mm程度 奥行:背もたれ含め奥行600mm程度

 

②カウンターとイスの高さが合っているか

目安は、カウンターの高さー座面の高さ=300mm程度

 

③アーム(ひじ掛け)が付いてるか

アームが合った方が長時間ゆっくりできます。

スタッフと来店客、客席同士の適度な距離感とは

バーテンダー

バーの店舗設計において、チェックすべき距離感は2つ。

 

①お客様とバーテンダーの距離感

②隣のお客様との距離感

 

どちらも適切な距離感でなければ、居心地の悪いお店になってしまいます。

具体的にそれぞれを解説しますね。

①お客様とバーテンダーの距離感

お客様とバーテンダーの適切な距離感を確保し、ゆったりと飲んでいただけるよう設計するのが基本。

 

バーテンダーと顧客の距離が近すぎると圧迫感があり、遠すぎるとバーテンダーさんと会話がしにくくなります。

 

話しかけられたくない時は邪魔にならず、話したい時には話しやすい。

そんな店員と客との適切な距離感を演出するカウンターの奥行は、450mm~600mmが目安です。

隣のお客様との距離感

どの店でも客席の距離を広めにゆったりとっておけばいい、ということではありません。

お二人で来店いただいた時、話しづらくなってしまうからです。

 

もちろん1名でお越しになり、見ず知らずの方同士が隣合うこともあります。

 

話しづらくなく、かつ近すぎて落ち着かないなんてことを避けるには、客席と客席との間に600m~650mmの距離を確保します。

照明は雰囲気づくりに大きな影響を与える

バーの照明

店舗空間の雰囲気は、照明の当て方・明るさでも大きく変わります。

 

「何を引き立たせたいか」「どんな空間にしたいか」

 

選択すべき照明は異なりますが、基本はバックバーとカウンターが映えることを意識します。

 

たとえば、通路とバーテンダーが立っている場所の照明は暗めに設定。

カウンターとバックバーを照らし、手もとのグラスとお酒を引き立たせる演出も可能。

明るいお店

お客様がよりお酒を楽しめるように、照明を活用することができます。

内装会社からの提案で見ておくべきチェックポイント

内装工事

ここまではハイクラス層向けバーの空間づくりについて、基礎知識をお伝えしました。

 

では、これまで学んだ知識をもとに、内装会社の正しい選び方もお伝えします。

 

内装会社と契約するまでには、いくつかのステップがあります。

 

1.内装会社を探す(ウェブ検索・紹介など)

2.問い合わせ・打ち合わせ日調整

3.打ち合わせ・内装会社からのヒアリング

4.店舗物件で現地調査

5.内装会社から提案を受ける

6.検討

7.発注

 

「5.内装会社から提案を受ける」において、提案内容がきちんとコンセプトを汲み取られたものかチェック。

複数の候補プランからどの会社を選ぶべきか、本当にその内装会社と契約していいのか。

 

先ほど学んだセオリーに沿った設計・デザインになっているか、提案内容から判断していきましょう。

価格だけを見るのではなく、使用素材もチェック

素材

見積もり金額の総額だけを見るのではなく、1社1社から各項目について説明を受けることが大切です。

 

各社ごとに大きくプランは異なるため、提案金額に差が出るのは当たり前。

プラン内容と見積もりはセットで見てください。

 

カウンター・床・壁・天井・バックバーそれぞれの箇所に、どの素材を使用しているかを確認しましょう。

 

ハイクラス層向け店舗は、すべてを自然素材で仕上げるのが好ましいとはいえ、予算が厳しいケースではどうするか。

 

カウンターやバックバーを避けて、空間に与える影響が少ない部分に絞ってあまりコストがかからない材料を使うのがいいでしょう。

 

価格例)カウンターを作った際の比較

大きさ:幅5m奥行き500mm厚み70mm

・無垢材(カリン)木材¥650,000程度+加工費、運搬費

・フラッシュ下地+メラミン仕上げ ¥180,000程度

※共に設置費別

 

自然素材にこだわりすぎて、全体の投資額が膨らんでしまうのも考えもの。

初期投資にお金をかけすぎて、運転資金を担保できていないと、立ち上げ時期のリスクが増してしまいます。

アルコールの収納スペースは十分か

バックバーにお酒を収納

お客様からの見た目だけでなく、バーの主役であるお酒の収納量にも注意を払った内装になっていますでしょうか。

 

・自身がイメージしているお店が運営できるか

・バックバーに置く予定のボトルはすべて収納できるか

 

見た目だけ良くても、想定していたサービスが提供できなければ、店の強みを失いかねません。

居心地の良さ

バー

上述の通り、居心地の良さを左右するポイントは多数あります。

 

カウンターの高さやイスの種類、隣との距離感などに、配慮されている内装になっているかチェックしましょう。

 

疑問点は内装会社へ質問し、納得できる回答をスピーディーに返してくれる会社と契約することをおすすめします。

 

ここからは銀座のバー「Desperado(デスペラード)」のお店つくりの実例を見ていただきましょう。

 

ハイクラス・カジュアル層の両方に対応できる「ハイブリッド型」のお店づくりの一例です。

事例)ハイクラス層を意識しつつ、ライト層も取り込める工夫を行った銀座のバー

デスペラード店内

2019年1月に東銀座駅徒歩30秒の地下1階にオープンしたbar「Desperado(デスペラード)」。

エントランス

ハイクラス層を意識しながら、銀座の立地特性からリスクヘッジとして、一見客などライト層も取り込みやすい店づくりに取り組みました。

 

どちらの客層にも馴染む店を作るには、繊細なバランスが必要。

どのような点に配慮しながら店づくりを行ったのか、オーナーの大内様へお伺いしました。

 

大内オーナー大内オーナー

ホテルのラウンジで飲んでいる方々が、ラフに気軽に飲みに来れる店にしたいんです

 

5ツ星ホテルのマンダリンオリエンタル東京で、8年間勤務してきた大内様。

マンダリン勤務時代の顧客にも来店いただけるよう、近くのエリアで出店。

 

大内オーナー大内オーナー

男性と一緒にきた女性客にも受け入れてもらえるお店がいいですね

店舗内装 古浦店舗内装 古浦

では、高級感がありつつ柔らかい雰囲気ですね

店舗内装 古浦店舗内装 古浦

ほかにご要望はありますか?

大内オーナー大内オーナー

そうですね〜、趣味で集めてきたヴィンテージのワインのタル板を使いたいんです

店舗内装 古浦店舗内装 古浦

なるほど。ラフな素材のため、使用部分によっては、カジュアル感が出過ぎてしまうかもしれませんね。タル板の使いどころについては検討させてください

大内オーナー大内オーナー

あと、以前働いていたお店であったんですが、『レンガ調もいいな』と思って

店舗内装 古浦店舗内装 古浦

なるほどですね。一部で取り込めるようにしますね

店舗内装 古浦店舗内装 古浦

この物件の大きさ(8坪)だと、オーセンティックバーができるほどのお酒を置けるスペース確保は厳しいのですが、そちらはいかがですか?

大内オーナー大内オーナー

アットホームな雰囲気、カジュアル路線でと考えているので、お酒の種類は少し絞ろうかと

店舗内装 古浦店舗内装 古浦

ありがとうございます。ではカジュアル路線を守っていきましょう。予算面(500万円)からみても、完全なるオーセンティックバーは無理があるかもしれませんね

店舗内装 古浦店舗内装 古浦

同じ高級路線を狙って、予算面から見劣りしてしまう店舗になってしまうのはもったいないと思うんですよ

大内オーナー大内オーナー

そうですね。カジュアルな方が敷居も低く、売上が安定するんじゃないか、と考えてますし

大内オーナー大内オーナー

銀座で働いている人や海外から日本へ来ている方にもご利用いただきたいですね

 

マンダリン東京のラウンジの常連さんにご利用いただくことを意識しながら、ライト層の取り込みも考慮。

 

カジュアル路線をとりつつハイクラス層も気軽に来れる、隠れ家のようなバーをコンセプトにしました。

 

続いて、カジュアル感を出しながら、高級感を損なわない工夫についてお伝えしていきます。

オーセンティックになりすぎないよう、カジュアル感を出す

オーセンティックとカジュアルの塩梅には気を配りました。

 

内装の雰囲気はカジュアルに、照明の効果でシックさも演出できるよう調整。

カフェの照明を落としてバーの雰囲気を出すようなイメージです。

 

カジュアル感を出すため、3つの工夫を取り入れました。

 ①タイルの選定

タイル

壁が白く、全体がライトな色味の店内であることを考慮。

 

落ち着いた濃い色目で、少しレトロ感のある形のタイルを採用し、ライトになりすぎず落ち着いた空間を演出しました。

②バックバーの素材

木と鉄を組み合わせたバックバー

オーセンティックバーでは本来、すべて木の素材が使われるバックバー。

 

本店舗では、鉄の骨組みと木材天板を組み合わせることで、一見するとカフェのようなバックバーでカジュアル感をプラス。

 ③タル板が持つ雰囲気

タル板

打ち合わせの中で大内様からご要望いただいた、ワインのタル板はカウンター下に設置。

 

ラフ感のある素材のため、使用するだけでカジュアルな雰囲気に。

お客様との会話のネタにもなるコミュニケーションアイテムでもあります。

④照明計画

店づくり

シンプルにオーセンティックを目指したバーであれば、暗めのテイスト。

本店舗ではカジュアルな空間を作るために照明を多めに設置して、明るい空間を目指しました。

 

照明の角度が調整できるスポットライトで、壁をムラ無く照らし、明るい空間にしています。

カウンターへの照明はペンダントライトを使用。

カウンターペンダントライト

ピンポイントで照らすスポットライトでは光量が強すぎて眩しすぎたり、お酒の色が霞んでしまいます。

 

ペンダントライトを採用し、温かみのあるやわらかい光を取り入れました。

高級感を守るために注意した点

ハイクラス層向けのお店では、安っぽくみられてはいけません。

高級感を守るために実施したポイントを2つ紹介します。

①タル板の設置箇所

タル板

タル板はワインバーでもよく使われる素材です。

カジュアル感を出すには適していますが、主張しすぎるとお店が安っぽく見えてしまいます。

 

ポイントとなったのは、カウンター下に配置したこと。

 

お客様からは来店したタイミングで、店の特徴としてインパクトを与えるものの、カウンターに座ってしまえば視線には入りません。

 

さり気ないからこそ、高級感を壊さず、お店に調和するのです。

②使用素材

無垢材のカウンター

店舗のメインとなる部分カウンターや壁面には、できる限り自然素材を使い、店舗の雰囲気づくりを行いました。

 

店の顔であるカウンターに使用したのは、天然素材タモの無垢材です。

タモは美しい木目が特徴の木材。

 

集成材ではなく、無垢材を使うことで、温かみや重厚感を演出しました。

 

・集成材:小さな木材を接着剤で組み合わせた人工の木材

・無垢材:丸太から切り出したそのままの木材

木材

写真左:集成材

木目のジョイント(つなぎ目)部分が目立つ

 

写真右:無垢材

木目の筋の美しさや・重厚感・独特の温かさがある

 

カウンターの腰壁は、低コストで同じ雰囲気を出せるようにタモの突板(※)を使用しました。

カウンターと腰壁の使用素材

※突板とは、0.2mm程度に薄くスライスした木のシートを表面に貼り付けたもの。

突板の構造

価格を抑えながら、カウンターと見栄えを揃える工夫です。

高客単価・ハイクラス層向けバーの店舗デザインまとめ

バー内装例

ハイクラス層が集まるバーの店舗デザインについて、イメージはつきましたでしょうか?

 

お店のコンセプトごとに、お客様の利用シーンは異なります。

 

どういった気分・どのようなシチュエーションで利用するか、お客様になりきって発想することが第一歩。

 

それではハイクラスに向けた店舗デザインのポイントを簡単にまとめますね。

 

・自然素材を使う

お店の顔であるカウンター・バックバーは自然素材を用いることをおすすめ。

 

・居心地の良さにこだわる

カウンターとイスの高さ、カウンターの幅、隣との距離感…

それらのトータルバランスが居心地の良さに影響を与えます。

 

ひとつひとつ丁寧に検討し、居心地の良い空間にしましょう。

 

・内装会社の提案は、価格だけで判断するのはNG

内装デザイン会社ごとに、提案内容は異なります。

価格だけでなく、使用素材などの内容も含めて検討します。

 

もちろん高客単価・ハイクラス層の店作りには、この記事では紹介しきれていないさまざなテクニックや注意点があります。

 

また、カジュアル層も取り込むには、当記事の内容を、上手に「崩し」てデザインすることが必要です。

 

店舗内装でお悩みのかたは、株式会社店舗内装のホームページ からお気軽にお問い合わせ、もしくは店舗デザインについての無料勉強会や、店舗内装の検討に使える無料ツールなど自由にご活用ください。

執筆者 株式会社店舗内装 古浦 健一郎

■BAR Desperado

場所:東京都中央区銀座4-10-6 G4ビル B1

電話番号:080-7331-0888

ウェブサイト

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