目黒区の碑文谷にオープンした「ビストロUrushi」。
別の飲食店を経営をしていた経験を持つオーナーの漆畑さん。提供するメニューはもちろん、店舗オペレーションに関しても参考になることばかり。
特に驚くのは、出店コストはなんと
「150万円」
初期投資を抑え、1年分の運転資金を確保することができました。
「みんなの飲食店開業」のわたくし金子は年間100店舗の開業支援をしていますが、数多くの出店者様のなかでも特にビストロUrushiの手法・考え方は、開業される方の良いお手本になりますね。
「初期投資の低減」「毎月かかる費用の圧縮」に徹底的にこだわった低コスト開業だからです。
特筆すべきは、『経営の安全性』。
飲食店は開業したときではなく、投資回収を終えるまでは気が抜けません。
それまでは借金の返済を進めているだけであって、「しっかりお金が残るかどうか」は別の話。
投資回収が終わった後の儲けこそ、「今後お店を継続するため、もしくは次の出店や投資に心置きなく使える原資」となる本当の利益と考える店舗オーナーもいます。
月々の利益がきちんと出ていても、投資が大きく回収完了まで時間がかかるビジネスにはリスクが伴うからです。
では、リスクを下げどうやって初期投資を早く回収するのか。
これには2つの鉄則があります。
- 出店コストを抑える
- 毎月の固定費を下げる
そうです。
漆畑さんがこだわったのは「徹底した初期投資のコストダウン」と「毎月かかる費用の圧縮」。
投資コストを抑えれば回収の対象金額が減り、投下資金を早く回収できる。
固定費を抑えれば、同じ売上でも差し引かれる経費は少なく、利益を多く残せる。
赤字になりづらい筋肉質の経営体質を手に入れたことと等しく、客数が多少減っても安心して経営に打ち込めます。
漆畑さんにご協力いただき、「初期投資のコストダウン」「毎月かかる費用の圧縮」をどのように実現したのかインタビュー!
立地の選び方・物件の選び方・日々のオペレーションまで一貫した考え方は、おひとりでの開業や小箱店舗での開業をお考えの方には必読。
現役飲食店オーナーがここまで中身を詳しくお話してくださるとは、漆原さんに感謝しかありません。
わたし金子もとっておきの、居抜き物件で低コスト出店する「5段階活用ノウハウ」を記事の後半で解説させていただきます!
アクセスが良くない場所でオープンした「ビストロUrushi」
「ビストロUrushi」は6坪で席数13席(カウンター8席・テーブル1つ)の小さなお店。目黒区の高級住宅地・碑文谷に2018年10月1日にオープンし、開業から3ヶ月経った2019年1月にインタビューにご協力いただきました。
ランチメニューの人気はスフレオムライス。ディナーでは厳選した肉や魚を炭火でじっくり焼き上げるメニューが人気。下田・佐渡・大分の知り合いや北海道・沼津の漁師や契約農家から、その時期ごとにもっとも美味しいところから仕入れています。
立ち上がりは「順調」のひとこと。
近隣居住者や外国人のお客様を中心に、常連客が増え続けています。
実はUrushiは駅や商業施設など、集客ポイントからのアクセスが「良好とはいえない」立地。東急東横線「学芸大学駅」から徒歩10分、閑静な住宅街に位置します。
駅近の物件にこだわる出店者も多い中、なぜ漆原さんはこの物件を選んだのでしょうか?
さっそく「初期投資の低減」「毎月かかる費用の圧縮」にこだわった低コスト開業戦略を紐解いていきましょう。
「使えるものは活用し尽くす」既存設備で初期投資をコストダウン
漆原さんが行った初期投資の軽減方法は『利用できるものは徹底的に使う』というシンプルなものですが、実行に大きなハードルがありました。
漆原さんが契約したのは、カフェの居抜き物件。
家主様自身がカフェを30年ほど営業したのち、閉店。「もし借り手がつくのであれば」と弊社にご相談をいただき、譲渡先を探しているところで漆原さんの目に留まったのです。
「候補エリア」かつ「1人で運営しやすいサイズ感」が決定打となり、物件契約を決めました。
ただし・・・
元々カフェのため、電気・水道・ガスなどのインフラ設備のスペックが弱め。家庭と同じガスレベルのため、強い火力は出ません。
厨房設備を新規購入すると大きな投資になる居抜き物件で、漆原さんが下した判断は2つ。
『お金をかけない代替案を考える。』
『利用できるものは、そのまま徹底的に使う。』
そもそもインフラ設備が家庭用レベルのため、調理やメニュー提供に工夫は欠かせません。
漆原さんが取った代替案は、ガスコンロはそのままで安価な置き型の炭火グリルを追加。
これで工事費用をかけることなく、本格的な料理が提供できるようにしたのです。
炭火でゆっくり焼き上げるため、お肉もお魚も美味しく仕上がるメリットも。
(左:炭のグリル 右:引き継いだ機器)
居抜きで引き継いだ厨房機器は、家主様が使っていた古いもの。こちらも漆原さんは、そのまま使うという決断をしました。
古い厨房機器は、シンプルな構造でメンテナンスがしやすいんです
しかも『より安く』で作っている今の品物より丈夫なことが多いんですよね
まずは使ってみて、ダメなら買い替えるという選択もありだと思いました
結局、問題なく動いてくれていますけどね!
『利用できるものはそのまま徹底的に使う』と初期投資のコストダウン以外にも、2つの大きなメリットがあります。
メリット①:物件契約してから短期間で開業ができる
改装工事を最低限にとどめると、費用が抑えられるだけでなく「時間」も有効に使えます。
物件契約後は、入居日から賃料が発生。
オープン前で売上ゼロの期間も、賃料は支払わなければいけません。こういった期間の賃料は「空家賃」と呼ばれ、工事期間中のキャッシュフローはマイナス。
工事期間を短縮できれば開業前の空家賃、いわゆるムダ金を減らすことになり、より多くの運転資金を残すことができます。
漆原さんは、物件契約から1カ月で開業。
少しイレギュラーですが、元々家主様が使用していた店舗だったため、はじめの2週間ほどは家主様が店内を片付け。
その後、漆原さんがわずか2週間で開業の準備を進めました。
メリット②:有効に使える時間が増える
元々あるものをそのまま使うと決めてしまえば、新たに準備すべきものは少なくなります。
開業準備に手間が減り、時間を有効に使えます。
たとえば、開業前の労働期間を延長できるのは分かりやすいメリット。
開業ギリギリまで前職やアルバイトで働けば、その分の給与を開業予算にまわせます。開業後に遅れて入ってきた給料は、そのまま運転資金にあてることもできます。
働く以外に、オープン後の見込み客を作るための営業活動に時間を費やす方もいます。
知人・友人などに個別で連絡はもちろん、今であればインスタグラムやフェイスブックやツイッターなどのSNSで店ができあがるまでの工程を載せ、事前に周辺住民に知ってもらうことなどもできますよね。
このように、費用面だけでなく開業前に時間が増えることは大きなメリットなのです。
必ずしも低投資出店できるわけではない居抜き物件
飲食店の初期投資を削減するために、大切なポイントがもう1つ。
それは、居抜き物件の選び方。
開業相談で「居抜き=低投資」といった考えの方に多くお会いしますが、それは正解でもあり間違いでもあります。
居抜き物件の出店でも、「スケルトンからの内装工事より高くつく」場合もあることは意外と知られていません。
漆原さんの『利用できるものは徹底的に使って初期投資削減』は、物件選びからすでに始まっているのです。
物件の選び方しだいで不要な損は避けられますので、これから開業される方は今から解説することをぜひ覚えておいてください。
居抜き物件をどこまでそのまま活用できるか、その活用度合いが重要。
内装工事や設備投資を抑えられ、居抜き物件の低コスト出店の恩恵を受けやすいパターンは5つあるので、順に並べてみます。
居抜きのメリットが大きい活用
活用度合い |
①店舗をそのまま使う(店名も引き継ぐ) |
②看板・店名のみを変更する |
③厨房内は変更せずに客席側の変更(床・壁・天井等) |
④厨房を拡張する |
⑤厨房を狭くする・移動する |
①②に当てはまる物件であれば、大きな工事は発生しません。
内装工事や設備投資を抑えられ、居抜きのメリットが大きいと考えられます。
厨房の工事コストに注意
活用度合い |
①店舗をそのまま使う(店名も引き継ぐ) |
②看板・店名のみを変更する |
③厨房内は変更せずに客席側の変更(床・壁・天井等) |
④厨房を拡張する |
⑤厨房を狭くする・移動する |
④・⑤にあたる居抜き物件では、お客様の目に触れない部分であるにも関わらず、厨房部分の工事コストが高くつきやすく、居抜きのメリットが薄くなります。
飲食店の内装工事で「キッチン」と「客席」をくらべると、厨房に関する施工は高額だからです。
10坪のスケルトン物件で700万の施工費をかけて居酒屋を出店する場合、施工費の内訳はどうなるでしょうか?
厨房が占める割合は2坪弱と大きくなくても、工事費用700万円のうち350~400万円とコストの半分以上を占めます。
客席は壁紙を貼る・ペンキを塗る・タイルを貼るなど。DIY(自身でやる)でコスト削減を検討することができます。
しかし設備まわり(給排水・吸排気・電気・空調)は専門業者に発注するほかなく、コストダウンは現実的ではありません。
提供予定のメニューでどうしても必要な厨房設備の導入は仕方ありませんが、オープンキッチンでなければ厨房はお客様から見えない箇所。
お金をかけてもお客様側が受けるイメージは変わらないため、集客には繋がりづらい。投資回収を考えるとコストパフォーマンスが低くなることもありえます。
今ある設備を工夫して活用する、もしくは簡易的に導入できるもので代替するやり方を考えるのが独立開業オーナーにとっては現実的です。
③「厨房内は変更せずに客席側の改装」であれば、居抜きのコストダウンメリットを大きく感じられるでしょう。
厨房工事が発生する④「厨房を拡張する」⑤「厨房を狭くする・移動する」では、居抜きのメリットが薄くなります。スケルトンより工事費が高額になるケースもあるので注意が必要です。
なぜ厨房設備の工事は高額になる?
多くの場合、飲食店の厨房区画は「防水対応(水を流して掃除ができる)」を施しています。
防水区画は店舗内にプールがあるようなイメージ。
ブロックを積んで区画を区切り、防水のシートまたは塗料で保護。水を通さないように施工するため、一部のみ変更するなどの自由は効かないのです。
例えば居抜き物件で、厨房区画を小さくしようとすると全てやり直しになるケースも少なくないのです。
厨房器具の配置換えや入れ替えなどする場合でも、いったん厨房機器を撤去し、床を剥がしてから施工する必要があります。
解体費用が発生して、スケルトン物件より工事費用が高額になってしまうことも。
一方で、厨房を「広げる」場合には、あまり費用をかけない方法がありますのでお伝えしましょう。
広げた部分は、防水対応せずドライキッチンにするのです。
水を流して掃除ができないため、油などで床が汚れる作業場としては不向きですが、軽食やドリンク程度の調理であれば問題ありません。
工事業者を使わなかった「ビストロUrushi」
漆原さんが、厨房区画をそのまま使用したのはまさに英断と言えます。
厨房区画の縮小・移設を行わず、設備の入れ替えもしない。
まさに居抜き物件のメリットを殺さず、数百万のコストダウンに繋げたのです。
さらに、漆畑さんは工事業者を使わずご自身で店舗を手直し(DIY)。
- 厨房床へ防水塗料の塗布
- カウンターの塗り直し
- 壁へ有孔ボードの設置(フライパンなどかけるスペース)
- 家主様の住居との境に防音材を設置
内装業の知り合いに相談しつつ、できる箇所をDIYで作業しました。
かかった金額は材料費用だけ。
2枚扉冷蔵庫、炭焼きコンロを新たに購入しても、100万円未満で開業準備ができたのです。
飲食店のDIYについては別記事(店舗の内装工事を自分で行う(DIY)メリット・デメリットと注意点【和食居酒屋なごみ】)をご覧ください。
飲食店開業に必要な初期投資(出店コスト)とは?
今までビストロUrushiが行った、初期投資コストダウンの戦略についてお話してきましたが、そもそも飲食店開業にどれくらいの資金が必要なのか振り返ってみましょう。
開業費用は大きく分けて4つあります。
①物件取得費
賃料の9~12ヶ月分、居抜きの場合は造作代金 50~300万円
②内装工事・設備
スケルトン:50~80万円/坪、居抜き活用:5~50万円/坪
③開業諸経費
初期仕入:想定売上の30~40%、その他経費:50~200万円
④運転資金
月間固定費の6か月分
なんとか低投資で出店しようと、直近使わない「運転資金」を予算や計画に盛り込んでいない飲食店オーナー。
これは、完全に悪手。
最初から黒字で回るお店は、ほぼありません。
開業2~6ヶ月目は赤字というのは、飲食店では普通に起こること。
資金が尽きたら閉店。
閉店リスクを回避するために、運転資金はしっかり準備しておきましょう。
運転資金と飲食店の閉店については、別記事(飲食店の閉店は、よく赤字が原因だと「勘違い」されている。)で解説しています。
6坪の飲食店開業にいくら必要?Urushiはどれだけ安く出店できた?
ビストロUrushiと通常の出店事例で、開業コストを試算してみましょう。
都内でオフィスが集まるエリアや駅近くの家賃相場は、推して知るべし。坪当たり家賃の目安は1階路面なら3~5万円、2階や地下でも坪2万円は下回らないでしょう。
いわゆる繁華街では坪家賃10万円を超える物件もゴロゴロあります。
一方で駅から離れると坪単価も落ち着き、坪当たり1~2万円の店舗物件も出てきます。
では『ビストロUrushi』と『通常パターン:同じく住宅街・同額家賃での居抜き物件出店』で、開業コストを比較すると…。
①物件取得費
賃料の9~12ヶ月分、居抜きの場合は造作代金 50~300万円。
Urushiと同じ条件の賃料と考えると10.2万円(6坪×1.7万円=10.2万円)。
通常パターン:(賃料10.2万円×10カ月)+造作代金100万円=202万円
ビストロUrushi:55万円(礼金・手数料など)+造作代金0円=55万円
②内装工事・設備
スケルトン:50~80万円/坪。居抜き活用:5~50万円/坪。
通常パターン:6坪×30万円=180万円(居抜き活用の場合)
ビストロUrushi:DIY材料費+新たに導入した厨房器具=100万円
③開業諸経費
初期仕入:想定売上の30~40%、その他経費:50~200万円
本ケースでは、売上に対し家賃が10%と仮定し、想定売上102万円。
初期仕入40.8万円(102万円×40%)、その他経費:50万円と仮定。
通常パターン:40.8万円+50万円=90.8万円
④運転資金
月間固定費の6か月分
賃料や諸費用(減価償却費、支払利息、リース料など)。
諸費用は、想定売上の10%と仮定(想定売上102万円×10%)×6カ月=61.2万円)
通常パターン:6カ月分賃料61.2万円+6カ月分諸費用61.2万円=122.4万円
①~④を合計すると595.2万円。
「ビストロUrushi」では60%の初期投資削減に成功
飲食店の業態によって③と④の食材・仕入れ・運転資金などは異なりますので、比較しやすいように、①と②の物件取得費と内装工事費用だけで抜き出してみましょう。
一般モデルケースと比較すると「ビストロUrushi」の初期投資は2分の1。
モデルケース | 「Urushi」 | |
物件取得 | 202万 | 55万 |
内装設備 | 180万 | 100万 |
合計 | 382万 | 155万 |
初期投資を大幅に抑えることで、1年分の運転資金を確保することができました。
毎月かかる固定コストを下げ、黒字化しやすい店づくり
低コスト開業「初期投資の低減」「毎月かかる費用の圧縮」における2つめ。
毎月かかる費用をいかに下げるか、という話に入っていきましょう。
毎月の出費が減るということは、店舗経営において重要な意味を持ちます。
それは、損益分岐点が下がり、黒字化しやすいお店がつくれること。
損益分岐点とは、売上と費用が差し引き0円となる金額。赤字でも黒字でもなくプラスマイナスゼロである損益分岐点を超えてはじめて「黒字」になります。
利益=売上-費用
ただし費用はすべて一緒くたではなく、店舗経営では固定費と変動費の2つに分けて考える必要があります。
①固定費
⇒売上の上下に関係なく、毎月決まってかかるコスト
例)賃料、共益費、リース料
②変動費
⇒売上に応じて、金額が変わるコスト
例)食材原価
売上の増減に伴って、上下するコストが変動費。
売上の増減に関わらず、変化がないコストが固定費。
損益分岐点が低いほど、黒字化しやすく利益が残りやすいのは言うまでもありません。
利益を残しやすい飲食店をつくるにあたり、シンプルに2つの視点で考えましょう。
①固定費を下げる
②変動費を下げる
漆原さんのコストダウン戦略は以下の通り。
①固定費を下げる⇒二等立地に出店
②変動費を下げる⇒人件費の低減
ではビストロUrushiが採った具体的な手法について解説します。
①固定費を下げる:二等立地に出店
「ビストロUrushi」は東急東横線「学芸大学駅」から徒歩10分。写真でおわかりの通り、人通りも多くない閑静な住宅街に位置します。
駅や商業施設など、集客できるポイントからのアクセスが良好とはいえません。
その分、賃料はお得。
店舗物件の賃料は、駅からの距離や人通りの数など、集客しやすさに影響されます。
学芸大学駅前の家賃坪単価は3.5万円程度。
それと比べると「ビストロUrushi」の家賃坪単価は2分の1。
住宅街のため、お客様に認知してもらうには時間がかかります
そのあたりは家賃とのバランスを見て決めました
ここは負担が軽く、1年かけて立ち上げても大丈夫なんです
売上に対する家賃比率が少なければ、柔軟な店舗経営が可能です。
例えば食材の方にお金をかけ、満足度を高めて口コミや紹介を誘発するきっかけに。
少ない客数でも利益を出しやすいなどのメリットも。
それを活かし、漆原さんは小規模個人店ならではの独自サービスを実施しています。
6000円のコースご利用で「お店貸切」を2名様より受付ています。
デートや大事なお席にご利用いただいてます。
まさに少ない客数で経営が成り立つ「ビストロUrushi」ならではのサービス。
また、こちらの場所を選んだのにはさらに2つの理由があります。
1つめは、漆原さんが持つ顧客基盤。
以前経営されていた別のお店もこの近所。
過去の常連様も来店しやすいエリアを選ぶことによって、売上の算段が事前に立ちやすいというメリットがありました。
2つめに、商圏調査。
駅から離れている住宅街のため、店前の通行量は少なめ。
とはいえ近隣に「東京地方裁判所の関連施設」や、近くの目黒通り沿いに自動車ディーラーも多く、ランチ需要が見込める。
見た目以上の大きな外食マーケットがあると予想したのです。
パッと見ただけでは判断できないところまで調査をしたからこそ需要に気づき、出店を決めたのです。
一見して誰でも良さそうと感じる立地はライバルも多く、家賃も高止まりしがち。
まさに漆原さんが選んだのは、他の検討者が気づかない「自身にとっての穴場立地」でした。
②変動費を下げる⇒人件費の低減
「ビストロUrushi」の基本スタイルは、キッチンもホールも漆原さん1名のオペレーション。
6坪の小箱でカウンターメインのお店だからできる方法です。
経験豊富な漆原さんの、細部まで行き届いたサービスが売り。
お客様と会話をしながら、丁寧な接客を心がけて営業されています。
お客様のご希望に合わせた料理メニューの提供もされ、顧客満足度はもちろん客単価アップにも貢献。
オープン3ヶ月目、すでに近隣の居住者や、外国人のお客様を中心に常連客を増やし続けるビストロUrushi。
少ない客数でも利益を出しやすい経営体質のため、多くのお客様を無理に相手にする必要がありません。
スタッフの採用・教育もなく、オーナー1名のオペレーションで、余分なコスト・労力を発生させない「省エネ経営」ができています。
「ビストロUrushi」低コスト開業のまとめ
「初期投資の低減」「毎月かかる費用の圧縮」にこだわる低コスト開業についてお伝えしました。
最後にポイントをまとめます。
-
「使えるものは活用し尽くす」既存設備で初期投資をコストダウン
-
「居抜き物件=低投資ではない」居抜きの5段階活用を意識すべし
- 「省エネ経営」月々のコストを下げ、黒字化しやすいお店づくり
コストダウンといっても、その方法は様々。
物件選びを考えただけでも、居抜きがどの程度活かせるか、どんな立地を選ぶか、規模感は合っているかなど、さまざまな要素が絡みあいます。
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「ビストロUrushi」では近隣に競合店も少ないことから、お客様に喜んでもらうための企画が準備されているよう。今後の展開に注目です!
では最後に、一度見たらUrushiに行かざるえない人気メニュー「ふわとろスフレオムライス」をご覧いただいてお店の場所もご確認ください笑
■ビストロ 「Urushi」
東京都目黒区碑文谷2-8-20
東急東横線線「学芸大学駅」から徒歩12分
TEL:03-6451-2177
営業時間:11:30~15:00 17:00~22:00(L.O.21:00)
ホームページ https://urushi.business.site/
Written by 「みんなの飲食店開業」開業コンサルタント 金子
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東証一部上場のコンサルティング会社にて、数百店舗の飲食店チェーンの立地診断・出店判断を担当。
また、大手チェーンのM&A業務に関わるなど豊富な経験を持つ。
その後、株式会社M&Aオークションの立ち上げに携わり現在に至る。
「店舗そのままオークション」の創立以来、年間100店舗以上の開業に携わり、支援した数は500店舗を超える。
現場思考のサポートに定評があり、顧客からの信頼も厚い。