フードコート出店に失敗しないための重要ポイント3つ

前回記事「中小飲食店のフードコート出店が増えた!?」から引き続き、この記事ではフードコート出店の成功ポイントと注意点をお伝えしていきます。主なポイントは3つ。1つ目はどのショッピングセンター出店可否の判断基準について、2つ目3つ目はメニュー・オペレーションについてとなります。

商業施設の年商規模

まず気にするべきは、出店予定の商業施設の年商規模です。

路面店やロードサイド物件と同様、ショッピングセンターならどこでも出店すべきということではありません。現在全国で3000を超えるショッピングセンターがあり、どのショッピングセンターに出店するかどうかは個店での出店よりも慎重にすべきポイントとなります。

商業施設の最大のメリットは、集客を自分で行わずとも施設全体のテナントや催し物で来店が見込める点。しかしこれはデメリットの裏返しでもありますが、単独出店に比べるとその店独自の集客施策が行えにくいとも言えます。なぜならショッピングセンターや商業施設では独自の集客活動を禁止もしくは制限をかけているところも少ないないからです。

そこで出店判断の指標になるのが、商業施設の年商規模

通常飲食店であれば1つの目安として家賃・保証金などの経済条件もあると思いますが、ショッピングセンターではこの部分をまず最初に検討して下さい。商業施設の年商規模はそのまま、集客力に直結します。皆さんも路面店を出店する時に、最寄り駅の乗降客数やロードサイド店舗であれば交通量を判断の材料にしますよね。

SC出店の目安は年商規模100億円

この指標をショッピングセンターに置き換えると、年商規模になるのです。ではどれくらいの年商規模のショッピングセンターに出店すべきか。それは100億円以上が1つの目安となります。

これは過去我々がご支援したチェーン店でも1つの判断で使っていました。なぜかというと、おおよそ日本のショッピングセンターの平均年商規模がちょうど100億円弱で90数億円といったところ。

この年商100億円以上というのは平均以上の集客力を有している、という一種の証明になるのです。

もちろんこれだけで全てを判断してはいけません。最終的な判断には、その他の要素も重要です。例えば年商50億円の商業施設であっても家賃などの経済条件が恵まれていたりライバルとなるSC内の店舗数が少ないなどの要素も複合して判断すべきです。

注文からの提供スピード

提供スピードは1分以内で

2つ目は提供スピードをできるだけ早めること。目安は注文から1分以内での提供を目指すべきです。

フードコートは通常の飲食店と違い、満席で席が埋まる心配をそこまでする必要はありません。どちらかというとテイクアウトの要素が強まると考えて良いと言えます。

通常の飲食店と違い、アイドルタイムもだらだらと注文が入り売上が立つのもフードコートの特徴とメリットですが、やはり売上の大半はランチタイム。11時半〜13時半の2時間でどれだけ売上を生み出すかが肝になります。

ごくごくシンプルな例で考えてみましょう。例えば客単価が同じ1000円のA店とB店があるとします。提供時間1分・3時間で120食を提供出来るA店、一方、提供時間に2分かかるB店。1日の客数に60食の差で6万円の差。30日営業で月商で考えると、「昼の時間帯だけで180万円の売上差」になります。

商品の質を維持しながらどこまで提供時間を早められるか。人員体制・調理システム・メニューの絞り込みなど提供スピードを上げる工夫をすべきと言えます。

女性・子供向けメニューの充実

女性と子供メニュー向けが重要

メニュー構成のポイントですが、女性・子供に受け入れられるメニューも取り入れておくべきです。

週末は家族来店が主になるフードコート。しかし営業日が多い平日でメインの客層は大きく変わります。女性客の比率が高まり、ベビーカーとともに来店する絵が想像できませんでしょうか。

通常の店舗でガッツリ系やボリューミーな商品メニューを扱うお店でも、フードコートでのメニュー構成にヘルシーメニューやスイーツ、野菜をメインに据えた商品など女性の取り込みが可能となるメニューを揃えるべきです。

例えば女性を意識したメニュー構成で成功している企業の1つが、リンガーハット。

野菜が多く取れることを打ち出し、通常のラーメン店では女性客の構成比が1割ほどのところ、フードコートのリンガーハットではなんと50%近くに昇ります。国産野菜で安心・安全を打ち出しているのもポイントです。

補足:ショッピングセンター・フードコート物件を逃さないために

ちなみにショッピングセンターやフードコート物件は情報が出てもすぐに決まってしまうことが多い、非常にスピードが早い物件。店舗物件検索サイトで探す場合はユーザー登録などで探索地域や希望条件などを入力しておき、すぐに情報を受け取れるようにすることが重要です。

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