新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込んだ店舗を支援する『家賃支援給付金』。
申請期限が近づいていますのでご注意ください。
給付金の申請の期間:2021年1月15日まで
法人に最大600万円、個人事業者に最大300万円が一括支給されます。
支給額が大きいため、絶対にチェックしておきたい給付金です。
申請に必要な書類など、家賃支援金の申請方法や必要書類をご紹介します。
条件を満たしたうえで、きちんと申請を行えば受け取れますが、申請タイミングによって給付額が変わる事業者も。
最大限、給付金が受け取るために給付額の算出方法も解説しました。
対象者
2020年5月~12月の売上が減少額が下記A・Bどちらかにあてはまる事業者が家賃支援給付金の対象になります。
A:1ヵ月で前年同月比マイナス50%以上
B:連続する3ヵ月の合計で前年同期比マイナス30%以上
このうち、土地・建物の賃料を払っている方が対象で、賃料が発生しない自社物件は対象外です。
大企業は対象外。
資本金10億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者が対象。
医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人も幅広く対象です。
上記以外でも、給付金申請ができる特例があります。
①2019年の開業者
前年同月で比較ができない場合、開業日から 2019 年 12 月 31 日までの間の平均売上を、申請にもちいることができます。
②2020年1月~4月の事業承継者
2019年の同月・同じ期間を前事業者の承継前の売上を申請にもちいることができます。
売上要件の計算方法
上記の通り、対象となる売上要件は2つ。
A:1ヵ月で前年同月比マイナス50%以上
B:連続する3ヵ月の合計で前年同期比マイナス30%以上
事例で確認していきましょう。
A:1ヵ月で前年同月比マイナス50%以上
前年の同じ月(2019 年 5 月)の売上と比較して 50%以上減っていれば、対象です。
・算出式
2020年特定月の売上 ≦ 2019年同月の売上×0.5(50%)
B:連続する3ヵ月の合計で前年同期比マイナス30%以上
連続する3カ月の売上合計が前年の同期間と比較して30%以上減っていれば対象です。
・算出式
2020年3カ月の売上合計 ≦ 2019年同期間の売上合計×0.7(70%)
上の図の場合、
2020年5~7月の売上が計120万円(40万+30万+50万)、
2019年5~7月の売上が計210万円(70万+50万+90万)。
210万円の70%は147万円で、2020年の3カ月売上120万円より大きいため対象となります。
支給額
『家賃の2/3×6ヶ月分』が一括で支払われます。
申請の直前1カ月以内に支払った金額を基に計算します。
管理費・共益費も対象のため、含めて算出しましょう。
複数店舗の経営者や支払い家賃が多い事業者を考慮した特例措置として、該当する事業者には、給付上限超過額の1/3をさらに給付。
それを踏まえた給付金額は最大で法人は600万円、個人事業主は300万円と設定しています。
最大額が異なるため、法人・個人それぞれのケースを解説します。
法人の支給額:最大600万円
(引用:経済産業省「家賃支援給付金」)
支払賃料(月額) | 給付額 |
75万円以下 | 支払賃料×2/3×6 |
75万超 | 50万円+[支払賃料の75万円の超過分×1/3]×6 ※ただし、600万円が上限 |
例1)賃料30万円の場合⇒給付額120万円
30万円×2/3×6=120万円
例2)賃料90万円の場合⇒給付額330万円
[50万+(90万-75万)×1/3]×6=330万円
個人事業者の支給額:最大300万円
(引用:経済産業省「家賃支援給付金」)
支払賃料(月額) | 給付額 |
37.5万円以下 | 支払賃料×2/3×6 |
37.5万円超 | 25万円+[支払賃料の37.5万円の超過分×1/3]×6 ※ただし、300万円(月額)が上限 |
例1)賃料30万円の場合⇒給付額120万円
30万円×2/3×6=120万円
例2)賃料45万円の場合⇒給付額165万円
[25万+(45万-37.5万)×1/3]×6=165万円
申請締め切りは2021年1月15日
給付金の申請の期間は、2021年1月15日まで。
ただし、必要書類の準備に時間を要するなど、上記の期限に間に合わない特段の事情がある方については、2021年1月31日23時50分まで追加の提出を受け付け。
その際には、超過理由を説明する書類を作成し添付が必要です。
申請は、家賃支援給付金事務局のWEBページから行えます。
家賃支援給付金の申請はこちら(家賃支援給付金事務局のページ)
補助員が入力サポートをおこなう「申請サポート会場」も開設。
家賃支援給付金事務局のお問い合わせ・相談窓口
0120-653-930(平日・日曜対応 8:30~19:00)
賃料減額中の方は、申請のタイミングに注意
申請開始後は、売上減少月の翌月~2021年1月15日までの間であればいつでも申請できます。
給付額を左右するポイントは、申請のタイミングです。
賃料の値下げや免除期間中に申請するかどうかは、要検討。
なぜならば算定基準は申請日の直前1カ月以内に支払った賃料のため、支払い金額が戻ったタイミングで申請すれば、元の賃料を基準に給付金が受け取れます。
必要書類と入力情報
※画像はイメージ
申請に際し、添付が必要な書類もいくつかありますので、事前に準備しておくことをお勧めします。
アップロードするため、電子化が必要です。
電子化はスキャンして取り込んでも、デジカメやスマホで撮影しても、どちらでもOK。
データの保存形式は「PDF」「JPG」「JPEG」「PNG」
まずマイページを作りましょう。
サイトにアクセスし、メールアドレスを入力。
届いたメールに従い、登録操作を続けるとマイページが作成できます。
こちらのマイページから申請の手続き、状況確認、情報修正が可能です。
家賃支援給付金の申請はこちら(家賃支援給付金事務局のページ)
法人・個人事業主どちらもマイページから申請の手続きを行います。
ただし、必要書類や入力情報が法人・個人事業主で異なりますのでこれ以降は分けて解説いたします。
あてはまる方をご確認ください。
《法人》申請方法詳細
申請にあたり、添付が必要な書類は以下の通り。
1.売上減少を証明する書類
・2019年分の確定申告書別表一の控え
・法人事業概況説明書の控え(両面)
・受信通知書(e-Tax申告の場合のみ)
・売上台帳(申請にもちいる月・期間に下線を引く)
2.賃貸借契約・賃料の支払いを証明する書類
・賃貸借契約書
・直前3カ月の支払実績を証明する書類(振込明細や賃貸人からの領収書)
3.振込口座情報
・通帳の表紙
・通帳をひらいた1と2ページ目の両方
申請方法について順をおって解説します。
①基本情報を入力
以下の情報を入力します。
・法人基本情報
(法人番号、法人名、法人区分、法人住所、書類送付先、設立年月日)
・業種
・資本額・出資金
・従業員数
・代表者情報
(役職、氏名、生年月日、性別、電話番号)
・担当者情報
(氏名、電話番号)
②売上情報を入力
申請にもちいる月とその売上、前年の同月の売上を入力します。
確認書類を添付。
・2019年分の確定申告書別表一の控え
・法人事業概況説明書の控え(両面)
・受信通知書(e-Tax申告の場合のみ)
・売上台帳(申請にもちいる月・期間に下線を引く)
③賃貸借契約情報を入力
以下の情報を入力します。
・賃貸人情報(氏名/法人名、住所、電話番号)
・管理会社情報(法人名、住所、電話番号)
・賃借人情報(氏名/法人名、住所)
・契約締結日
・契約期間
・契約上の賃料、共益費・管理費(税込み)
・物件情報(住所など)
・実際に直前1カ月以内に支払った賃料(税込み)
・6カ月以内に、地方公共団体から家賃にかかわる支援をうけるか
(受ける場合は金額を記載)
裏付けの書類を添付。
・賃貸借契約書の写し
以下の部分に印をつけます。
1.賃貸借契約であることが確認できる箇所
2.土地・建物の契約であることが確認できる箇所
3.対象の土地・建物の住所がわかる箇所
4.申請に該当する費用(賃料・共益費・管理費)
・直前3カ月の支払実績を証明する書類(振込明細や賃貸人からの領収書)
通帳の支払日・支払い金額・口座名義人・振込先に印をつける。
④口座情報入力
振込先の口座情報を入力します。
・金融機関名
・金融機関コード
・支店名
・支店コード
・種別(普通・当座)
・口座番号
・口座名義人
口座情報の書類を添付
・通帳の表紙
・通帳をひらいた1と2ページ目の両方
※電子通帳などで紙媒体の通帳がない場合は、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、名義人が表示されている画面を画像として添付
《個人事業主》申請方法詳細
申請にあたり、添付が必要な書類は以下の通り。
1.売上減少を証明する書類
・2019年分の確定申告書別表一の控え(マイナンバーは黒塗りで隠す)
・月別売上の記入のある2019年分の所得税青色申告決算書の控え(両面)
・受信通知書(e-Tax申告の場合のみ)
・売上台帳(申請にもちいる月・期間に下線を引く)
2.賃貸借契約・賃料の支払いを証明する書類
・賃貸借契約書
・直前3カ月の支払実績を証明する書類(振込明細や賃貸人からの領収書)
3.振込口座情報
・申請者本人名義の通帳の表紙
・申請者本人名義の通帳をひらいた1と2ページ目の両方
4.本人確認書類
・運転免許証など
①基本情報を入力
・屋号・雅号
・申請者の情報
(氏名・生年月日・性別・電話番号・住所)
・業種
・設立月日・開業日
・書類送付先
②売上情報を入力
申請に必要な情報を入力します。
・申請にもちいる月とその売上、前年の同月の売上
・売上減少の理由
・2019年分の「月別売上の記入のある所得税青色申告決算書」を税務署に提出しているか
・2019年分の確定申告の有無
確認書類を添付。
・2019年分の確定申告書別表一の控え(マイナンバーは黒塗りで隠す)
・月別売上の記入のある2019年分の所得税青色申告決算書の控え(両面)
・受信通知書(e-Tax申告の場合のみ)
・売上台帳(申請にもちいる月・期間に下線を引く)
③賃貸借契約情報を入力
以下の情報を入力します。
・賃貸人情報(氏名/法人名、住所、電話番号)
・管理会社情報(法人名、住所、電話番号)
・賃借人情報(氏名/法人名、住所)
・契約締結日
・契約期間
・契約上の賃料、共益費・管理費(税込み)
・物件情報(住所など)
・実際に直前1カ月以内に支払った賃料(税込み)
・6カ月以内に、地方公共団体から家賃にかかわる支援をうけるか
(受ける場合は金額を記載)
裏付けの書類を添付。
・賃貸借契約書の写し
以下の部分に印をつけます。
1.賃貸借契約であることが確認できる箇所
2.土地・建物の契約であることが確認できる箇所
3.対象の土地・建物の住所がわかる箇所
4.申請に該当する費用(賃料・共益費・管理費)
・直前3カ月の支払実績を証明する書類(振込明細や賃貸人からの領収書)
通帳の支払日・支払い金額・口座名義人・振込先に印をつける。
④口座情報入力
振込先の口座情報を入力します。
・金融機関名
・金融機関コード
・支店名
・支店コード
・種別(普通・当座)
・口座番号
・口座名義人
口座情報の書類を添付
・申請者本人名義の通帳の表紙
・申請者本人名義の通帳をひらいた1と2ページ目の両方
※電子通帳などで紙媒体の通帳がない場合は、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、名義人が表示されている画面を画像として添付
⑤本人確認
本人確認の書類を添付。
住所・氏名・顔写真がはっきり判別できる画像を添付してください。
・運転免許証(両面)
・個人番号カード(オモテ面のみ)
・写真付きの住民基本台帳カード(オモテ面のみ)
・在留カード、特別永住者証明書、外国人登録証明書(両面)
上記の書類がない場合は以下の組み合わせでかわりとすることができます。
・住民票の写しとパスポート
・住民票の写しと各種健康保険証
こんな場合は?家賃支援給付金《補足》
- 個人事業者の「自宅」兼「事務所」の家賃は、対象?
事業用として税務申告している部分のみ対象です。
例えば2階建て家賃30万円の店舗賃貸物件で、1階を店舗/2階は自宅として使用している場合では、家賃の50%が対象となるように按分されます。
30万円まるまるではなく、50%の15万円を給付金対象として計算するのが妥当でしょう。
- 借地の賃料は対象?
対象です。
借地上に賃借している建物が存在するか否かは問いません。
(例:駐車場、資材置場等として事業に用している土地の賃料)
- 自己保有の土地・建物について、ローンを支払中の場合は対象?
対象外です。あくまでも賃貸借契約が対象です。
- 売上などと連動するため、賃料が月ごとに変動する場合は?
申請日の直前に1カ月分として支払った賃料の金額と、2020年3月に支払った金額を比べ、低い金額を基に算出します。
- 地方公共団体から家賃支援を受けていても、この給付金は受けとれる?
受け取れます。ただし、減額されることがあります。
減額されるのは、他の家賃支援金と本給付金の合計額が賃料の6倍以上になった場合。賃料の6倍を超えた額が減額されます。
今すぐ申請準備を進めましょう
申請開始まであと少し。
賃貸借契約書など書類も必要のため、今から準備を進めておきましょう。
最新情報は、経済産業省「家賃支援給付金に関するお知らせ」をご確認ください。
みんなの飲食店開業では、飲食店経営者を応援しています。
開業のご相談にのることが多いのですが、既存でお店を経営されている飲食店オーナー様からのご相談にも無料でご相談をお受けいたします。
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