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ラーメン有唯 オーナー様

「この場所(物件)で出店して良かったと思います。」

出店をサポートした方にこう言っていただけるのは、私どもにとって最高の瞬間。

実はこちらのラーメン店オーナーの解(かい)様が自己流で必死に物件を探した3カ月、「コレ!」という居抜き物件に巡り合うことはありませんでした。

そのまま探し続けても、開業できる可能性は低かったでしょう。

 

ではこの方はどのような方法で『満足できる』物件を見つけたのでしょうか?

たまたま良い物件が見つかった?

不動産屋との交渉が上手になった?

知り合いなどから水面下の物件を紹介してもらった?

 

どれも違うのです。

 

変わったのは、オーナー様が物件をみる基準です。

この「基準」こそ、出店リスクを下げ、繁盛店をつくる重要なポイント。

今回は、こちらのオーナー様が出店までの道筋をたどりながら、店舗物件の探し方・選び方を解説します。

物件を探し始めて3ヶ月経過…一向に見つからない

物件探しに悩む男性

実家が中華料理店で、物心ついたことから料理を作っていた台湾出身のオーナー解(カイ)様。

日本に来てからしばらく飲食業から離れていましたが、「いつか自分の飲食店を開きたい」という想いは日々強くなるばかり。

来日から約20年、、、ついに開業に向けて動きだしました。

 

ラーメン店で開業することに決め、本格的に物件を探し始めたのは2016年の6月。気になる物件があればすぐに現地に行き、人通りや競合店の入店状況などを実地調査。

自分がラーメン店を営む上で、「売上を立てやすいのはどこか?」「この場所でたくさん売上が上がるだろうか?」という視点で、数多くの物件を見て回りました。

 

ラーメン店開業のために覚悟を決め、前職も辞めてしまっていた解オーナー。

毎日”必死”で物件を探しました、どうしても「コレだ!」と思えるモノになかなか巡り合うことができません

 

駅近くで人通りも多く、良さそうな物件はあるものの、そんな物件に限って家賃も保証金もとにかく高い…。

開業資金に限りもあるので、あまり家賃や敷金が高い物件では予算が足りません。

 

探索開始から3か月を経過する頃には「思うような物件はずっと見つからないのでは」と焦りや苛立ちを感じ始めていました。

「掘り出しモノ」物件は存在しない!?

物件の探し方を勉強する男性

実はコレ、「物件探し」によくある落とし穴

店舗用不動産は「人通りの多さ」「集客のしやすさ」などに比例して家賃は高くなります

 

集客を増やす視点でメリットと考えられる、

(1)駅から近い

(2)人通りが多い

(3)1階路面店

これらすべてが家賃を引き上げる要素です。

 

ですから「駅から近く人通りが多い1階路面店で、かつ、”家賃の安い”物件」というのは現実的にまず見つかりません。

空室が多くなり部屋余りになっている住宅不動産と違い、立地に恵まれた店舗不動産は数に限りがあります。

そのような場所は、引く手あまたで家主側も家賃を安くする理由がありませんよね。

 

駅近で1階路面で人通りも多いのに家賃が安い、そんな「掘り出し物」は市場経済が正しく働いている限り出てきません。

そのような物件を探し続けていると、「いつまで経っても開業できない」という事態に…。

 

でも安心してください。全てを兼ね揃えた物件が見つからなくても、繁盛店は作れます。

人通りが少ない場所へ出店した理由

ラーメン店 看板

さて、今回の開業場所の話に戻りましょう。

その後、解オーナーは物件を見つけ、無事にオープンを迎えました。

店舗の場所は、京王線「調布駅」から徒歩2分。駅からは近いのですが、物件が面する商店街「調布百店街」はスナックや居酒屋が多く出店するエリア。

夜はそれなりの人通りがありますが、ラーメン店の”稼ぎ時”である昼間の人通りが少なめ駅前と比べると通行人の数は雲泥の差があります。

 

物件を初めて見たオーナーさんの感想は、

(悪くはないと思うんだけど、もう少し駅に近くて人通りが多い方がいいなあ)。

 

よくわかります。

 

しかし…あと20m駅に近かったら、家賃は1.5~2倍

その20mは多少売上には影響する、かもしれません。

 

しかし飲食店に限らず、きちんとした経営を考えるうえでその視点だけでは危険。

商売を営んでいくうえで、売上よりも大事なことがあるからです。

 

「きちんと利益を残せるか?」

 

要するに売上とコストのバランスです。

いくら売上が大きくても、家賃(コスト)が高すぎては儲けがでません。

飲食店の家賃比率の目安

皆さんは物件を探す時に、いくらまでの家賃であれば良いとお考えでしょうか?

一般的には、飲食店の家賃比率は売上の10%以下を目指すべきです。(※業態によって許容できる家賃比率は変わります)

 

売上の想定から10%以下に収まる現実的に出店できる範囲で物件を検討。

候補が出てきたら物件の周辺をグルグルと見て回り、周辺の飲食店をチェック。ランチの入店状況、競合ラーメン店の位置・メニュー・価格などを確認しました。

あわせて私どもが商圏内の居住人口・オフィス人口の調査を行い、地域の状況を「感覚ではなくデータで」把握。

 

じっくりと検討し、「十分にやれる立地である。」という判断に至り、この場所での出店を決めました。

「十分やれるかどうか」という判断は、家賃・人件費・原価率とのバランスから割り出した「損益分岐点売上」を超えられそうかどうかがポイントになりました。

いくら売れば黒字になる?「損益分岐点売上」を把握しておこう

損益分近点売上を計算

損益分岐点売上とは

前述の「ここで十分やれる(経営が成り立つ)」と判断した時に使った、損益分岐点売上とはなんでしょうか。

損益分岐点売上とは、収入と支出がトントン(利益ゼロ円)になる売上金額

ここを上回れば黒字、下回れば赤字となる基準が分かるため、経営の重要指標として使われるのです。

 

より噛み砕いて説明すると、

店舗経営で毎月発生する固定費(※売上に関係なく発生する費用。賃料やリース料)

どのぐらいの売上でまかなえるのか計算するものです。

 

損益分岐点売上を出すための式は、以下のとおり!

 

損益分岐点売上=固定費 ÷ 限界利益率

 

と、いきなり数式を出されても分かりにくいですよね(笑)

 

まず、式にある「固定費」とはなにか。

経営してくうえで、経費は2種類あります。

売上しだいで変わるものが変動費、変化のないものが固定費です。

 

変動費・・・食材原価、アルバイト人件費、FCのロイヤリティーなど

固定費・・・家賃、社員人件費、水光熱、備品・消耗品、通信費、減価償却費など
では、計算式について解説していきます。

かんたんな算数で分かりますし、店舗経営には必須なので覚えてしまいましょう。

 

1.限界利益率を計算

1-1.変動費率=変動費÷売上

1-2.限界利益率=(1-変動比率)

 

2.損益分岐点売上=固定費÷限界利益率

これで黒字にするための最低限必要な売上が算出できます。

 

損益分岐点を実際に計算してみる

例題)変動費70万円(食材費+アルバイト人件費)・売上150万円・固定費65万円。

この居酒屋の損益分岐点売上はいくらでしょうか?

損益分岐点売上の出し方

1.限界利益率を計算

1-1.変動費率=変動費÷売上

70万円(変動費)÷150万円(売上)=0.4666(変動費率)

1-2.限界利益率=(1-変動比率)

1-0.4666(変動費率)=0.534(限界利益率)

2.損益分岐点売上=固定費÷限界利益率

65万円(固定費)÷0.534(限界利益率)=121.722(損益分岐点売上)

 

よってこの居酒屋の損益分岐点売上は、121万円となります。

121万円以上の売上が見込めそうな物件であれば、出店を具体的に検討すべきと言えます。

 

オーナーの解様の話に戻りましょう。

食材原価は想定ができていましたので、検討物件の家賃から固定費を出し、上記の式から損益分岐点売上を計算。

その売上を上げるために、客単価と客数をどのようにコントロールし、どのように集客すれば良いのか。

イメージだけでなくきちんと数字で「ここで利益が出せるかどうか」物件を検討し、人通りが少ない物件でも十分勝負できる計算が立ったからこそ出店を決めたのです。

ではこのような適切な物件をどうやって見つけるか、に入っていきます。

プロが教える!飲食店の上手な物件の探し方・選び方

物件探しの様子

弊社開催の「物件探しの極意」セミナーでお伝えしている、物件探しのポイントをご紹介します。

物件探しに6ヶ月以上かかることは珍しくない

物件探しは想像以上に時間がかかることはご存じですか?

はじめて開業する場合に6ヶ月かかるのはザラ。

 

もちろん時間をかけることにはリスクが伴いますので早く見つかるこしたことはありません。

物件探しが長引く→その間の生活費で開業資金が目減り→選択できる物件の幅が狭まる→納得のいく物件に出会えない

このような状態に陥るのだけは絶対に避けましょう。

 

そのためにまず、「自分が求める物件を明確に」!

やみくもに探しても良い物件はまず見つかりませんでは、どのような物件を探すべきか考えてみたいと思います。

 

来店する動機によって適切な立地は変わる

・「通りすがり」がメインの場合

このような店舗は、すぐに見つけられ、かつすぐに入れることが最重要。

人通りの多い1階物件へ出す必要があります。

業態例)カフェ、ファストフード

 

・「口コミ」がメインの場合

わざわざ来店する目的やウリがあるお店は、上記のような人通りが多く賃料も高い場所へ出す必要はありません。

ウェブなどで検索された時に見つかることは必要なので、Facebookや食べログなどウェブサイトの活用を行いましょう。

業態例)高級居酒屋、ダイニングバー、特殊なコンセプトの店

 

このように、どのようなお店をやるかによってそれぞれ良い物件は異なります。

全ての店にとって最良な物件、などはありません。

 

お客様の年齢・性別、物件の広さなど1つ1つ具体的にしていき、

『自分にとって良い物件とは?』この問いにスグ答えられるようにしてください。

不動産会社を上手に活用するコツ

頼れる不動産会社

「◯◯駅の近くで◯◯坪くらいの居抜き物件はありますか」

不動産屋の担当者にそんな聞き方はしていませんでしょうか、実はこれでは不十分なのです。

不動産会社の上手な活用で、自分に合う物件が見つかる可能性を何倍にも高めることができます。

 

まず不動産会社を選ぶ際には、店舗物件に力をいれて扱っているか確認しましょう。

同じ不動産屋でも、住宅と店舗では得意分野も情報量も大きく変わってきます。

 

また、不動産会社と上手く付き合うポイントは以下の3つです。

①検討している業種、業態をはっきり伝える

②準備できている資金を伝える

③紹介された物件については返答をする※重要!断る場合には、その理由も伝える

 

残念ながらほとんどの不動産会社にとって、すべての出店者希望者を大事なお客様とは思ってくれているわけではありません

まともな不動産屋や居抜き業者であればあるほど、毎日たくさんのお問合せがあるもの。

彼らも限られた人員と時間で、できるだけ効率的にビジネスに繋げたいと考えています。

 

取り組む業態イメージがあいまいな方、資金が全く足りていない方、出店時期が見えない方、あまりにもかけ離れた物件相場観をお持ちの方。

このような方に、不動産屋の担当者がフットワーク軽く動いてくれることはありません。

 

物件を紹介したら、(すぐに)契約まで繋がるお客様なのか注意深く見ています。

逆に、上記①〜③を満たしており、かつそれがきちんと伝わっていると積極的な物件紹介はもちろん便宜を図ってくれることも。

不動産屋を上手に使う、上手に動かすことをこちらがまず意識することが重要です。

 

良い物件がみつかったら、次は「契約」です。物件を探している段階で何社か連絡をとり、信頼できる会社に任せられると安心ですね。

「焦らずに経営できる」そう語る解オーナー

ラーメン店内の様子

オープンしてまだ1ヶ月ですが、毎日通ってくれるような常連さんがいるなど順調な滑り出し

固定客(リピーター)を中心に、お客さんが増えています。

ラーメン店

この場所で出店して良かったと思います。売上はまだまだこれからですが、家族経営ですし、家賃もそれほど高くないので、焦らずにひとりひとりのお客さまに感謝しながら、お客さんが思わず”笑顔”になるような最高のラーメンを提供していきたいと思います。」

と素敵な笑顔で語ってくれました。

そのお気持ちと笑顔を忘れない方であれば、これから売上は自然に上がっていくと思います!

大切なのはお客さんやスタッフさん、そしてオーナーさんの”笑顔”で、売上・利益もそこに付いてくるものだと感じました。

ラーメン店商品

■店舗情報

・店名:濃厚鶏白湯らーめん 麺坊 有惟(ゆい)

・住所:東京都調布市布田1-49-17 一粒万倍館R号室

・アクセス:JR調布駅から徒歩約2分

・営業時間:11:30~16:30 / 18:00~23:00

・定休日:日曜日(今のところ)

・TEL:042-445-3050

ラーメン

個人的には焦がしにんにくの「黒らーめん」がオススメです!

【まとめ】店舗物件の探し方のコツ10個

チェックリスト

今までに記載してきたポイントを10個にまとめました。再度ご確認ください。

  • 存在しない「掘り出しモノ」物件にこだわり続けることはリスク
  • 良い場所ではなく、その物件で商売が成り立つかが重要
  • 家賃比率は売上の10%以下に抑えよう
  • 黒字にするための最低売上(損益分岐点)を理解しておこう
  • 来店するきっかけが何かによって、出すべき立地は変わる
  • 客層・商品・単価など店の内容によって、出すべき立地は変わる
  • 不動産会社は得意分野が異なる。店舗に力を入れているところを使う
  • 業種・業態・客層を不動産会社にしっかり伝える
  • 準備している資金について隠さず伝える
  • 紹介された物件には必ず返答する。断る時は理由も添える。

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1975年生まれ。東京都出身。 東証一部上場のコンサルティング会社にて、数百店舗の飲食店チェーンの立地診断・出店判断を担当。また、大手チェーンのM&A業務に関わるなど、多岐に渡る豊富な経験を持つ。 実務経験15年、1000店舗以上の支援実績を誇る立地戦略・物件開発のスペシャリスト。長年の現場経験に基づいた的確なアドバイスは、個人からチェーン企業に至るまで、多くのクライアントから絶大な信頼を集めている。
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