2023年10月1日にグランドオープンを迎えた王子のサンドイッチ屋さん「17sandwiches(セブンティーンサンドイッチ)」。オープン以来、地元のお客様を中心に“萌え断”(萌える断面)のサンドイッチが人気を博し、完売日続出の人気店となっています。
イートイン型のレストランやコーヒー店で経験を積んできた生駒オーナーが、なぜテイクアウトのサンドイッチ屋さんを開業することにしたのか?そこに至るまでには、どのような心の葛藤があったのか?どのような苦労があったのか?など、赤裸々に語って頂きました。
「17sandwiches」ってどんなお店?
(大森)お店の特徴とかこだわりを教えてください。
(生駒さん)コンセプトとしてはサンドイッチ1つでお食事「1食分のボリューム」と「栄養バランス」をしっかり取って頂ける商品をメインにしたサンドイッチと自家焙煎のコーヒーでオリジナルブレンドのものを用意してサンドイッチと一緒に味わって頂くお店になります。
(大森)なるほどですね。これが自家焙煎のコーヒーですね。
開業後のお客さんの反応は?
(生駒さん)お客さんも入ってくるなり、「Instagram見たよ」とか、事前に写真とかを見てかなり期待を持って来られている方が多いかなと思います。大変ありがたいことにリピーターの方が多くいらっしゃって、「この間食べたサンドイッチ美味しかったですよ!今日はこっちにしますね!」とかそういった感じの声をかけて頂ける方が多いので、今のところは受け入れて頂いているのかなという感触です。
(大森)しばらく毎日完売でしたよね?
(生駒さん)そうですね、お陰様で全部お買い上げ頂いてたんですけど、出数の見込みが甘くて、12時ぐらいとかのお昼のピークの時間にはすでに品切れになっている商品があって、最初の数日はピークタイムなのに3、4種類しかないっていうような日もあって・・・。
お客様に「これしかないの?」って言われてしまうようなこともありました。
その辺はちょっとうまくいかなかった点でもあります。
(大森)朝8時から開店ですが、結構朝早くから来るお客さんもいらっしゃいますか?
(生駒さん)お店の前を通勤通学で沢山の方が通るのが8時台で、当初は10時ぐらいからのオープンを考えてはいたんですけど、仕込みしながら店の前を見ていたら、もう開けた方がいいだろうと思って、出来たものから陳列して、お店はとにかく早めに開けるという形にシフトしました。
朝、王子に到着したお客様がうちのサンドイッチをお買い上げになって、職場や学校に着いたタイミングでの朝ご飯とか、王子からこれからお出かけになる方がうちのサンドイッチを買って行って頂いて、職場なり学校でお昼ご飯として召し上がって頂くとか、両方の需要があるのかなと、お店を開けてみて気付きました。
なぜサンドイッチ屋さんを始めたの?
(生駒さん)まず自分が一番にやりたい業態や作りたい料理っていうのは一旦置いておいて、人件費の高騰や飲食業界の人材不足など様々なリスクを考慮した結果「一人でやる」ということを最初に決めて、その点において効率を考えた結果、一人で運営できる小さな店舗で、前もって作り置きが出来、ピークタイムは売るだけというオペレーションができる「テイクアウト」の形に辿り着いたという経緯です。
(大森)テイクアウトにしたのはコロナの影響もあったりしますか?
(生駒さん)もちろんあります。
コロナ渦を通じてテイクアウトの需要がある程度一定の地位を得たといいますか、あとはお客様もテイクアウトで買うということに対する心理的なハードルが少し下がったっていうような社会の変化もあったと思います。
この業態(サンドイッチ専門店)でも勝負できるかなと思ったのはそういった社会の背景っていうのも一つになってます。
テイクアウトだから持ち帰り用だしある程度のレベルでいいだろうというようなお店側の都合は逆に通じなくなっていると思うので、そこのクオリティは決して妥協することのないモノを作り上げないといけないというのは責任感として感じます。
うちの場合はサンドイッチを主に扱っていますけど、サンドイッチに対する単価のイメージよりはちょっと高い商品を取り扱っています。
それはやっぱり一人で運営するにあたって、効率を考えてることもありますし、ちゃんとしたクオリティの商品を作れば、お客様に受け入れてもらうことができるだろうという風に判断したのもあってのことです。
開業前に不安だったことは?
(生駒さん)まずはやっぱり開業そのものに対して本当に開業していいのかと自分への問いかけじゃないですけど、何度も何度も考えて、あとはやっぱり家族がいますので、家族をちゃんと安心させてあげられるかっていうところ、そこは幸い応援をしてもらえていたので、あとは自分がちゃんと心を決めて頑張るだけだっていう風にモチベーションを切り替えられました。
あとはもう一つは一人でやると決めてましたので、いざという時に誰にも頼れないという点も不安としてありました。
(大森)開業するかどうかって皆さん一番悩むところで、どうしてもリスクが付きまとうものなのですが、そこを踏ん切れたのはどこでどんなきっかけで覚悟が決まった感じですか?
(生駒さん)やっぱり一人で考えているだけでは決心がつかなかったと思うんですけど、セミナーや個別相談を通じてコンセプトを詰めていく中で、自分の考えた業態で進めてもなんとか勝負になるんじゃないかと段々自信に変わっていったっていうのが大きいと思います。
(大森)そうですね、最初に来られた時には、商品である「サンドイッチ」の価格設定について少し弱気というか、もうちょっと安くした方がいいかなっていうようなお話があったと思うんですけど、どれだけこだわって作ってるか、その商品の栄養バランスのことであったりと、本当にサンドイッチの具材を全部ばらしてプレートに乗っけたら、普通に一食分のボリュームですよね。
それを考えたらこの金額でも全然高くない、逆に安いぐらいかなと思いましたし、「このクオリティの商品を出せるんだったら自信もっていっていいですよ」っていうお話をさせてもらった記憶があります。
(生駒さん)はい、私も覚えています。それでもまだ私の性格もありますけど、それでも中々踏ん切りがつかなかったのもありますけど、いざ開業してみて、お客様から「このボリュームで、この味なら全然高くないわよ」っていう風に言って頂けたお客様も多くいらっしゃいましたので、間違えてなかったんだな、この方向性でちゃんと追及していいんだなって思えた面もあります。
物件の契約も不安だったのでは?
(生駒さん)自分の中での希望の物件、妥協できるところもある程度決めておいた上で、この物件だったら勝負できるだろうと思えたので。
それにはやっぱり事前のコンセプト設計であったり、収益モデルの策定であったり、そういった打ち合わせがあったので合理的に判断できるようになったのはそのお陰かなと思います。
ですから、この物件を見たときに勝負できるだろうと思えましたし、自分の性格的に今でも驚くぐらいすぐに申し込みに踏み切れたかなと思います。
年末までにはなんとかオープンしたいっていう最初の希望よりグッと早めることが出来ました。
やっぱりそれには事前の詳細な打ち合わせをM&Aさんとしっかりと出来たっていうのが一番大きいと思います。
今後の目標は?
(生駒さん)まずはなるべく多くの種類を陳列して、お客様に「選ぶ楽しみ」を感じて頂きたい。
当初はやっぱり作る手が中々追いつかずに、陳列している商品の種類が少なくなったりして、お客さんがせっかく来てくれたのに3、4種類しかないということが結構あったので。
それでちょっとガッカリさせてしまったんじゃないかっていうような反省があったものですから、「次にいらっしゃった時にはもっと種類を増やします!」って言ったからには、お客様との約束を守れるように。それが今の目標です。
これから開業する方へ応援メッセージ
(生駒さん)テイクアウトに限らず、イートインのお店もそうだとは思いますが、開業する時ってどうしても自分のやりたい業態、自分の作りたい料理というのが一番になってしまって、視野が狭くなる瞬間があるんじゃないかなと思うんですけども、お客さんに受け入れてもらえるかどうかっていう風に考えると実はちょっと違うやり方の方がいいんじゃないかなとか、そういった「気付き」を得られる瞬間があるかなと思うんです。
ですから、ある程度視野を広く持っておいた方がいいのかなと。
私はそれに途中で気づけたのが良かったかなと思ってます。
(大森)本日は長い時間ありがとうございました!
17sandwiches(セブンティーンサンドイッチ)の店舗情報
店名:『17sandwiches(セブンティーンサンドイッチ)』
業態:サンドイッチ専門店
住所:東京都北区岸町1-6-20 レジェンド王子 1F
アクセス:JR「王子駅」北口から徒歩約4分
営業時間:8:00~18:00
※営業時間は予告なく変更になる場合があります
定休日:毎週月曜日
オープン日:2023年10月1日
インタビュー動画: 以下からインタビュー動画をご視聴頂けます
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